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夜歩く

2013年12月13日 | JDカー
カーのデビュー作「夜歩く」の新訳が創元推理文庫から出ましたが、
デビュー作らしく、若書きの感じがぬぐえませんね。
そのかわり若書きの分だけ願望充足が強い感じもします。
カーの分身とおぼしきジェフ・マールが、犯行現場の上階でマッパの英国女性と出遭う場面は、
深夜アニメでいうところの入浴回に通じるものがあります。

くだらないことはさておき、「夜歩く」については巻末の巽昌章の解説で言い尽くされていて、
シロートが書くことなぞ何もないのですが、
カーにとって作品の舞台となる地は『ここでないどこか』というのはまったく同感。
それと翻訳は和邇桃子ですが、文体が戦前の日本の探偵小説を彷彿とさせるような気がします。
さらに女性キャラクターの台詞は女性ならでは。
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