新・日記どす(DOS)

写真は「ビートルズ」のヘルプごっこ(笑)~音楽からB級スポット訪問記まで、幅広くいろんなことを…笑いをこめて…綴ります~

新美南吉記念館で…感じた童話「手袋を買いに」での一考察…

2014-11-14 08:05:49 | B級スポット
今回は

童話
「手袋を買いに」…について熱く??語る!!!







新美南吉の作品

「ごんぎつね」と同様…




「手袋を買いに」

…で共通して感じるのが…

心優しい狐と酷い人間を描いているように感じれること…





「手袋を買いに」
…から感じられる
新美南吉の「人間不信」




…それが根底に流れているものの…






…この作品は…子供向けの童話であり…


「手袋を買いに」
…は絵本、あるいは小学生低学年の読み物として…
多くのみなさんが触れたことのある
新美南吉の代表作とも言える作品です…









以下に…



粗筋をおおまかに…

新美南吉記念館のジオラマを使って
紹介すると…





雪の朝、表を走り回って帰ってきた子狐のしもやけのできた手を握りながら、母さん狐は手袋を買ってやろうと思いつきました…






しかし、母さん狐はあることを思い出す…


それは

…お友達の狐が、ある家のあひるを盗もうとしたところ、お百姓さんに見つかって、さんざん追いまくられて、命からがら逃げたとのこと…




「母ちゃん何してんの、早く行こうよ」
…と子供の狐がせかして言うのでしたが、母さん狐はどうしても足がすすまないのでした…







そこで、しかたがないので、坊やだけを一人で街まで行かせることになりました…




夜になって街に出かける途中で、母さん狐は子狐の片手を握って人間の子供の手に変えました…
そして、子狐に、街の帽子屋へ行って戸を少しだけ開けたら、人間の方の手を出して「手袋をください」
と言うようにと教えました…
間違って狐の手を出してしまうとひどいめにあうからと…





子狐は街に着くと帽子屋を見つけ戸をたたきました…
帽子屋が戸を開けたとき、差し込んだ光がまぶしくて、子狐はつい狐の方の手を出してしまったのです…





「手袋をください」

帽子屋は、狐だなと思ったけれども出されたお金が本物であることを確認すると黙って手袋を渡してあげました…





帰り道、子狐は母さん狐に



「人間ってちっとも恐かない」

…と、間違った手を出したけれど帽子屋は手袋を売ってくれたことを話しました。


それを、聴いて母さん狐は呟きました…





「ほんとうに人間はいいものかしら?ほんとうに人間はいいものかしら?」







さてさて…
この童話を読んでて…
腑に落ちない…というか
どうしても…ツッコミたくなる…
即ち…理解しがたい点がある…



童話なんだから…
ファンタジーなんだから…
そもそもツッコムことがナンセンスと言えば…
そのとおり…なんですが…

どうしても
ひっかかっちゃうところがあるんですね…




それは…


どうして…


母さん狐は…子狐に


…お友達の狐が、ある家のあひるを盗もうとしたとき、お百姓さんに見つかって、さんざ追いまくられて、命からがら逃げたとのこと…



…と「人間の酷さ」を語りながらも…
そんな危険な人間の住む街へ…子狐ひとりで行かせたのか…
…ということ…







「母さん狐はどうしても足がすすまないのでした…」




足がすすまないほど…怖い人間の街へ…
どうして…愛する子狐をひとりで行かせたのか???



「そこで、しかたがないので、坊やだけを一人で町まで行かせることになりました」



???




何が「しかたがない」んだろう???





手袋を手に入れるために…
ひょっとして…命を失うかもしれない…
…なんて思うと…
…冷静に考えると「手袋を買いに」いくことをやめちゃうけどな…








狐には…ライオンのように…
我が子を崖から突き落として…
這いあがってきた子を認める…みたいな…風習があるのかな…



…だったら…
最初から…厳しい厳格な母さん狐のイメージで表現されてればいいのに…



それまでは…
子狐のしもやけを気遣うほどの…
優しい…優しい母さん狐として描かれているのに…



突然の


「独りで(怖い人間の住む街の帽子屋さんに)手袋買っておいで!!」


…といった豹変ぶりに…戸惑うのデス…





話を勝手に変えちゃうなら…
…母さん狐は…
「人間の怖ろしさ」を伝えながらも…
…子狐は…幼さの上に…母の言うことを聞かずに
「ただ手袋が欲しくて」勝手に街に行っちゃった…



…なんていったストーリー展開ならスムーズに理解できるかな…笑
…って勝手に思っちゃうんですが…苦笑







話変わって





帽子屋さんとのやりとりも印象的デス…


「子狐は化けた人間の手じゃなくて…つい狐の方の手を出してしまった…」




どうして
母さん狐は…両手を人間の手に変えてあげなかったんだろう…って…



もし…
この「手袋を買いに」のストーリーを…
またまた勝手に変えちゃうなら…



母さん狐は…両手を人間の手に変えてあげるようにするな…


そして…帽子屋に着いて…







子狐は…人間の手を差し出す…






帽子屋の店主は…
本物のコインと確かめる素振りをしながら…
シルエットで…人間でないことを気付く…
狐が化けて買いにきたことを理解する…


そのとき
こう言うんだ!!


「こんどは…化けてこなくてもいいんだよ!
 いつでも、狐のままで…ありのままで…買いにおいで」


(心の中には「アナと雪の女王」のあの曲が響き渡り…笑)



…と…このように人間と狐の心の交流を描いた…
ハッピーエンドの作品に…???



あれあれ…苦笑…得意の妄想癖が炸裂…!!!




…笑…







そもそも…
童話につっこむことがナンセンスで…ありまして



これを題材に…触れ
いろんなことを…思いめぐらす…



多様な解釈…
想像性が…大切な訳で…










私が感じたこと…
それは…

新美南吉の生育歴

4歳で母を亡くし
6歳のとき継母を迎え
8歳で養子に出された…そんな幼少時代…


人間…
すなわち彼の周囲にいる大人たちに対して不信感は…
そのときから…抱いていたのかも?



そんな背景が…
この「手袋を買いに」の…
母さん狐と…この子狐との…関係に反映されているのではないか??
…ということ…





それと…もう一つは


「偏見」あるいは「差別」について…
深く考えることのできる…ファンタジーであるということ…




最後に母さん狐は言う…



「ほんとうに人間はいいものかしら?ほんとうに人間はいいものかしら?」



人間にとって…狐は「街まで降りてきて畑を荒らしたり…強いては、イメージの世界でも人間を騙して悪さをする悪い動物」で嫌悪感を抱いているのだろう…


一方で
狐にとって…人間は…お友達の狐が、ある家のあひるを盗もうとしたので、お百姓に見つかって、さんざ追いまくられて、命からがら逃げた…と記述のあるように
「酷いことをする」存在そのもの



…でも…
どちらもそれぞれが生きていくための…
それを守るためにする行為



…と…互いに…この偏見は…
なかなか理解し合うことのできない…
人間と狐ですが…




そんな差別観、偏見を超えて


孤独な少年期を送った…
心から羨ましいと思っていただろう
「親子愛」…を南吉独特の視点で描いた…



人間、狐、どちらも持ち合わせている…

親子愛…家族愛…


それは…普遍的なもの…











最後の母さん狐の言葉…



「ほんとうに人間はいいものかしら?ほんとうに人間はいいものかしら?」




…の言葉が…無限の想像性の広がりを持たせてくれるように思うのです…






たとえば…


「悪いもの(人)ってなんだろう??」



…って…








「手袋を買いに」

…は…私の身勝手なこのような記述を始めとして…
もっともっとさまざまなことに想いを馳せることのできる
想像性を膨らませることのできる素敵な作品です…





ぜひぜひ…
再度…
機会あったら触れてみてくださいな…


ぜひお会いした時は
「手袋を買いに」を
話題に…熱く語りましょう…




急に寒くなってきました…



「こんこん」と…



風邪などひかないようにね…











PS…「こんこん」…咳と狐にかけたんよ!
気付いてくれたかな…笑


































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