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会津の旅人宿 地域との交流・旅人との交流が盛んな【会津野】宿主ブログ

地域の話題、旅人のホットな話題、季節のおいしい食べ物の話題など、会津へ旅する人々への話題中心の宿主ブログです。

【会津野】パン教室と合計特殊出生率

2016年12月16日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

報道が、プーチン大統領来日のニュースで埋まっています。両国関係の変化の一歩となる重大な発表があるかと、世間が見守っている空気が支配しているように感じます。

さて、昨日は、日常として、「パン教室」を実施しました。

地域で小さなお子さんを育てているお母さんたちが、ワイワイガヤガヤと楽しくパンづくり。

少しだけ泣き叫ぶ(?)お子さんから離れ、友達感覚で「アンパンマン」や「あいづじげん」(筆者注・・・会津美里町のゆるキャラ)の形でパンをつくったりと、楽し時間を提供できたかなと思いました。

ところで、先日、社会学者の開沼博さんが、NHK福島第一放送の「開沼cafe」で、福島の合計特殊出生率の話をしていました。

福島県のホームページからデータを持ってきてみました。

平成20年に起きたリーマンショックにより、経済が冷え込んだ翌年(平成21年)まで、どんどん合計特殊出生率が下がっているのがわかります。ここから、主に経済問題が出生意欲との因果関係であることがわかります。

どん底を打った出生率が、平成22年に少し回復しましたが、平成23年3月の東日本大震災により、また落ち込みます。

平成24年を底として、平成25年から急激に回復傾向が鮮明となっています。

開沼さんによると、平成27年の福島県の合計特殊出生率は1.60で、平成26年より0.2ポイント上昇しています。データから、大きくV字回復していているのがわかります。回復理由は、震災復興予算の執行により、福島県内の経済状況が好転したことが原因と考えられるとのことでした。

この事実は、地域で小さなお子さんを育てるお母さん方が増える傾向が鮮明になってきたことを証明しています。

今回は「パン作り教室」でしたが、私の宿は青少年の野外活動を支援する意義を持つ宿です。震災後に生まれた子どもたちが、もう少し大きくなったとき、この子たち向けにしっかりと社会貢献出来ること。これからとても大切なことは、コレなんだろうなと感じさせられました。

子育てのお母さん方も、子どもさんも、笑顔で過ごせる地域となることを夢みて過ごしていきたいものです。

今日も素晴らしい一日を過ごしましょう。

※コメントは、旅人宿会津野Facebookにて承ります。
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【会津野】またまた小室直樹博士の本を読む

2016年12月15日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

会津出身の社会科学学者 小室直樹博士の書物をリスト化した小室直樹文献目録がネット上にあります。

今日は、そのなかから古本で買い求めた「わたしの知的生産技術」(「知的生産の技術」研究会編)を読んだ感想を書きます。

この本は、18人の論壇による共著で、小室直樹博士は「わたしの学問の方法論」を書いています。

小室博士のほかに、「プロになるための文章作成方法」(大隈秀夫著)の文章もとても素晴らしかったので、今日はそこにある手法を真似て書いてみます。

★ ★ ★

【起】小室博士は、まず「科学」とはなにかという定義を述べ、次に、心理学、経済学を例として成熟の内容を述べ、未成熟の学問を成熟した学問で深堀する「学際」について書いておられます。これから、その導き方をみていきます。

【承】科学は、「自然科学」と「社会科学」に分けられます。

「自然科学」は、自然界の物理法則や数学など、広く自然界の現象を「理論」として追い求めたものです。「科学」として比較的わかりやすいものです。

「社会科学」は、なかなか分かりにくいものです。博士は、説明をするために、科学であることの必要十分条件を考察します。

科学とは、実験や観察、すなわち、実証が伴うことが、科学が科学であることの必要条件です。

続いて、迷信と人生経験は科学といえるかを考えます。実験が伴うものではないので、科学ではありません。

さらに、科学における理論の特徴を考えます。科学として、必要かつ十分な条件として3つを導きます。

1.科学は理論と実証の統合である

2.理論とは完全理論である(補足・・・完全理論とは普遍的に実証されたもの)

3.実証とは完全な実証計画法を伴った実証である(補足・・・偶然起きたことを観察するのではなく、普遍な理論を導くために必要な実証を行うことを伴わなければならない)

そのうえで、心理学と経済学の実証と理論形成について考えています。

心理学は、被験者であるヒトは、実験を行うヒトの意向をまったく無視することはできず、普遍的な傾向を分析するのは困難です。チンパンジーなどでの実験を行うにしても、それでも知能により心理がかわってしまうことを排除できません。最後は、ネズミを使った実験に至ります。先進科学に達するも、社会科学と言えるような理論形成がされないのが実際と結びます。

次に経済学は、原因があり結果が生み出される「因果関係」を元に、結果から原因を推定し、ある仮定のもとでどのような結果がでるかという実証を繰り返す学問です。つまり、理論を仮定し、結果を生み出します。しかし、さまざまなパターンを社会で実証することには、困難があります。例えて言えば、現在の場面で金利を上げた場合と下げた場合の両方を実証することはできないということです。すなわち、理論を形成しても実証が難しいのが経済学です。

利点と欠点が学問によって異なるものの、心理学、経済学はその方法論は成熟しています。方法論すら確立していないのは、政治学と社会学と博士は言います。

【転】では、政治学、社会学はどんな方法で理論の形成と実証を行えばよいのでしょうか。

ここで自然科学が登場します。自然科学は、さまざまな可能性を計画し、実証あるいは実験ができるものです。自然科学である物理学や数学は、先人たちの努力により、かなり多くの普遍理論がすでに発表されています。

物理学は物体の動作法則といった面を、数学は数の法則という面に特化した学問で、それを複合的には見ていません。社会的分野の科学も、単純化した各学問は進歩したものの、複雑に絡み合う分野の理解は難しいことです。

しかし、現実の社会は複雑に絡み合っているのが現状です。

【結】完全理論化した学問と、未成熟な学問のどちらをも深堀し研究するものが「学際」で、完全理論化した学問から未成熟分野へのアプローチをすることが、社会科学分析の方法論であると結論づけています。

★ ★ ★

今日は、「プロになるための文章作成」の手法のうち、「起承転結」をはっきりさせることと、代名詞を極力省くことに気をつかい、文章を書いてみました。

小室博士の書かれた文章を編集者の方が編集したのでしょうが、各小見出しごとに起承転結がわかり、接続詞、代名詞が非常に少ない文章となっているところは、やはり出版社の技術なんだなと、変なところに関心を持ちながら小室博士の文章を読み、まとめてみました。

今日も素晴らしい一日を過ごしましょう。

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【会津野】地域発の自発的価値交換の場に参加して参りました

2016年12月14日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

昨日は、会津美里こらんしょwomanさん主催のマルシェ「*coransho_marché*」に参加してまいりました。

このグループは、会津美里町の観光まちづくり推進協議会で知り合いとなった方が、町の観光情報発信グループを立ち上げたもので、今回のマルシェは、その活動資金を得るために開いたものです。

グループは"自発的"に発生し、さらに情報発信の取材などに必要な活動資金も自分で稼ぐという、大変素晴らしい女性グループです。

私どもはパン製品を販売させていただきましたが、このグループでは「年賀状書きを題材とした習字」、「ネイルアート」、「DIY工作」といった"技術"というか"サービス"を提供していました。

ここのところ、「初市」、「六斎市」などのことばかり調べていましたが、こういう市は地域の農家(農民)や商業関係者(商人や職人)が、自発的に価値交換を目的として開かれたものです。

「価値」ということに注目すれば、このマルシェは、自分の持っているスキルを形にして地域の方々と交換したというところに、モノの交換を超える素晴らしさを感じました。

訪れた方々も笑顔でスキルを受け取ってお帰りになり、こういう市場はまだまだ発展の余地があるのだなと実感。

試飲用のコーヒーを入れて提供しながら、お客様観察を出来る機会という価値をいただいたことが、私にとっての「価値交換」の形となりました。

地域活性化と価値交換の活性化は、かなり近い概念かと思われます。こういう取り組みが続くよう、「オトコ」である私もあまり目立たぬように(?!)参加していこうと思います。

今日も素晴らしい一日を過ごしましょう。

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【会津野】小室直樹博士の対談本

2016年12月13日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

今朝は、沖縄の辺野古の問題で、最高裁が弁論の機会を持たずに、福岡高等裁判所の判断を維持するニュースが報じられています。

また、プレミアムフライデーという「市」を国が支援することも報じられています。

さて、昨日は、会津出身の社会科学学者小室直樹先生が過去に対談した書籍を2冊読みました。

「家元談志のオトコ対決十一番」(立川談志著,1986)と「マジメな話」(岡田斗司夫著,1998)です。

どちらも絶版になっていますが、近くの図書館にあったものですから、借りてきて読んでみました。

前者のテーマは、「教育の崩壊」。後者は、「階層なき日本社会」です。

どちらも、アノミー(無規範)と呼ばれる、目的意識のない状態で思考停止することが、社会を崩壊に導いているという論調でした。

昨日のエントリー【会津野】最高裁判所というものでは、三権分立ということになっているにもかかわらず、立法(政治)と行政が司法に影響を及ぼしていることを書きましたが、小室博士も行政官が階層のトップとして君臨しているにもかかわらず、それが見えない(見えてはならない)無階層な国、日本のことを述べています。そう、日本は前提としては、無規範な国なのです。

後者の本の注釈では、過去の歴史を参照している部分がありました。

平安時代に藤原氏が長く高級官僚を壟断(ろうだん・・・利益を独り占めすること)し、鎌倉時代には完全に実験を握った北条氏は家柄の不足(格差)により将軍(征夷大将軍)になれなかった。

鎌倉時代には、身分制度(階層)が断固として不変であったから、ひとたび身分ができれば、実権を失い身分不相応になっても廃止はできなかった。身分は家柄に結びついていたため、馬の骨がしかるべき身分にはなれなかった。それが、織田信長の時代に変わった。何の家柄もない豊臣秀吉が関白になり、後に素性のわからない徳川家康が征夷大将軍となった。

地域でも、優秀な人ほど、富の偏在(格差)により下剋上を目指せず、実質的に権力の中枢を握る高級官僚への道がとても狭くなっているのが現実です。しかし、階層の無い時代が続いていることも、これまた確かなことです。

16世紀(織田信長や豊臣秀吉の時代)に、ある意味階層が崩れたのを経て、1720年に御蔵入騒動が起き農民蜂起が起きたものの、ヨーロッパで封建制が崩れるもととなった貨幣経済の普及が明治維新で日本に伝わり、日本でも完全に階級が崩れた。明治維新時期の坂本竜馬が政治的な中枢になったことからもわかりますね。

しかし現代は、疑似敵な階級制となってしまっています。アメリカではエスタブリッシュメントを崩す動きを見せるトランプ新大統領が誕生することになり、この疑似階級制も崩れる予感。アメリカンドリームという名の下剋上が起きそうな予感です。

日本においても、この下剋上が起きるときは、実質的な官僚支配の仕組みが崩れるときなのだろうか。

小室博士は、過激ながらも、一旦日本社会をご破算にするとよいのではないかとも言っておられる。

格差是正なのか、格差を崩壊させるのか。この2つの言葉は似ていそうでも、まったく正反対であることを理解させていただくような2冊の対談本でありました。

格差是正と言ってる筋は、実質的に格差温存。格差崩壊という筋は、革命的な格差解消を目指すものと理解しました。

今日も素晴らしい一日を過ごしましょう。

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【会津野】最高裁判所というもの

2016年12月12日 | 宿主からのブログ

おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。

昨日は、会津若松でパン屋としてイベントに参加。たくさんのお客様や他の出展者の方々と井戸端トークを楽しみ、「素敵な声」とほめられ、気を良くして帰って参りました。また、ありがたいことに完売となりました。

さて、昨日のエントリー【会津野】高田の市から考えるあれこれで、御蔵入騒動のことを述べました。幕府にとっては、年貢の料率をup(最高63%まで上昇した)したことで農民が一揆を起こすことが全国に波及したら大変なことになるので、それを抑えようとして南会津まで出向き、バックから応援をする人々を締め上げ、江戸まで直訴に向かったヒトのハシゴを外したうえで成敗したのでした。

そんななか、話題の本「黒い巨塔」(瀬木比呂志著)を読んでいます。

この本は小説なのでフィクションですが、最高裁判所に勤務した裁判官が書いたもの。かなりの迫力で、実態に近いように感じました。現代でも、政治的に重要な裁判や、治安維持に重要な裁判の際、最後の結論を出す最高裁判所内で、さまざまな圧力により判決が左右される様子が伝わってきます。

御蔵入騒動は、幕府にとって脅威的なものでしたから、治安維持のためにあたかも何もなかったかのように工作し、首謀者だけを裁きにかけたのでしょう。

裁きの複雑さや法体系は、江戸時代と現代では大きく違うものの、三権分立で司法が独立しているはずのものを、政治や行政が左右する実態は、いまでもあるのだろうと感じてしまいました。

しかし、最高裁のなかの力関係(権力)の構造もよく見えました。

なかなか接することのない分野で、接しない方が良いものでもありますが、裁判所の構造というものを知っておくには、とても良い書籍です。

今日も素晴らしい一日を過ごしましょう。

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