絵・佐藤達 1995年「根室駅にあった直営ライダーハウス・ツーリングトレィン」。 一泊500円。
北海道根室から、さらに太平洋側を30㎞ほど走って納沙布岬(のさっぷみさき)に着く。「本土最東端。納沙布岬」と木の柱が建っているだけ。洋上に貝殻島の灯台。帰りはオホーツク側を走って根室へ。この根室半島北側の道が素晴らしい。右にオホーツク・野村水道の真っ赤な夕日。左にゆるやかな起伏の原野風の牧草地、点々と放牧馬。その中の丘をカーブし、越えながら走る。白いカバーの大きな牧草ロールの群れが、夕日に映えて草原の中に浮かび上がる。 真冬の根室駅で汽車を降りて外へ出ると、寒さで体がぎゅっと締まる。吹雪の中を歩いていたら、いつのまにか凍った海の上に出ていた、と言った話を聞いたことがある。現在(1995年)の根室は、再開発で中央通りなど片側三車線、街路樹の美しい、アップダウンする魅力的な町である。