朝、腹ごなしに歩いた。横谷峡谷は横谷温泉のすぐ裏手から歩いて渓流沿いにずっと。
幾つか見所となっている滝がある。簡単な案内地図は旅館で貰える。
涼しい!
スケール感が湧かないが、この滝はかなり遠方にある。
谷を挟んだ向う側を流れ落ちている。河床は、温泉の水と同じで
鉄分を多く含んでいるので、茶色味を帯びている。
岩に浮かび上がる陰
苔の淡淡とした緑が映えていた。
しずく。
真ん中の赤みを帯びたところが後で見て黄金色の観音さんの像のように見えるので
一体何かと思ったのだが、錆を含んだ岩があり、丁度そこに朝日がきれいにあたっているのだった。
滝とせせらぎ。マイナスイオン。
滝や渓流、せせらぎ、などの周辺はマイナスイオンが多いとよく言われる。この横谷峡谷の滝周辺も測定をしたらしく、看板が立っていてマイナスイオン値が書いてあった。イオン値は高いらしく気持ちが落ち着く、気分が良い、すがすがしい、ということである。とりあえず環境としてそういう要素があるということぐらいは信じても良いだろう。反対に海というのは意外にもイオン値がプラス方向に高い場所である。プラス方向ということは落ち着かないということである。よく言えば活性化するとも言える。人間の精神にとっては逆の方向に働く。要するにざわつくのだ。
夏の海へ海水浴に行った家族連れなどで、お父さんなどがうだったような赤い顔をして疲れ果てて車を運転して帰っているのを見かける。あれはサービス疲れに加えて、カンカン照りの太陽と海辺のプラスイオンを満載に浴び、ザワザワとざわついて落ち着かない精神状態になって疲れ果てて帰りつつある、ということなのだ。それでも海に行って良かったというときは、その疲れ果てたという何事かを成し遂げたかのごとき感覚を感じるときであったり、そのあげく、眠りの浅い普段の日常と違いぐっすりと眠れて気持ちが良い、というときであったりする。「存分に疲れた!」と言えるときである。
北欧のフィンランドが発祥と言われるサウナも、環境映像などを見ていると、熱いスチーム風呂の後、判で押したように背後に山を控えた美しい湖などが必ずと言っていいほど在って、そこへ何やら団扇のように木の葉っぱを手にした金髪の美女が飛び込むことになっている。実際は脂肪がお腹についてダイエットにこれ努めねばならない面々が打ち揃って飛び込んでいようとも・・・。これもまさにマイナスイオン満載という場面ということなのだろう。