goo blog サービス終了のお知らせ 

以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

車載のモジュール修理放談。。。

2021-02-06 13:13:00 | 日記
今年に入って連日、W124のモジュール類のデイープな修理が続いておりますがW124も既に新車から30年選手の個体になるにつれて数年前じゃ遭遇しない様な故障が発生しています。。。

☆画像はイメージです。

修理屋さんを何軒も周って原因が掴めずに不調が解決せず、最終的に当社にお任せ戴く様な事例が多く御座居ますが、当社でのトラブルシュートは車全体の状態を把握した上で症状やピンポイントの測定値から故障箇所の特定。。。
この時点でエンジン周りを這っているハーネス類のピンアサインを下調べして調査資料、文献を掻き集める事になる事も多い。。。











☆画像はイメージです。

不調箇所に関連するシステムの概念図に始まり、ダイヤグラムブロック図、作業資料等を掻き集めて分解点検調査の段取りを立てる場合もある。
不調の原因がユニット側か車両側かの特定判断に迷う様な事例では特にそうだ。
診断機によるフォルトコードもモジュールの外で起きている問題なのか、モジュール本体内部で起きている問題なのか判断に迷わされるモノも多い。。。

不調となっているシステムの各アクチュエータ、センサー類等と通信しているHFM等のモジュールまでの道程に異常が無いかを未知のトラブルの場合ではマストでチェック❗️

先ずは大きな竹林に入って、竹を選定し、「この竹だ❗️」と大方当たりをつけて家具屋姫を見つけ出すと言った様な具合である。。。

で、、、車両側に問題が無いと判断されたらいよいよモジュール側が限り無くクロと判断される。。。

そうなると、、、いよいよモジュール本体の脱着分解検査となる訳であるが、、、

この時点で車屋さんだと同型のモジュールの中古品を持って来て接続してみるのが一般的な調査方法でありますが、、、既に新車から30年選手の毒車ですから中古部品も希少になりつつある現在では試す手段も難しくなっています。。。

中には故障しているモジュール類をヤフオクなどに出品してノークレーム&ノーリターンで荒稼ぎしている輩も多いと聞く。。。

仮に代替品を手に入れても故障品じゃあ話にならない。
☆画像はイメージです。

この時点でトラブルシュートによる故障箇所の特定は暗礁に乗り上げてしまう事が多い。

対してウチみたいな超零細隙間風産業会社は対象のモジュールユニットを机上に持って行ってピンアサインデータを基に試験電圧を印加の上で不調箇所に絡む基盤上の制御状態を追い掛ける。。。
勿論、回路図など公開されていない箇所が多いがシステムの概念図やダイヤグラム図から基盤を覗き込んで使用されている半導体メモリー等の回路構成から大体の検討がつく。。。

積層基盤上のパターンを追う技術は年がら年中こんな事ばっかやってる経験値の世界なのでやりたい人は自分で何十年も修行して下さいませ。。。😂

疑いのある基盤のパートに貼り付けてあるICの品番から仕様書を引っ張り出して先ずは入力電源から追う事になる。。。
試験電圧をモジュールのピンから印加して電源回路の入出力値の評価から始まり、目的のICへの入力電源値を測定する。

ココで重要なのはユーザーへの事前問診。。。

過去にアクチュエータやハーネス類のショートをやらかしてからアクチュエータ類やハーネスを交換したと言う話だと多くは受動回路の動作電源回路を吹っ飛ばしている事も多い。。。酷い場合はIC電源レギュレータ素子までも焼いて。。。😖
☆画像はイメージです。。。

するとその部分に全集中して徹底的に調べる必要がある。正に「全集中じゃっ‼️」

と、まあこうやって一箇所一箇所を追い掛けてモジュール自体の故障を暴く訳でやんす。。。

その上で修理方法を検討する訳ですが、何分30年選手のモジュール基盤なもんで当時の規格のICレギュレータやモータードライバー等は既にメーカー供給終了の場合が多い。。。

よってセキュリティ機能の関係で再利用使い回しの効かないW210やW202のモジュールユニット等で年式が近いと目的のICレギュレータが使用されていたりするので中古品の実働品が手に入った場合にはドナー移植術となる。。。

と、まあ当社ではこの様な流れでトラブルシュート&修理対応しておりますが車屋さんじゃ可哀想な「ブラックボックスの領域」に入り込んでいるって訳です。

反対に現在巷で多く営業されている「基盤修理屋さん」では基盤修理にかけては経験値も相応にあるでしょうが、モジュール類の車両側とのやり取りや制御ブロックダイヤグラムによる制御タイミングの把握まではしていない様なので、本来のモジュール故障の特定までは行えず見当違いな電子部品交換を行なって結局治せず。。。ってケースが物凄く多いですね。

基盤修理専門屋さんは基盤単体でしか知識が無いのが当たり前で自動車の様に各種センサーやアクチュエータ類の入出力動作、積算動作の全てを頭に入れて基盤修理をしろ何て土台無理なお話で。。。

つまり、モジュール類の修理ってのは車両側の制御やCAN通信ネットワーク、モジュール類の制御特性を把握している事が必要で当然車両の整備知識も要します。
☆画像はイメージです。。。

更にモジュール類の修理には相応の資料集めや半導体個別毎のスペックレポートも必要になります。。。



















☆画像はイメージです。。。

そんな畑違いの修理経験値と知識を持たないと必ず白旗になる仕事が弊社のお仕事なのです。。。

まあ、代替品ユニットが有って新品価格に対して相応の購買力を持ったオーナーさんばかりならウチの様な事業者は要らないんですけどね。。。😂

まあ、新品ユニットのメーカー供給は殆ど終了。有っても天井知らずな値上がり具合。。。

でも、モジュール類も経年劣化故障は普通にします。。。
車を諦めて降りるか、それともキチンと修理して乗り続けるか、、、乗り続けるにはお金は掛かりますけど段々と希少車種となりつつあるW124などの毒車に何処まで資金を注ぎ込めるかですねえ。。。

弊社は「治したい❗️」の決心を貫くユーザーさんの最後の砦なのですかな。。。🤔