ココのところKE車専門工場になりつつある弊社です。。。(笑)
どんなお問合せが多いかってーと。。。
KE車でコールドスタート時の始動不良に始まり、、、コールドスタート後のアイドルアップ不良。。。
で、、、温まるまでアイドルがブスブス言って明らかに具合が悪いって話が妙に多い。。。
温まっても吹け上がりがイマイチで加速がそこいら辺の軽自動車より遅いって具合。。。
然るに、、、水温センサー三種、燃料ポンプ&フィルター、FUELアキュムレーター、プレッシャーレギュレータ、アイドルエアバルブ、FUELガバナー、、、果てはFUELインジェクター&ハウジング,パッキンまで交換するも改善が見られず。。。
今度は点火系統かもと点火プラグにデスビキャップ、デスビローター、プラグコード、イグニッションコイルも新調。。。
コレでもかと部品を新調しまくり、果てはOVPリレーやFUELポンプリレーまでも。。。
イヤね。。。何れも消耗品ですから走行距離を重ねていて交換していないのならばいずれは交換の必要が出るパーツですからメンテナンス的にはイイのかも知れんですけどね。。。😓
で、、、大体一通りの部品が交換されてボンネット内が結構綺麗になった状態で問題の解決には至らず、ユーザーさんお手上げモードでウチに御依頼の巻となる。。。😅
先ずはココでKEジェトロの燃料供給システムについてオーナーさんはどの程度熟知されているだろうか?
このシステムに電気制御が入る以前はKジェトロ。。。つまりはFUELポンプから燃料圧力を上げてプレッシャーレギュレータに燃料を送り込みFUELデスビで各気筒に燃料を分配し機械式エアフロから吸入されたエアーと混合させてFUELインジェクターから燃料をシリンダーに噴射させています。
コレにEが付いたのが電気制御を用いたKEジェトロ。。。
プレッシャーレギュレータから運ばれてFUELデスビに入る燃料の量をその時のエンジン回転数に合わせて補正しているのがFUELガバナー。。。
エンジンマネジメント用の水温センサーからの信号とエンジン回転数を最重要基本データとしてKEモジュールが読み取り、FUELデスビにその時のエンジン回転で必要な燃料の量を適正管理しています。。。
FUELガバナーの構造と動作につては専門的知識の域になるのでココでは割愛致しますがEの字が付いたKEジェトロの燃料コントロール補正と言う非常に重要な仕事をしているとだけ理解しておくと良いでしょう。
冷間時始動の際もこのFUELガバナーは燃料増量の動きもしますし、アクセルON時にも燃料増量の補正の動きをします。又、アクセルOFF時には燃料カットの動きもして燃料コントロールの要を担っています。
さて、このFUELガバナーをコントロールするブレインは先述したKEモジュールで、、、KEモジュールからの出力信号でFUELガバナーは制御されています。。。
このKEモジュール。。。中には当時としては画期的だったマイコン基盤とスイッチング制御基盤が仕込んであり、車両のエンジン関係のセンサー類の信号を入力しマネジメントする働きをしています。
KEジェトロではエンジン始動からアイドリング域ではこのKEモジュールが特に重要な制御をしていますので注意が必要です。
このKEモジュールも誕生後30年近くを迎え、劣化の一途を辿っています。
モジュールの基盤上の実装部品類や基盤上のハンダの劣化が進みモジュールの機能上のトラブルが発生している場合が多いです。
劣化が進行して行く過程でFUELガバナーの適正制御が難しくなり、燃料補正自体がアバウトなものになってエンジン不調を来たす事も多いです。
例えば加速時の力が何か落ちた気がした。→だからアクセルをガンガン踏む→結果燃費が悪くなった。。。などKEモジュールの劣化によるエンジンマネジメント不良が引き起こす弊害に見舞われる訳であります。
多くは冷間時始動不良→アイドル不良発生の段階で修理に入庫し、キチンと原因を特定の上でKEモジュールが原因だと判断された場合にはモジュール基盤のO/Hで解決が出来る事が多いですが、、、基盤上の大容量の電解コンデンサーのパンクが発生していて時間が大幅に経過していると修復不可と言う事態に至る事もあります。
↑この場合はまだ軽傷の方です。。。(笑)
今現在、欲しい車が無くてKEジェトロの個体にまだまだ乗り続けようとお考えの諸兄。。。
KEモジュールは品番にもよりますがメーカーでの新品供給は終了。。。
中古部品は所詮中古。。。結局また劣化故障に苛まれる事になります。。。
何度も言いますが30年選手に到達しようかと言うモジュールです。
まだ劣化途上で大きな不具合が発生する前に手を打てば修復コストも安く済みます。
KEモジュールの劣化故障を見落として遠回りしてしまった個体は結構な修復コストを要する事になりますので御注意を‼️