以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

KEモジュールは今が旬❓❓

2019-11-24 16:18:00 | 日記
ココのところKE車専門工場になりつつある弊社です。。。(笑)

どんなお問合せが多いかってーと。。。

KE車でコールドスタート時の始動不良に始まり、、、コールドスタート後のアイドルアップ不良。。。
で、、、温まるまでアイドルがブスブス言って明らかに具合が悪いって話が妙に多い。。。

温まっても吹け上がりがイマイチで加速がそこいら辺の軽自動車より遅いって具合。。。

然るに、、、水温センサー三種、燃料ポンプ&フィルター、FUELアキュムレーター、プレッシャーレギュレータ、アイドルエアバルブ、FUELガバナー、、、果てはFUELインジェクター&ハウジング,パッキンまで交換するも改善が見られず。。。
今度は点火系統かもと点火プラグにデスビキャップ、デスビローター、プラグコード、イグニッションコイルも新調。。。
コレでもかと部品を新調しまくり、果てはOVPリレーやFUELポンプリレーまでも。。。

イヤね。。。何れも消耗品ですから走行距離を重ねていて交換していないのならばいずれは交換の必要が出るパーツですからメンテナンス的にはイイのかも知れんですけどね。。。😓

で、、、大体一通りの部品が交換されてボンネット内が結構綺麗になった状態で問題の解決には至らず、ユーザーさんお手上げモードでウチに御依頼の巻となる。。。😅






先ずはココでKEジェトロの燃料供給システムについてオーナーさんはどの程度熟知されているだろうか?

このシステムに電気制御が入る以前はKジェトロ。。。つまりはFUELポンプから燃料圧力を上げてプレッシャーレギュレータに燃料を送り込みFUELデスビで各気筒に燃料を分配し機械式エアフロから吸入されたエアーと混合させてFUELインジェクターから燃料をシリンダーに噴射させています。
コレにEが付いたのが電気制御を用いたKEジェトロ。。。
プレッシャーレギュレータから運ばれてFUELデスビに入る燃料の量をその時のエンジン回転数に合わせて補正しているのがFUELガバナー。。。
エンジンマネジメント用の水温センサーからの信号とエンジン回転数を最重要基本データとしてKEモジュールが読み取り、FUELデスビにその時のエンジン回転で必要な燃料の量を適正管理しています。。。
FUELガバナーの構造と動作につては専門的知識の域になるのでココでは割愛致しますがEの字が付いたKEジェトロの燃料コントロール補正と言う非常に重要な仕事をしているとだけ理解しておくと良いでしょう。

冷間時始動の際もこのFUELガバナーは燃料増量の動きもしますし、アクセルON時にも燃料増量の補正の動きをします。又、アクセルOFF時には燃料カットの動きもして燃料コントロールの要を担っています。

さて、このFUELガバナーをコントロールするブレインは先述したKEモジュールで、、、KEモジュールからの出力信号でFUELガバナーは制御されています。。。




このKEモジュール。。。中には当時としては画期的だったマイコン基盤とスイッチング制御基盤が仕込んであり、車両のエンジン関係のセンサー類の信号を入力しマネジメントする働きをしています。

KEジェトロではエンジン始動からアイドリング域ではこのKEモジュールが特に重要な制御をしていますので注意が必要です。

このKEモジュールも誕生後30年近くを迎え、劣化の一途を辿っています。

モジュールの基盤上の実装部品類や基盤上のハンダの劣化が進みモジュールの機能上のトラブルが発生している場合が多いです。
劣化が進行して行く過程でFUELガバナーの適正制御が難しくなり、燃料補正自体がアバウトなものになってエンジン不調を来たす事も多いです。
例えば加速時の力が何か落ちた気がした。→だからアクセルをガンガン踏む→結果燃費が悪くなった。。。などKEモジュールの劣化によるエンジンマネジメント不良が引き起こす弊害に見舞われる訳であります。

多くは冷間時始動不良→アイドル不良発生の段階で修理に入庫し、キチンと原因を特定の上でKEモジュールが原因だと判断された場合にはモジュール基盤のO/Hで解決が出来る事が多いですが、、、基盤上の大容量の電解コンデンサーのパンクが発生していて時間が大幅に経過していると修復不可と言う事態に至る事もあります。




↑この場合はまだ軽傷の方です。。。(笑)

今現在、欲しい車が無くてKEジェトロの個体にまだまだ乗り続けようとお考えの諸兄。。。

KEモジュールは品番にもよりますがメーカーでの新品供給は終了。。。

中古部品は所詮中古。。。結局また劣化故障に苛まれる事になります。。。

何度も言いますが30年選手に到達しようかと言うモジュールです。

まだ劣化途上で大きな不具合が発生する前に手を打てば修復コストも安く済みます。

KEモジュールの劣化故障を見落として遠回りしてしまった個体は結構な修復コストを要する事になりますので御注意を‼️



リレーユニットのO/H

2019-11-10 20:44:00 | 日記
やっと11月らしい気候になって来た今日この頃ですが体調など崩されてませんでしょうか?

今頃せっせと衣替えをしている寅です。。。(笑)

さて、最近はKEジェトロのモデルのF/PリレーユニットやKEモジュールのO/H、103Egや104EgのA/CリレーのO/H&無接点化依頼が多い今日この頃です。。。

KEジェトロ系のお話は何方かと言うと馴染みの業者さんにエンジン不調修理に入って、F/PリレーやKEモジュールの不調が判明してウチにユニットの修理依頼ってのが多いですな。。。

KEジェトロで吹け上がりがモタつくだとか冷間時始動困難何て話になってFUELガバナーの補正コントロール信号が出ていないって話が特に最近多い気がする。。。
もう、こうなるとKEモジュールの故障である可能性が大。。。
まあ、素人さんの判断じゃウチはマトモに取り合いませんけどね。。。(笑)
キチンとした知識を持った馴染みの整備士さんからの依頼ならば請けますけどね。。。




まあ、基盤修理に至る訳ですが一筋縄で行かない事も多いですわ。。。




電解コンデンサーはお漏らし全開で基盤上の浸食範囲が広範囲に及んだり。。。

新品のモジュールのメーカー供給が終わってるなら治すしかしょうがないですな。。。(笑)

秋の夜長に結構な手間を掛けて修復作業を行います。。。

それと最近多いのがKEジェトロ用のF/Pリレーユニットの修理で開けてみると。。。




過去にハンダクラックが入ったのであろう。。。
ハンダ増しを行なっているケース。。。

でも、俺的には大抵失格仕事のダメ出しやね。。。

何故ならば割れたハンダっちゅうのは毒な国の未熟な技術で精製されたEcoハンダが酸化して溶着部が割れとる訳や。。。
其処に更にハンダゴテを押し付けて中途半端に熱して更にホームセンターで売ってる様な生ハンダを盛ってるだけの作業ってのはその場はハンダ部分が強化された様に見えるだろうが酸化した古いハンダとホームセンターで売ってる様な基盤用でない汎用ハンダがキチンと混じり合う訳がなく古いハンダと汎用ハンダが分離現象を引き起こす。。。
その場はくっついたと思っても再び酸化を引き起こしハンダ割れを引き起こす。。。

更に基盤に挿さる端子側の酸化もある訳で、一度ハンダが分離現象を起こした端子に関しては一度ハンダを吸着撤去し、サンドペーパー等でならす必要がある。

よって、、、




端子部分の古いハンダを全撤去し、基盤と端子を分離する必要がある訳です。

其れを車屋は簡単に考えて割れたハンダ部分に汎用ハンダを流し込んで修理完了だって。。。また割れまっせえ〜。(笑)






更に基盤を裸にして酸化部分の修復作業を行い、無接点基盤を載せる。




今回はF/Pリレーとコールドスタートバルブリレーの両方を無接点化。
制御基盤もO/Hを施工した事でこの先長期に渡って故障知らずで使用出来る様に仕上げました。

勿論、相応に費用は掛かりますが数年毎にF/Pリレーユニットを購入するよりはコストを抑えられるでしょう。
この先、メーカーからの純正品の供給終了も十分有り得ますからね〜。(笑)
社外の粗悪部品を短期で交換しよう何て思考回路の持ち主は車を棄ててしまいましょう〜‼️
バブルの頃から夢をもう一度の糞爺はさっさと運転免許証を返納しましょう。迷惑だから❗️(笑)

「主治医が。主治医が。」と宣う人はどうぞ主治医に基盤のO/Hから無接点化までお願いして下さい。弊社では承りませんので悪しからず。

F/Pリレーユニットに限らず103系、104系エンジンのA/CリレーのO/H&無接点化も流れは同じです。
小手先の修復で行ったハンダ盛り作業は結局また再発します。
メーカーから供給されている新品A/Cリレーを購入してもまた数年後は同じ様なトラブルが起きます。仕方がないですよ。火花を散らす電磁リレーとEcoハンダですから。。。(笑)

キチンと治して長期に渡って安心して使いたければO/H&無接点化が最善策だとウチは考えます。

相応に費用は掛かりますが、数年でリレーを交換するコストを考えたら元は取れるのではないでしょうか❓
其れを弊社に問い合わせておいて目先の金額だけで見積金額をメールで返信した途端にナシノツブテ。。。「毒車乗るのやめたら❓」と言いたくなる。。。

特にW201,W124のユーザーに多くなって来た気がする。。。
恐らく国産車の維持コスト位に考えてるのだろうがそうは問屋が卸さない。
自らを「貧乏ベンツ乗り」と恥ずかし気もなく宣うユーザーが結構居るが、ウチ的には答えは一つ。「貧乏ならベンツ何か乗るな❗️況してや修理代が果てしなく掛かる骨董品に❗️」で、ある。。。
此方は商売。「貧乏」何て言葉に同情している程甘くは無い❗️ウチはボランティアじゃねえ。
もっと言えば毒車何て趣味性の高い車を趣味で手に入れたユーザーの「車遊び」に回す資金が無い何て言い訳は聞く耳を持てまへんな。
じゃ、同じ趣味でもグルメ系の趣味ならどうなの❓
高級割烹料理店に入って「貧乏でお金が無いんです。」で河豚のてっさでも注文するんかい❓
「貧乏でお金が無いんです。」で越乃寒梅でも注文するんかい❓
高級寿司店で「貧乏でお金が無いんです。」で大トロと中トロ刺身、アオリイカの活け造りを注文するんかい❓
食った後にお金がありませんじゃ無銭飲食やど。。。
何れも筋に合わねーでしょうが❗️
サービスを提供する方はプロなんだよ。相応のコストを掛けてサービスを提供しているんだよ❗️
お客は趣味かも知れんがお客の趣味にサービスを提供する方はプロとして生活が掛かってるんだよ‼️

要は身の丈に合った趣味を楽しむべきなのと違いまっか⁉️

背伸びして身の丈に合わない毒車趣味を無理してやってるのならば弊社とのお付き合いは無理ですのでアプローチはお控え下さいませ。。。









プレミアムO/H。。。(笑)

2019-11-05 14:59:00 | 日記
モジュールの修理にも一手間掛けたがりの寅です。(笑)

1990年代に新車で世に出て間もなく30年選手の王台に載ろうかと言う毒車。。。



☆画像はイメージです。


モジュールの電子回路基盤も当然に経年劣化が進んでいるもので、、、

その代表格は電解コンデンサー。。。

だから経年劣化した電解コンデンサーを一式交換するだけでもモジュールはサクサクと動作する様になりますが、、、

代替部品の容量と耐電圧が合っていれば取り敢えず基盤は動きます。。。

ただ、、、基盤には使用条件ってものがあります。。。

今回のお話は毒車のモジュール。。。つまり車載用途です。

って、、、事は家電製品などとは違った過酷な使用条件を加味した上での代替部品の選定が必要になります。。。

熱、振動、湿気と言う三大悪条件が絡んで来ます。

モジュールのケース側においてモジュールの設置箇所に応じた放熱と防水についてはメーカーにおいて対策が行われていますが、、、振動については当時の欧州のハンダ故に。。。

モジュール内部基盤で結露が発生した場合に当然ハンダにも水分が吸着されます。。。
吸着された水分はモジュール内部で発生した熱も手伝ってハンダを酸化させ、、、最後はエンジンの発する微妙な周波数によってハンダ割れに繋がります。

又、モジュールが動作する事で発生した動作熱はモジュールのケースを伝ってヒートシンク状の切込みから放出されますがモジュール内部には半導体スイッチング素子、レギュレータ素子などの動作熱によって結構な熱が篭ります。。。
オマケにモジュールの設置場所がエンジンルーム内部だったりしますと、、、エンジンの発生熱も手伝ってモジュール自体の温度上昇は更に激しさを増します。。。

モジュール内部に篭った熱による温度上昇も考慮の上で電解コンデンサーなどの電子部品も選定しなければならないのです。。。
車載用で且つオン抵抗の大きい半導体はオン抵抗分エネルギーロスが出ますので当然ながら動作熱も大きくなります。。。30年前の毒な国では熱が出りゃ放熱すりゃあいい位の考えだった様でスイッチング半導体にかなり立派なヒートシンクを装着して熱放出を狙ってあります。。。

しかしながら電解コンデンサーってヤツは耐熱許容温度と言うものが存在していて当時モノはMax105℃までが上限となっていました。。。



☆画像はイメージです。


恐らくは当時の毒な国の設計者は105℃近辺までの温度上昇を想定して作られたのであろう。。。

だけど、、、やはり耐熱許容温度にも余裕が欲しい。。。
何故ならば常に耐熱許容温度ギリギリで使用されていたのでは電解コンデンサーの劣化も早まりますからね。。。

だから、ウチでは電解コンデンサーの選定においても車載用で且つ耐熱許容温度が125℃、135℃、150℃のモノを使用箇所に合わせて個別に選定しております。
勿論、直接熱害が想定されない箇所においても設置条件による例外はありますが標準で105℃仕様を選定する様にしております。

後は電解コンデンサーに比べれば熱害は少ないですが経年による風化が認められるタンタルコンデンサー類も、現行のもっと精度の高いチップ部品に置換するのもウチの一手間かな。。。



☆画像はイメージです。


まあ、その他にも各部に相応の理由を持った電子部品の選定を行う事で基盤動作の精度を高める措置も行なっております。

電子部品の技術も日進月歩なので当社ではその時々で最良の動作を狙える電子部品を常に選定して代替部品としております。
素人さんが秋葉原で掻き集める程度の部品選定は行なっておりません。。。

余談ですが「安い❗️安い❗️」がウリのモジュール修理屋さんで施工されたT/LLRモジュールが一年程度で不調を起こした物の修理を請け負った事が御座居ましたが、、、
案の定、電解コンデンサーのみの交換で他は一切手付かず。。。
しかも代替品として使用されていた電解コンデンサーは容量と耐圧は合っているものの家庭用のオーディオ機器に用いられる様な部品であった。。。
熱による電解コンデンサーの劣化、膨張が著しい他タンタルコンデンサーも風化していた上に基盤上のパターンの剥離トラブルも出ていましたので当社にて手入れを行い修正させて戴きました。。。

と、まあ一台一台のモジュールに向き合って状態を把握した上で不良箇所を攻めて行くが故に多少のお時間と費用は要します。。。

中途半端なモジュール修理は承っておりませんもので。。。(笑)