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切り裂かれたミンクコート事件

2006年12月03日 | ミステリ
560ページもありながらダレさせない手腕はたいしたものです(著者&訳者へ)。しかも殺人が起こるのは真ん中あたり、それまでは邸宅にやってきた人物たちの行動に付き合うことになります。今回はロンドン警視庁の天才三羽烏のひとりオールグッド警視が登場(あとの2人はアプルビイとアレン!)します。そのうえ作中には名前だけですがウィムジー卿も出ます。わが国の誰かの作品に名探偵協会なんてものがなかったですかねえ。

ミステリ的な謎は前作に比べると小粒で、犯人もそう意外ではありません。が、「謎」意外の部分が大盛りで、邸宅にやってきたそれぞれの思惑がてんこ盛りです。こんなところの枝葉の話が好きなので、それはそれで楽しかったです。ストーリーテラーですね。ただ幕切れで一気に出てくるとちょっと辟易するので、小出しにしてくれたらもっと良かったです。

「切り裂かれたミンクコート事件 ジェームズ・アンダースン著 扶桑社ミステリー」
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