毎年、気温が上がって来て猛暑の夏のプロローグが始まる頃、、、『エアコン効かない。』のお話がガンガン入って来て気が抜けない寅🐯どす。。。



で、、、昨晩も『A/Cコンプレッサーが入らない。』と言う案件で当社に送られて来たW124 E500のGMモジュール。。。
机上試験ではコントロール電源も入って取り敢えずはエンジンも掛かってエンジン制御については大きな問題は見られないと判断。。。
と、言う事はエンジン制御の不良に因るエアコンコントロールのエラーでは無さそうだと仮定してエアコンコントロールのパートを集中的に診る事にした。
先ずは分解。🛠️

すると、、、
過去に小手先の格安O/Hを受けた個体であって、、、寅🐯は違和感と共にこれから発見する最悪な事態に大きな不安を覚えた。。。😱

先ずは前回の施工で使用された電解コンデンサーが車載条件に適さないモノで更に交換に使用された半田がホームセンターで売っている様な車載基盤不適応な半田。。。

↑この画像に写っている3ケの電解コンデンサーが車載不適応品。。。
この植替えられた電解コンデンサーを摘出しようと半田ゴテを当てるも半田が既に車載による熱で化学変化を起こして変質していて30W程度では溶けない。。。
更に植え込んである電解コンデンサーが車載の条件下に耐えられず液漏れをして基盤上に浸食していた。
更に言うとこの『不適応品』に交換した際に純正品の電解コンデンサーから漏れ滲んだ電解液が電解コンデンサーのアシを伝わって基盤の半田に浸潤して酸化させていたらしく純正品の電解コンデンサーの摘出作業に難儀したのであろう。
植え込んであった電解コンデンサーの下側の基盤パターンに結構なダメージが及んでいた。
特にエアコンコンプレッサー制御系統が激しく、これでは正常なエアコンコントロールは期待出来ないわ‼️😱
よって電解コンデンサー全数摘出の上で浸食した基盤修復を中心に施工。。。
作業時間は精密パターンの再生が主となるので実に五時間にも及ぶ事に。。。
結果、無事に修復を終えたが今回は正に安物買いの銭失いの実例でしたな。。。
きっと、、、2万円位の施工価格に中身を知らないユーザーは魅力を感じて発注したのだろうが素人以下の交換部品選定と半田の選定に後先を全く予想出来ない施工者による作業なんやろうね。
多くは利益第一主義の有名金看板業者が窓口になって自称基盤修理屋さんに外注されて出来上がりはこんな感じと言う具合である。
最近になってココ10年以内に受けた『O/H』に因る実害が発生して修理工場さんが頭を悩ます実例が相次いでいます。
車載用基盤の電子部品選定ミスや個々の電子部品の特性や使用条件、寿命について熟知していない施工者の格安作業の結果は施工後5年を越した位で大手術を要す事になるケースが頻発していますので格安O/Hを受けたタマは覚悟が必要です。
GMモジュールに限らず、LHモジュール、E-GASモジュールにも同じ事が言えますので、、、兎に角やり直しは余計な手間が掛かり、二次災害が起きているケースが多々あって高額修理になりますので腹を括りましょう。
今回は格安モジュール修理の顛末についてでした。。。
後日談。。。2025/6/20の午後、この度の御依頼者の業者さんより『A/Cコンプレッサー復活』の御一報を頂戴致しました。御用命有難う御座居ました。🙇♀️