発達トラウマは、その元になった体験が無意識に落ちてますから、それをホッタラカシにはできません。発達トラウマ治療は、ですから、基本が、その根っこの体験に直面すること、暴露療法が基本です。
ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第13章 Healing from trauma : Owing your self 「トラウマから癒されること :本当の自分を生きること」p.210の 2節の第2パラグラフから。
身体が感じる感じを意識できれば、私どもの心の世界に向き合うことができます。それは、私ども自身を眺めることです。私どもの悩み、過敏さ、不安に気付くだけで、すぐさま、私どもの見通しを変えることになりますし、自動操縦の、習慣になっている反応以外の、新たないろんな意見に眼を開くことができますね。マインドフルネスになれば、私どものいろんな気持ちやいろんな感覚にある、いまここを≪超越≫する働きに触れることができます。私どもの身体が語る声に注意を払えば、感情の波の満ち引きに気付けますし、それと共に、感情をコントロールすることがその分出来るようになります。
自分の身体に意識を向けること、息、歩きに、静かに、ゆったりと、意識を向けること。そうすると、今の気持ちがどこから来ているのかが、次第次第に、ハッキリ分かります。自分の内側から湧いてくる場合もあれば、人の気持ちがスッと入ってくる場合だってありますもんね。今の自分の気持ちが、人の気持ちだって気付けたときの、静かな感動も、体験すれば、分かりますよ。それは意識してできるもんじゃないのに、意識して訓練しなければできないものですね。矛盾してるけれども、真実だから仕方ありません。気が付いたら、人の気持ちになっているんだけども、それは意識的な訓練の賜物です。
ここまでくれば、自分の感情をコントロールすることが上手になるばかりではなく、人様が感情をコントロールするお手伝いも、上手になれますよ。