Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●<筆洗>《肥料と戦争は縁が深い。例えば、肥料を生み出すアンモニアは、硝酸に変えて火薬の材料にもなる》…ハーバー法開発の先に…

2022年06月13日 00時00分28秒 | Weblog

(20220603[])
東京新聞【<コラム 筆洗>肥料と戦争は縁が深い。例えば、肥料を生み出すアンモニアは、…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/181194?rct=hissen)。

 《これを成し遂げ、後にノーベル賞を受賞したのがドイツのハーバーボッシュ。空気中の窒素と水素を直接反応させて合成する技術を見いだし一九一三年、ドイツに世界初のアンモニア合成工場ができた。…▼ハーバーは毒ガス開発を主導したことでも有名。》

 考えてみれば確かに《アンモニアは、硝酸に変えて火薬の材料にもなる》…なるほど。《肥料の高騰と不足は、貧しい国々に食料危機を招きかねない》、《▼食糧増産にも大量殺戮(さつりく)にも使われる英知。》

   『●核開発・核使用、そして原発推進……、それは愛国心の発露か?
    《筆洗 2013年10月12日 ノーベル化学賞が、ドイツの
     ハーバー博士に贈られると発表されたのは、一九一八年のことだ。
     アンモニアの合成法開発が認められての栄誉だったが、国際的な
     非難の声が巻き起こった。ハーバー博士は「化学兵器の父」でも
     あったからだ▼毒ガス兵器は第一次世界大戦で九万人もの兵士の命を
     奪った。一九二八年にはジュネーブ議定書で戦争での使用は禁止され、
     一九九七年には、製造や保有も禁じた条約も発効している
     ▼にもかかわらず、化学兵器は今なお人々を苦しめ続けている
    「…の記事、フィリッツ・ハーバーの名を見た。戦争の愚かさ。
     大気中に無尽蔵にある窒素ガスから肥料としてのアンモニアを
     化学的に合成して見せた科学者が、一方では、「毒ガス開発の父
     と呼ばれ、ナチスへの協力をしていた…。毒ガスの開発研究が
     「愛国心」の発露と言えるのか? 核兵器開発はどうか?」

 ウソ吐きや《火事場ドロボー》どもの口車にのせられて、違憲に壊憲し、戦争できる国にすることが「愛国」「愛国心」なのか? そこに研究者が手を貸す、軍事研究に手を染める、それは「愛国」「愛国心」か? 人の親として、子や孫を〝毒ガス漂う〟戦場に行かせ、人殺しさせる、それって「愛国」「愛国心」?


 以下、まだ読学してた頃の、2008年05月16日のブログを再掲します。

   『●「毒ガス開発の父ハーバー ~愛国心を裏切られた科学者~」読了(1/2)
   『●「毒ガス開発の父ハーバー ~愛国心を裏切られた科学者~」読了(2/2)

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4月に読了。富田親平。朝日選書、2007年11月刊。

「オストワルト、ネルンスト、ハーバー、ボッシュ」法とでも呼ぶべき、とする人もいるよう。一般的には、「ハーバー法」あるいは「ハーバー・ボッシュ法」。オストワルトの下でハーバーは研究をすることを望んでいたが叶えられず。ネルンストはハーバーのライバルで、オストワルトの下で研究。ネルンストは化学平衡の権威で、彼がハーバーに高気圧下でアンモニア生成が有利であることを示唆したらしい。当時、ハーバーはカールスルーエ工科大学教授。ボッシュは、ハーバーが共同研究・開発を申し込んだBASF社の技術者で、200~300気圧に耐えうる高圧炉の開発を担当し、その材料として合金を採用。時期は異なるが、両者がノーベル賞を授与された。ただし、ハーバーの下で助手だったミッタッシュが安定性の高い鉄化合物の触媒を発見したことが見逃されがち。化学平衡から低温の方がアンモニア生成は確かに有利であるが、反応速度があまりに遅く、優れた触媒を用いてアンモニアを高度に回収する必要があったため。(pp.71-78)
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この空中窒素固定法よりも、チクロンBなどの毒ガス開発・毒ガス戦で著名。タイトルはかなりどぎついと思っていたが…。これは日本にも影響したらしい。この本で、日本に来ていたことを初めて知った。日本軍とも接触していたらしい

様々な著名学者が出てきて勉強にはなるが、後年のハーバーへの評価がガタガタと落ちて行く…。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/181194?rct=hissen

<コラム 筆洗>肥料と戦争は縁が深い。例えば、肥料を生み出すアンモニアは、…
2022年6月3日 07時03分

 肥料と戦争は縁が深い。例えば、肥料を生み出すアンモニアは、硝酸に変えて火薬の材料にもなる▼産業革命を経て人口が激増した欧州では十九世紀末には食料危機到来が叫ばれ、化学肥料増産につながるアンモニア合成に科学者たちが挑んだ。これを成し遂げ、後にノーベル賞を受賞したのがドイツのハーバーボッシュ。空気中の窒素と水素を直接反応させて合成する技術を見いだし一九一三年、ドイツに世界初のアンモニア合成工場ができた▼翌年に第一次大戦が起きると、軍の求めで火薬用の硝酸工場が建設される。ドイツは一八年に敗戦するが、アンモニア合成の成功がなければもっと早く負けたとも。『肥料の来た道帰る道』(高橋英一著)から引いた▼全国農業協同組合連合会(JA全農)が、地方組織に六〜十月に販売する肥料を従来より最大94%値上げすると発表した。ウクライナへの侵攻で経済制裁を受けるロシアとその友好国ベラルーシは化学肥料の原料の輸出国だが、供給が滞っているという。原油高に伴い輸送費も高くなった。肥料の高騰と不足は、貧しい国々に食料危機を招きかねないハーバーは毒ガス開発を主導したことでも有名。ドイツは第一次大戦のベルギーの戦線で塩素ガスを使った。世界初の大規模な化学兵器使用とされる▼食糧増産にも大量殺戮(さつりく)にも使われる英知。人類は罪深くもある。
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●核開発・核使用、そして原発推進・・・・・・、それは愛国心の発露か?

2013年10月13日 00時00分14秒 | Weblog


asahi.comの社説【核不使用声明―思考転換の一石に】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit2、10月2日)、東京新聞の記事【国連の核不使用声明賛成 政府、核軍縮先導狙う】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013101202000114.html)。最後に東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013101202000110.html

 asahi.comの記事 『「核不使用、いかなる状況でも」 国連共同声明案、文言残る』(http://www.asahi.com/shimen/articles/OSK201310110189.html?ref=com_top_pickup)によると、

   「政府が賛同しない理由としてきた「いかなる状況でも核兵器が二度と
    使われないことが人類存続の利益になる」との表現は盛り込まれたままに
    なっている」

・・・・・・そうだ。
 我が国が「いかなる状況でも」「核不使用声明」に賛同・署名せずに、一体、どの国がするのだろう? 率先して、署名すべきだったはず。遅ればせながら、ようやくの署名の運びだ。

 次の一歩は、「原子力=核」、「核(兵器)=原子力(発電)」、「原発=原爆」なのだから、この署名の行きつく先は、「原発再稼働」「原発輸出」ではないはずだ。「いかなる状況でも」「核不使用声明」に賛同・署名した上での「原発再稼働」「原発輸出」という行為は、ブログ主は矛盾していると思う。

   『●小出裕章さん、核=原子力は「違憲」という視点
   『●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である
   『●「原子力」は「核」へのポテンシャル
   『●3.11後にヒロシマで原発推進・輸出を語れるその神経・・・・・・
   『●「核と人類は共存し得ない」

 最後の記事、フィリッツ・ハーバーの名を見た。戦争の愚かさ。大気中に無尽蔵にある窒素ガスから肥料としてのアンモニアを化学的に合成して見せた科学者が、一方では、「毒ガス開発の父」と呼ばれ、ナチスへの協力をしていた・・・。毒ガスの開発研究が「愛国心」の発露と言えるのか? 核兵器開発はどうか?

   『●「毒ガス開発の父ハーバー ~愛国心を裏切られた科学者~」読了(1/2)
   『●「毒ガス開発の父ハーバー ~愛国心を裏切られた科学者~」読了(2/2)

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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit2、10月2日】

核不使用声明―思考転換の一石に

 核兵器は非人道的で、使われるべきではない――。

 国連総会第1委員会に近く提案される共同声明に、日本政府が初めて署名することになった。岸田文雄外相は「支持しうると判断した」と明言した。

 核兵器の非人道性に焦点をあて、禁止していこうとする動きは、3年前の核不拡散条約(NPT)再検討会議を機に加速した。共同声明も昨年以降、3回出され、今年4月の国際会議では80カ国が賛同した。

 だが日本は、米国の「核の傘」の下で安全を守ろうとする政策と合わないとして、ずっと署名を拒んできた

 68年前、世界で初めて、広島、長崎を原爆で攻撃された日本がなぜ賛同しないのか

 この夏には長崎市長が平和宣言で「被爆国としての原点に反すると痛烈に批判した。

 遅きに失したとはいえ、安倍政権が姿勢を転じたことは一歩前進といえよう。

 ただ、手放しでは喜べない。

 岸田外相は賛同する理由について「(声明の文言が)適切に修正された」と説明した。

 ニュージーランドやスイスなどが練っている文案は明らかでないが、「核の傘」に頼る日本に政策変更を迫るような内容にはならないと踏んだようだ。

 せっかく署名しても、それだけにとどまるのなら、その意味合いは薄まってしまう。今回の方針転換を、「核の傘」からの脱却を探る道のりへの第一歩と考えるべきだ。

 核兵器を持つことで相手を威嚇し、平和を保とうとする核抑止論は冷戦時代の思考だ。冷戦終結から四半世紀がたつのに、日本はむしろ、米国の核抑止力への期待を強めている。

 中国が軍事的存在感を増し、北朝鮮も核・ミサイル開発を進める。これらの脅威に対抗するには、米国の核しかないという発想だ。

 当の米国では、核抑止論は時代遅れとの考えが広がり、オバマ政権は核の役割低減に積極的だ。日本の姿勢は妨げになっているとの見方すらある

 核の非人道性が強調されるようになった背景にあるのは、核の被害を受けるのは国家ではなく人間であり、人間こそ守らなければ、という考え方だ。

 無数の市民が殺され、生き延びた人々も放射線の後遺症に苦しむ。その残酷さを日本はどの国よりも知っている

 「核を使ってはいけない」との潮流を広げ、やがては核ゼロを実現させる。その道のりを確かなものにすることが、被爆国としての責務だ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013101202000114.html

国連の核不使用声明賛成 政府、核軍縮先導狙う
2013年10月12日 朝刊

 政府は十一日、国連の場で来週にも発表される核兵器の非人道性と不使用を訴える共同声明に賛成する方針を正式表明したのを受け、二〇一四年以降に相次いで予定される核軍縮関連の国際会議で議論をリードしたい考えだ。唯一の戦争被爆国として各国に核軍縮の努力を促し、指導力発揮を狙う。

 広島出身の岸田文雄外相は記者会見で、共同声明に関し「日本は核兵器の悲惨さを最も知っている。被爆地の思いを発信したい」と述べ、今後の核軍縮をめぐる国際世論を先導することに意欲を示した。

 その第一弾として重視するのが、一四年に広島で開催予定の非核保有十二カ国でつくる「軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)」外相会合だ。岸田氏が議長を務め、核軍縮の重要性を訴えるメッセージを発表する。

 これを受け政府は、広島と長崎への原爆投下から七十年に当たる一五年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で具体的成果につなげる道筋を描く。同年には各国の政府関係者や研究者が集まる国連軍縮会議を広島で開催する案も検討している。

 ただ、日本の安全保障政策は米国の「核の傘」に依存しているのが実情。今回の共同声明も拘束力はないと位置付けることで日本の立場と両立し得る」(外務省筋)として、ようやく賛成方針に転じた経緯がある。

 このため核兵器の非人道性と不使用を強調し過ぎれば、整合性を問われかねない危うさもはらんでいる。

 ニューヨークでの国連総会第一委員会(軍縮)で公表される共同声明について、政府関係者は十一日「来週後半以降になる」との見方を示した。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013101202000110.html

筆洗
2013年10月12日

 ノーベル化学賞が、ドイツのハーバー博士に贈られると発表されたのは、一九一八年のことだ。アンモニアの合成法開発が認められての栄誉だったが、国際的な非難の声が巻き起こった。ハーバー博士は「化学兵器の父」でもあったからだ▼毒ガス兵器は第一次世界大戦で九万人もの兵士の命を奪った。一九二八年にはジュネーブ議定書で戦争での使用は禁止され、一九九七年には、製造や保有も禁じた条約も発効している▼にもかかわらず、化学兵器は今なお人々を苦しめ続けている。シリアのダマスカス近郊で千人以上もの命が奪われたのは、つい五十日ほど前のことだ▼化学兵器の父がノーベル賞に輝いてから九十五年。今年のノーベル平和賞が、化学兵器禁止機関(OPCW)に贈られることになった。授賞は、一世紀を経ても禁断の兵器に別れを告げられない現実の裏返しである▼シリア政府軍が化学兵器を使ったとしてオバマ政権が武力行使に踏み切ろうとしていたころ、驚くべき事実が明らかにされた。一九八〇年代のイラン・イラク戦争では化学兵器で一万人が死亡したが、イラクが毒ガスを使用するのを、米国が秘密裏に支援していたと、米誌が暴露したのだ▼その米国は今も大量の化学兵器を持っている。禁止条約が定めた廃棄期限を守らなかったのだ。廃棄を迫られているのは、シリアだけではない。
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