打越通信

日記ふういろいろ

夏舞

2013-09-24 21:51:42 | 日記ふう
旅行から帰ってきて妻が一番に気にしていたのは「カブちゃん」だった。
箱の中で動かなくなっていた。
昆虫用のゼリーも少しだけ食べてはいたがほとんど残っていた。
カブトムシの寿命は1ヶ月から2ヶ月といわれる。
そのことを妻は知っていたが、やはり悲しいのだろう、涙を流した。
この猛烈な夏を一緒に生きてきたわけで、妻には深い愛着があるのだろう。
買ってきたときは元気良く飛んで壁や天井にぶつかり下に落ちることを繰り返していた。
飛ぶのは良いがあんな高いところから落ちて大丈夫だろうか心配した。
買ってきたときはオスとメスのつがいだったけど、メスの方は部屋の外に飛び出して、家の外に飛んでいってしまった。
一匹になったオスのカブトムシを「カブちゃん」と呼んで可愛がっていたようだ。
そのカブちゃんも妻の呼びかけに反応するような仕草をすることもあった。
小さな昆虫用のゼリーも一晩で食べつくす時期もあり、食欲旺盛で我が家のリビングを飛び回っていた時期もあった。
しかしそれも無くなり、羽を広げてバタバタするが飛べることができなくなった。
まあ、2ヶ月近くも我が家で暮らしたのだから妻も悲しいのだろう。
庭には黒のポメの犬のクーの下に「夏舞」と妻が命名した戒名だ。
黒ポメのクーには<空>、夏に舞うと書いて<カブ>と読むそうだ。
なかなかうまい命名だとその墓を見て思った。



そして妻は小樽でガラス細工のカブトムシを買ってきていた。