医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

琥珀の美-13

2006年09月22日 14時40分43秒 | Weblog
 この写真は大黒屋さんがエカテリーナ2世に拝謁(はいえつ)した、エカテリーナ宮殿の謁見の間です。

 (上記は誤りで、「玉座の間」でした・・本物の「謁見の間」は9/24分を参考にしてください-2006.09.24-)

 さて一方「琥珀の間」ですが「蒐集クラブ」によれば、さらに「四枚のパネルの中心にはそれぞれ金色に塗った青銅の枠がついた、碧玉(へきぎょく)と瑪瑙(めのう)の美しいフィレンツェモザイクが」あり、「オーク、かえで、白檀(びゃくだん)、紫檀(したん)、くるみ、マホガニーを使った手の込んだ寄せ木細工の床と天井画が四囲の壁に負けない豪華さを加えていた」そうな・・・。

 書き写しているだけでごちそうさまです・・疲れちゃう・・。

 ちなみに碧玉は英語でジャスパー、緑から青色の石英のこと、白檀は仏像を彫る材料の木で香りがあり、紫檀はローズウッドとも呼ばれ、高級家具やナイフの柄に使われる木材です。

 さらに名工は仕事を続け、ついにこの部屋が完成したときには「蒐集クラブ」によれば「エリザヴェータは歓喜し、ずっとこの部屋を外国の大使を迎えるのに使い、見せびらかした」そうですが、完成したのが1770年のはずですから、そのときにはもうエリザヴェータは他界しておりますので、エカテリーナ2世の間違いではないかなあ・・・。

 その後王家の宝も飾られ、「チェスト、燭台、かぎ煙草入れ、皿、ナイフ、フォーク、十字架、聖像を安置した壁龕(へきがん=壁のくぼみ?)など70もの琥珀製品が部屋を飾っていた。」そうです。

 ダメ押しにはな、なんと「皇帝ニコライⅡ世が買った琥珀の王冠」が加わったそうです。

 エカテリーナ2世は特にこの部屋が相当気に入ったそうで、自分が許す者以外の入室を禁じて、お宝を収集しまくりついには禁断の部屋となりました。

 「琥珀の王冠」ですか・・・ しかしここまで行ってしまうと、突き抜けておりますから、もやや嫌味だとか成金趣味はとうに通り越して、ある意味潔さすら感じますし、笑うしかないというか、驚嘆にくれるしかありませんでしょ?

 人類の遺産として大切に守り抜かなければならないはずです。