医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

枯山水の美感11

2007年12月02日 09時47分42秒 | Weblog
 国際庭園コンテストで金賞を受賞した、-自然や宇宙との共生を語る-「月と竹の物語の坪庭」とは一体どのような庭だったのでしょうか?

 気になりますよね。

 月と竹の物語、というとかぐや姫がモチーフだったのでしょうか?

 実際には、

「月の水鏡の坪庭」

<庭の中央に水盆から静かに湧き出す池をもうけ、月明かりを池の水面に映し、幽玄な雰囲気を演出しています。

池の水面に映る月の姿を観賞するため、月の館から池に降りる観月台をもうけ、その周りを竹(クロチク等)で囲みます。

また、池を囲む「星河の石庭」の石は、宇宙の惑星をあらわし、小さな庭に、無限の広がりの宇宙をイメージさせています。>



「月明かりの坪庭」

<月の館と竹の館に囲まれた小さな坪庭で、敷き詰められた白砂の波紋の陰影と、富士山をもイメージさせる砂盛が、月明かりに輝く姿は神秘的ですらあります。

また、月の館と竹の館をつなぐ回廊は「天の橋」と名づけ、その下を流れる白砂の河は、天の川をあらわしています。>

 といった内容だったそうです。

 確かにロマンティックですね・・。

 夜、月を主役にした庭・・・、日本以外ではあまり聞いたことはないですよね。

 狂王ルートヴィヒが泣いて喜ぶお庭ですね。

 僕にはぴんと来ませんが、考えてみれば、天体を庭に描くというのも珍しいので、これが「宇宙観」といえば「宇宙観」なのでしょうか?

 G・ハンコック氏に言わせれば、エジプトのピラミッドも、アンコールワットも「天空の鏡」ですから、発想としてないことはないですけれども・・・

 クラシック音楽に宇宙を取り入れた、イギリスの作曲家、グスターヴ・ホルストや、ロックに宇宙を取り入れた同じくイギリスのD・ボウイはすごいな、と感心したことがありましたが、やはり島国だと思いは天に向かうのでしょうか?

 わが日本人も、そのような鋭い感性を、実は古くからご先祖様より受け継いでいるのでしょうか?

 それにしましても、どうも日本伝統文化は、わが日本人より、外国人からの評価のほうが、毎度のこと、悲しいながら高いようで・・・。



 では、これからは各論。

 次回はやはり、日本最古の禅寺・建仁寺(けんにんじ){写真}からやりましょう。