Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●複雑な気分

2010年11月15日 05時09分37秒 | Weblog

THE JOURNALの篠田博之さんの記事です。

 死刑存置反対ですが、こういう記事を読むと、篠田さん同様、やはり複雑な気分にさせられます。
 
被害者遺族であっても死刑反対の方がいます。ですので、関係者や当事者でもない者が遺族の気持ちを勝手に忖度して、死刑を支持することを私は理解できません。でも、この記事にあるような遺族の方の気持ちも、当然、理解でき、一方で、遺族の方に失礼ながら、死刑執行しても問題は解決されず、気持ちの整理もつかないのではないか、とも思われ、より一層複雑な気分にさせられます。

 記事にある中島岳志さんの記事もたまたま読んでいる途中でした。
 
事件後のマスコミや市民の本事件に関する微妙な冷め具合や、被告の社会との関係性についての事件直後の皆の思い込みとその後の裁判で明らかになった実像との差など、いろいろと考えさせられる記事でした。

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【http://www.the
journal.jp/contents/shinoda/2010/11/11.html】

11月9日アキバ事件加藤智大公判を傍聴しました。


 前回の公判に続いて被害者遺族の証言。特に9日は遺族の調書の朗読だけでなく、殺害された川口隆弘君(享年19)の父親が直接法廷に立って、1mほどしか離れていない加藤智大被告人に向かって詰め寄るという壮絶な意見陳述でした。傍聴席の最前列に座っていた私もハンカチで涙をぬぐいながらの傍聴。この日は女性判事もハンカチを出していました。
 父親の意見陳述はこんなふうに始まりました。「加藤、よく聞け。俺はトラックではねられた川口隆弘の父親だ。俺の息子がどんなに苦しい思いで死んでいったか。俺はお前を絶対に許すことはできない」。その後、息子の傷だらけの遺体と対面した時の様子、火葬した時の辛い気持、今年の成人式には息子が生きていれば出席したはずだと代わりに参加したことなどを切々と語りました。
 そして再び加藤被告人に向かい、こう詰め寄りました。「17人も殺傷したお前にとって死刑は楽な死に方だ。お前に同じ苦しみを味あわせてやりたい。お前は頭はいいのかもしれないが、人間としては最低だ。掲示板でいやな思いをしたといっても、世間の人は皆いろいろなことを我慢して生きているんだ」。
 そして最後をこう締めくくりました。「世の中には死刑に反対する人もいますが、それは身内を殺されたことがなく、遺族の苦しみをわからない人だと思います。裁判長、極悪非道の加藤をぜひ死刑にしてください」
 この前には母親の長い調書(意見陳述)も女性検察官がモニターに写真を映しながら読み上げました。亡くなった一人息子が幼少からどんなふうだったかを切々と語ったのですが、この両親にとって息子の突然の死をまだ完全に受け入れることができないでいる、その思いを吐露したわけです。
 前回の公判で読み上げられた他の被害者遺族の調書でも、身内の無残な死を受け入れられず、神経科の医者にかかるようになったとか、睡眠剤なしでは眠れないといった体験が語られていました。身内を突然、理不尽な形で惨殺されたという体験は、こんなふうに遺族を後々まで苦しめるわけです。
 私も『ドキュメント死刑囚』に書きましたが、奈良幼女殺害事件の小林薫死刑囚の裁判で幼女の両親の法廷証言の時には法廷中が涙に包まれたのですが、この両親もいまだに娘の不条理な死を精神的に受け入れることができない状況でした。
 加藤被告人に向けられた父親の証言の最後に、死刑反対論への批判があったことも、私を複雑な思いにさせました。私自身はどちらかといえば死刑制度反対論者ではありますが、息子を殺された親の「犯人に極刑を求める」気持ちは当然だし、私自身も同じ立場なら同じ主張をするだろうと思います。だからこの父親の意見には同意します。
 ただ、私が前掲著書で主張したのは、凶悪事件の犯人にとって「罪を償う」とはどういうことなのか、個々のケースに即して考えようということです。この加藤被告の場合も、もう死刑を覚悟しているのは明らかで、恐らく一審で死刑判決が出て、本人が控訴取り下げで確定させる可能性は高いと思うのですが、ちょっと釈然としないのは、それが本当に彼にとって罪を償ったことになるのだろうか、ということです。ま、このへんは難しい問題で、私も加藤被告に即してこうだと断定的に語るほど整理ができていないのですが。
 次の公判は11日。被害者遺族の証言が続きます。
 なおこの加藤被告の裁判については、『創』11月号(先月号)で北海道大学の中島岳志さんが14ページにわたって自分の見解を語っていますが、これもものすごく考えさせる内容です。関心のある人はぜひ読んでほしいと思います。

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●『警察(サツ)回り』読了

2010年11月14日 00時51分47秒 | Weblog

『警察回り』、10月に読了。本田靖春著、ちくま文庫。2010年12月第1刷発行。おそらく2冊目を購入。
 解説は、大谷昭宏さん「彼岸からの叱責」。

  第一章 バアさんの回想録
  第二章 警察(サツ)回り無頼
  第三章 「東京の素顔」
  第四章 黄色い血〟キャンペーン
  第五章 深代惇郎の死
  第六章 バアさんの血

 「バアさんが死んだ」(p.8)。有名な出だし。「第六章 バアさんの血」へと・・・。

 バー素娥(p.26)。深代惇郎氏、「素娥には昭和三十年代の記者たちの青春がいっぱい詰まっていて、オーバーに言えば戦後の新聞史の一頁くらいにはなるかもしれない」(p.31)。

 深代惇郎氏(p.33、179、194、262、269、283)。
 鈴木東民氏(p.140)。

 「社会部帝国主義」(pp.82-83)。「・・・反権力の気風がみなぎっており、社会部こそが民衆に直結し無告の人々を代表しているのだ、という自負に一人ひとりが支えられていた」。
 記者クラブ(p.123)。「私たちは刑事部屋に食い込むための努力はしたが、権力機構である警察そのものとは一線を画していた。意識としては、はっきり民衆の側にいた。社会部記者というのはそういうものだと信じていた。いまも私はその気分が脱けない」。

 写真の想い出、「こうして書いていて、いまなお慚愧の念に堪えない」(pp.112-113)。

 「加藤(祥二)学校」(p.141)。「「題材は一切問わない。・・・続きものをやろうじゃないか。改めて取材しなくても、ふだん見聞きしているだけで、十分材料はあるはずだ。それをみんなで自由に楽しく書こう」/警察(サツ)会議の席で加藤デスクがそう提案したときの興奮を、私はいまでもありありと覚えている。うそも誇張もなく、身体が震えた」。

 東京オリンピック(p.188)。「私をとらえていたのは、一版でも早く原稿を入れなければならない、という職業上の義務感より、だれかに話さずはいられない、といいた性質の感動でった。/・・・/メモも取らない。自分でも不思議としかいいようがないのだが、次から次からとこみ上げてくるものが口から迸り出て、頭脳の回路はどこかへ行ってしまったかのようであった」。

 ケツバイ(p.215)。売血・買血。頻回採血・違法採血。〝黄色い血〟キャンペーン。「「〝黄色い血〟追放・献血100パーセント」の目標を掲げて私がキャンペーンを始めた・・・」(p.227)。ライシャワー事件(p.229)。
 大蔵省「なんだね、これは。・・・恐喝じゃないか。・・・」、「・・・恐喝だろうが何だろうが、私はとことんやります。あなたと私とどっちの言い分が正しいのか、国民に判断してもらおうじゃないですか。・・・」。「君が単なる仕事としてではなく、社会のために一所懸命になっている気持ちはよくわかった。それは私も同じだ」、「―――――」、「予備費を出しましょう。ただし、厚生省に出すんじゃない。君に出すんだ。それにはひとつ約束をしてもらわなきゃならない」、「何でしょうか」、「役人というやつは予算がついたら、一杯飲んでそれで終わりということになりかねないんだ。だから、これから出す金は献血にきちんと役立つよう君が責任を持って監視してもらいたい。その約束ができるかね」(p.237)。
 読売との決別。「キャンペーンは、社と決別するにあたって、何か一つ社会部記者であった確かな証がほしい、というあがきの産物であった。/輸血という医療行為が続くかぎり、輸血制度は残る。街で移動採血車を見掛けるたび、私は社会部記者であったことを誇りに思う。キャンペーンによってだれよりも救われたのは、私自身だったのである」
 ミドリ十字(p.239)。

 バアさんのお茶漬けの「そのやり方」(p.261)。

 深代氏のロンドン派遣(p.271)。「そのあたりにも朝日の懐の深さが現れている。私は彼の話をうらやましく聞いた。/しかし、朝日の社内でも、警察(サツ)回りからいきなり海外に派遣されることなどは、めったにあることではない」。「・・・朝日の期待の星であった。・・・彼に対する評価はこれ以上ないと思われるほど高い。/・・・優れた平衡感覚ですね。・・・。/・・・あれだけの名文家はそんなにたくさんはいないです。・・・彼に匹敵するほどの人間はいないですね。・・・。/・・・。/早くから名文家のほまれが高く、しかも、若くして社長候補に擬せられた深代は、・・・何十年に一人の人材であった」(pp.272-273)。
 「・・・バアさんは日本への帰化を決心するのである。/・・・。/・・・帰化申請書に添えられた理由書・・・。/・・・これに手を入れたのが深代で、・・・。」(p.295)。「いまも帰化の条件は厳しいが、・・・。/・・・。/法務省から戻ってきたバアさんによれば、担当者は理由書を読み終えると深くうなずいていた、という。/「・・・この仕事をしていてこれだけのものは初めてです、ってさあ」/「そりゃあそうだろうよ。天下の深代が見てくれたものだもの。下書きは大切にとっておけよ。彼が死にでもしたら、それこそ家宝物だ」/冗談を言った私は、いまその下書きを机の上に広げて、無常を感じずにはいられない。/・・・。/許可の通知の際、法務省の担当者から個人的なお祝いの言葉があった、とバアさんはうれしそうに話していたのを思い出す。おそらく彼がきわめて好意的に事務処理に当たってくれたのであろう」(pp.299-300)。

 そして結末へ・・・。
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●『冤罪法廷 ~特捜検察の落日~』読了

2010年11月13日 02時04分38秒 | Weblog

『冤罪法廷 ~特捜検察の落日~』、10月に読了。魚住昭、講談社。2010年9月、第1刷発行。

 とても面白く読みました。そして、その杜撰な起訴に呆れました。
 本の帯から、「「そもそもこの事件は壮大な虚構ではないか」/ありえない面会日時、矛盾だらけの動機、作られた検事調書・・・・・・/法廷で裁かれたのは被告人の「起訴事実」ではなく、検察の「不当捜査」だった。/緊急出版/「最強の捜査機関」崩壊の瞬間!」。この宣伝文句は、決してオーバーではない。壮大な冤罪

 弘中惇一郎弁護士(p.3)。「「結論その1.検察ストーリーの不合理性!」/こんな出だしの最終弁論は日本の裁判史上初めてに違いない。/・・・なんの違和感も抱かなかったはずだ。「検察ストーリー」のデタラメさをこれまでの審理で嫌と言うほど見せつけられてきたからである」。
 安部英氏や三浦和義氏の無罪を勝ち取る(p.4)。ロス疑惑(p.17)。郡司ファイル(p.31)。
 安部氏の件では、「NEWS23」にも限界が(p.34)。

 「疑わしきは被告人の利益にという大原(p.16)。「検察側が強制捜査権という武器を持っているため圧倒的に有利な立場にあるが、その当事者間の格差を是正する」ため。裁判所には「中立公正な判断」、検察官には「徹底した真実追究の精神」が求められる。「法曹三者のうち唯一国家組織に属さない」弁護士には、「どこまでも被告人の利益を擁護し、不当な国家権力の行使に異議を唱える在野精神」が必要。「法曹三者がそれぞれの役割を十分に果たして初めて民主主義の法システムはバランスよく機能する」。弁護士の剛腕ぶりがあって、奇跡的に裁判所がマトモに機能したわけですが、検察が酷過ぎたことも事実。

 最高裁が2007年12月に「取り調べメモ」を証拠開示の対象にしたにもかかわらず、弘中氏の要求に「検察側から「すでに廃棄した」という返答」(p.62、207、232、249、267)。「もともと・・・大阪の弁護士たちから「ホトケの横田」と言われるほど、人権感覚の強い裁判長」であったが、裁判官も呆れた模様。
 「事実をありのままに見るのではなく、検察にとって都合のいいストーリーに事実の断片をあてはめていく。それでも証拠が足りなければ、法律を拡大解釈する。・・・ムネオ疑獄・・・。/・・・。/・・・こんな犯罪性のかけらもない容疑事実で逮捕されるのなら、公務員はみな逮捕の恐怖に脅えなくてはならなくなる」(p.139)。国策捜査小沢一郎氏についての検察の暴走(pp.142-157)。安田好弘弁護士(p.150)。「多くのメディアが検察に同調して小沢・石川攻撃を繰り返した。/・・・特捜の歴史始まって以来の大失敗に終わった・・・」。

 特捜検察の歴史。大逆事件(p.124)。「思想弾圧に猛威」(p.126)。江副浩正氏と宗像紀夫氏(p.132)。
 三井環氏の裏金問題口封じ(p.134)とマスコミのだんまり。

 日本赤軍とダッカ事件(p.199)。石井一議員が関係者だったとは驚き!

 「第6章 決定打」。その杜撰さに驚くやら、あきれるやら。郷原信郎さん(p.206)。参考人を暴行した「金沢事件」(p.207)。
 「第7章 裁判官の詰問」という異例の経過異様な光景(p.226)。「キャビネットと衝立」による不可能を見てきたように検察が作文、捏造、調書化(p.214)。議員案件という虚構、ダメ押し(p.222)。
 「この日、大阪地検大阪高検も、そしてその報告を東京で受けた最高検の幹部たちも事態の深刻さに震え上がっただろう。裁判所がこれほど特捜の捜査に不審の念を露わにしたのは前代未聞のことだったからである」(p.227)。

 村木厚子さんの証言(p.240)。「・・・公務員は国民の願いを法律や制度にしていく翻訳者・・・。/・・・『働くこと』は人間の尊厳にとって、とても大切な問題であり、障害があっても働けることが当たり前の社会にしなければならないと思いました」。「・・・私が公務員として30年間やってきたことの信用をすべて失うかどうかの問題です」(p.253)。

 「特捜神話の崩壊」(p.272)。
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●尖閣「衝撃」の「衝突」ビデオ

2010年11月12日 04時25分47秒 | Weblog

CMLに出ていた記事を孫コピペさせてもらいます。

 尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁巡視船との衝突のビデオについて、『日刊ゲンダイ』への田中康夫氏の「緊急寄稿」です。
 
神戸の海上保安官(主任航海士)が流出させたそうですが、その理由・目的がよくわかりません。

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【http://list.jca.apc.org/public/cml/2010-November/006274.html】

【緊急寄稿】「尖閣ビデオを観て・・・」期待外れだった これが「衝突」なのか

 
11月1日(月)午前8時から衆議院第一議員会館内の特別室で、衆参両院予算委員会理事懇談会が開催され、今年9月7日の尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁巡視船との「衝突事案」の映像記録の視聴が行われました。出席した29名の1人として田中代表も視聴し、「日刊ゲンダイ」に緊急寄稿しました。

 
「見れば一目瞭然」と前原誠司外務大臣が、海上保安庁を所管する国土交通大臣時代に豪語していたヴィデオが、遂に公開されました。本日11月1日午前8時から衆議院第一議員会館地下一階の特別室で開催された、衆参両院予算委員会理事懇談会の場で。

 
限定29名の中の1人として、海上保安庁の鈴木久泰長官の説明と共に、9月7日午前10時15分からの3分20秒、同10時56分からの3分30秒、都合6分50秒のヴィデオを視聴した限りに於いては、豈図(あにはか)らんや、「う~む、この程度だったのか」が偽らざる印象です。

 
前編は、巡視船「よなくに」の左船尾に中国漁船の左船首がぶつかった前後。後編は、その約40分後に巡視船「みずき」の右舷中央部に中国漁船の船首がぶつかった前後。が、それを「衝突」「追突」「接触」の何(いず)れと捉えるか、批判を恐れず申し上げれば主観の問題ではないか、と思われる程度の「衝撃」なのです。出席していた複数の議員も、同様の見解を僕に呟きました。

 
鈴木長官の説明に拠(よ)れば、2度目の衝突から2時間後の午後零時56分、「領海外」で2隻の巡視艇が中国漁船を挟む形で拿捕(だほ)。然(さ)したる抵抗も無く、船長以下の乗組員は任意の事情聴取に応じます。公務執行妨害での逮捕は、その14時間後の8日午前2時3分です。

 
既に9月30日の予算委員会でも指摘した様に、領海侵犯や違法操業、入管法違反という毅然たる「王道」でなく、公務執行妨害という「覇道」で逮捕の意気地なき判断ミスを前原氏が下したのが、その後の迷走の原因。

 
まっ、斯(か)くなる”お子ちゃま大臣”を糾(ただ)した所で詮方ないので話を先に進めれば、反政府デモが禁じられている鬱憤(うっぷん)を、反日デモの形で発散している可哀相な存在が中国国民。それと同じ土俵で日本も激高した所で問題は解決しません。

 
貪欲に国益を追求するナショナリズムの大国が中国。が、アメリカとて同じく、貪欲に国益を追求するデモクラシーの大国なのです。国家とは本来、国益を追求してこそナンボの存在。とするなら、こちらが成熟した国家として、笑顔で握手しながら机の下では”急所”を握る、大人の外交戦略を打ち立てるべき。

 
が、不幸にも、理念も哲学も覚悟もなき日本政府は、上げ潮路線ならぬ”下げ潮路線”で右往左往、内外から押し切られるばかりなのです。う~む。
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●またまたまたまた・・・

2010年11月11日 04時56分06秒 | Weblog

考えて喋っているのでしょうか? 多くの都民の皆さんもさぞかし恥ずかしく思っておられることでしょう。でも、まさか四選出馬で、さらに選ばれたりしないでしょうね? 都民の皆さんも、恥を何度上塗りすれば良いのでしょう。
 
日刊ゲンダイに出ていた記事です。それにしても、デマの「元凶」だったとは。

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【http://gendai.net/articles/view/syakai/127375】

海保は否定「海保乗員モリで突かれた」の仰天騒動 【政治・経済】                                                 2010年1110日 掲載
怪しい証拠画像までネット上に登場

元凶は石原知事のTV発言
 
「海に落ちた海上保安庁の乗員を中国漁船の船員がモリで突いた」――。過熱する尖閣問題をめぐり、こんな怪情報が独り歩きしている。
 事の発端は、石原慎太郎都知事(78)のテレビ発言だった。先月24日、フジテレビ「新報道2001」に出演した知事は、「側聞だが」と断りながら、「日本の巡視船の乗組員が何かの弾みに落ちたのを、中国漁船の漁師がモリで突いたんだって」と、したり顔でペラペラ。司会者が慌てて話を打ち切ったが、その後も側聞はアチコチに広がり続けた
 
7日には読売テレビ、8日にはテレビ朝日の情報番組で、ゲスト出演したジャーナリストや評論家が「海保隊員が海に落ちたのをモリで突いた」との伝聞を紹介した。
 ついには、ネット上に真偽不明の証拠写真まで登場する始末。もっとも、これには外務省関係者が呆れて言う。

   「ネット上にアップされた問題の画像は、つなぎを着た漁師がモリのようなもので
    何かを突いている写真です。
不鮮明ですが、目を凝らして見ると、
    後ろで別の漁師がタモ(網)を構えている。モリが刺さっているのも人ではなく
    マグロに見えますね。これは完全にニセ物でしょう」

 それでもネット上の嫌中派は「許せない」「どういうことだ」と息巻いているのである。本当に海保隊員はモリで突かれたのか。海上保安庁広報室は、こう答えた。

   「そんな話は聞いていません。事実であれば事故の当時に話が上がってきていたはず。
     つまり、隊員がモリで突かれた事実はなかったということです」(担当者)

 もちろん、流出した44分間のビデオ映像以外の部分はいまだ謎だが、未確認情報を裏も取らずに公共の電波で軽々しく発言する知事の軽率さは度しがたい。石原知事は8日の定例会見でも、「(データが)出た場所をよく考えてみなさい。あれは日本じゃないよ」と根拠もなく海外流出説を披露した。都知事選4選出馬の人気取りパフォーマンスかどうか知らないが、こんな男は相手にしない方がいい
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●完結

2010年11月10日 00時51分36秒 | Weblog

佐藤秀峰『新ブラックジャックによろしく』(【移植編】、9)(2010年10月初版第1冊)、10月に読了。

 「医者とは何か!? 医療とは何か!? その理想と現実を描き社会的大反響を巻き起こした衝撃作が、ここに――― 堂々完結」。動物実験についても。結末は割とあっけなく。
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●『DAYS JAPAN(2010年5月号)』読了

2010年11月09日 04時59分12秒 | Weblog

DAYS JAPAN』(2010年5月号)、10月に読了。「広河隆一責任編集◎世界を見るフォトジャーナリズム月刊誌」、「一枚の写真が国家を動かすこともある」。
 「人々の意志が戦争を止める日が必ず来る」、第6回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞特大号。

 第2位。ハリール・ハムラ氏、「ガザの戦争(War in Gaza)」(pp.20-25)。

 DAYS審査員特別賞。高橋邦典氏、「枯葉剤の恐怖」(p.66-69)。「ベトナム戦争の死の遺産」。
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●人権と報道・連絡会受賞

2010年11月08日 04時59分01秒 | Weblog

AMLに代わるCMLに、「人権と報道・連絡会」が第22回多田謡子反権力人権賞を受賞したという記事が出ていました。そのほか二つのグループが受賞しています。

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【http://list.jca.apc.org/public/cml/2010November/006203.html】

1.第22回多田謡子反権力人権賞受賞者の決定

 
2010年10月下旬の運営委員会において、14団体・個人の推薦候補者の中から下記の方々が第22回受賞者に決定されました。受賞者の方々には多田謡子の著作「私の敵が見えてきた」ならびに賞金20万円が贈呈され、12月11日(土)の受賞発表会で講演していただきます。

人権と報道・連絡会
    マスコミ報道による人権侵害との闘い
山谷労働者福祉会館活動委員会
    (日雇い労働者の人権・生存権のための闘い)
柏崎刈羽原発反対地元三団体
    (柏崎刈羽原発反対闘争)

・・・・・・。

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第22回多田謡子反権力人権賞受賞者選考理由

人権と報道・連絡会
 人権と報道・連絡会はマスコミ報道による人権侵害を防止することを目的として1985年に発足しました。事件報道における匿名報道主義を提唱し、市民的基盤を持つ報道評議会の設立をめざしています。
 そのために、つねに権力側ではない視点から報道するのがメディアであるという、ある意味では当たり前のことを、その時々の具体的な事例を取り上げ、集会を開き、通信を発行して、発言し続けてきました。
 連絡会は、とりわけマスコミの犯人視報道が警察・検察を支える形で冤罪事件を作りだしていること、報道は被害者の人権をも侵害することなどに警鐘を鳴らし続ける一方、事件報道にとどまらず、普天間報道やナショナリズムを鼓吹する尖閣列島報道など、報道全体の在り方を常に検証し続け、市民はもちろんマスコミの記者たちに向けて25年間にわたって発言し続けています。こうした活動に心から敬意を表し反権力人権賞を贈ります

山谷労働者福祉会館活動委員会
 山谷労働者福祉会館活動委員会は、日雇い・野宿労働者がともに生き、闘っていく拠点である山谷労働者福祉会館の運営と活動に責任を負い、生活保護希望者には、誰でも路上から生活保護が受けられるように、テント生活希望者には、行政のいやがらせや追い出しから生存権を守るべく闘っています。
 週1回の共同炊事では皆が一緒に食事をし、寄り合いで報告を受け、スケジュールを決め、野宿の当事者が中心となって運動を進めています。12月下旬から翌年1月にかけての越年越冬闘争、5月の野宿者メーデー、8月の夏祭りと、会館は山谷の地に根を下ろしています。
 アルミ缶条例や公園からの排除との闘いなど、日雇い・野宿労働者排除・排斥に抗して闘う各地の人々との連帯を強めつつ、生存権-人権のために奮闘している山谷労働者福祉会館活動委員会に心から敬意を表し、反権力人権賞を贈ります。

柏崎刈羽原発反対地元三団体
 柏崎刈羽原発反対地元三団体は、7基821万2000kWという世界一の原発集中立地点となった柏崎刈羽原発の地元で、30年以上にわたり、住民運動と労働運動が一体となって反対運動を続け、運転開始後も、敷地直下や周辺の活断層の存在を主張して、耐震安全問題を指摘して闘ってきました。
 2007年7月には、中越沖地震が発生し、想定を遙かに超える地震動で大きな被害を出し、7基の原発がすべて停止に追い込まれました。原子力発電所の国の安全審査(耐震評価)が含む大きな問題点を明らかにしてきた闘いは高く評価されます。
 しかし、2009年、自民党政権が6号機と7号機の運転再開にゴーサインを出し、原子力推進の姿勢を強める民主党政権は、想定を遙かに超える地震力を受けた1号機の運転再開を強行、建屋の壁にひびが入った5号機の運転再開も強行されようとしています。
 地元三団体の長期にわたる闘いの継続に心から敬意を表し反権力人権賞を贈ります。

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●上関原発反対! ~祝い島島民の会blog~

2010年11月07日 05時11分09秒 | Weblog

祝島島民の会blogに「「上関原発中止を求めるジャーナリスト・言論文化人の会」の緊急声明」が出ていましたのご紹介します。

 呼び掛け人は『DAYS JAPAN』の広河隆一さんです。賛同人については、そのブログを直接見ていただきたいです。

 「ネットを通じて、一人でも多くの人のもとに私たちの声が広まるように、力をお貸しください」という趣旨に賛同します。是非、この馬鹿げた原発建設に反対の声が届くようご協力ください!

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【http://blog.shimabito.net/?eid=1049353#sequel】

 「上関原発建設中止を求めるジャーナリスト・言論文化人の会」の緊急声明 この声明文は、内閣総理大臣、経済産業大臣、㈱中国電力に向けて10月17日に発送しました。

 このときの賛同人は66人でした。今回10月29日までに集まった賛同者168名の名前を送りました。

  賛同人の山田洋次さんは次のようなメッセージを書かれています。

      「上関町の室津で、ぼくは1967年に『愛の讃歌』(倍賞千恵子主演)という作品を
       制作しました。
       あのなつかしく美しい風景に原発は似合いません。止めてほしい
       と心から思っています。 山田洋次」

 賛同人には、中村敦夫、中村征夫、田沼武能、辛淑玉佐高信斎藤貴男鎌田慧、加藤登紀子、石川文洋、池田香代子、雨宮処凛さんほか多くの著名人が名を連ねておられます。

 ここで皆さんにお願いします。この声明と賛同者名を、皆さんの力で広めてください。 大手メディアの多くは、電力会社が大株主になっているため、なかなか原発に反対する声を掲載しません。ネットを通じて、一人でも多くの人のもとに私たちの声が広まるように、力をお貸しください。 政府・電力会社が、決して私たちの声を無視しないように、大きなうねりにしていきたいと思います。

 広河隆一
               連絡先;Email: hiropress(アットマーク)daysjapan.net  FAX 03-3322-0353
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●『消費税のカラクリ』読了

2010年11月06日 01時00分56秒 | Weblog

『消費税のカラクリ』、10月に読了。斎藤貴男著、講談社現代新書。2010年7月第1刷。

 新書の質についての批判を見聞きするが、本書は是非多くの人に読んでもらいたい消費税の本質に迫る良書である。

 出だし「はじめに」(pp.3-6)から、著者の怒り爆発。
 「徴税当局とマスコミがタッグを組んだ、長年にわたるミスリードのせいばかりだとは言わない。そんなものに易々と騙されてきた、知っておかなければならない側、納税者国民自身の責任も重大だ。/・・・消費税増税のハードルは、大きく・・・。①逆進性、②益税、③消費ないし景気を冷え込ませてしまう可能性。・・・。/・・・本書が追求しようとしているのは、・・・これらとは異なる位相のカラクリだ。/・・・。/その代わり、この国の社会は大変な混乱に陥るはずである。中小・零細の事業者、とりわけ自営業者がことごとく倒れて行く。正規雇用から非正規雇用への切り替えがいっそう加速して、巷にはワーキング・プア失業者が群れを成す光景が見られることになるだろう。自殺に追い込まれる人々がこれまで以上に増加するのも必定だ」。多国籍企業や大企業だけが栄える仕組み。

  「第一章 消費税増税不可避論をめぐって」
  「第二章 消費税は中小・零細企業や独立自営業者を壊滅させる」
  「第三章 消費者が知らない消費税の仕組み」
  「第四章 消費税とワーキング・プア」
  「第五章 消費税の歴史」
  「第六章 消費税を上げるとどうなるのか」

 「政府税調答申と同発想」の劣化著しい朝日新聞社説、「・・・もはや消費税増税は既定路線、歯向かう者は非国民だとでも言わんばかりの筆致が強烈だ」(p.14)。
 麻生太郎政権の「定額給付金」や鳩山由紀夫政権の「子供手当」は、「バラマキの人気取りプラス「消費税率を引き上げて・・・、引き上げなければ危険度を高めた財政事情が後の世代にツケ回しされていくのだぞ」との脅しを兼ねた一石二鳥、予定調和、詰将棋」(p.16)。そして、「・・・北欧のような福祉国家に生まれ変わろうとしているわけではないのは明白である」(p.17)。
 「・・・日本経団連が幾度となく、消費税率の引き上げと法人税減税をセットで求める提言を繰り返してきた。・・・当時の奥田碩(ひろし)日本経団連会長(トヨタ自動車会長=・・・)の名を採って〝奥田ビジョン〟・・・」(p.18)。ふざけた大企業の論理と論法。「あらゆる存在は経済成長のために捧げられるのが当然で、その牽引車たる多国籍企業、巨大資本こそがこの世の主人公なのだという自意識に溢れた提言だった。税制にも成長を促すか補完する道具としての役割ばかりを求めている。公正さとか法の下の平等とか、憲法で定められた生存権や財産権に照らしてどうかといった理念への配慮は皆無に等しい。・・・それで割を食う連中を生かしておいてやる費用ぐらいは、食わせれもらっているお前たち下々が出してやりなさい、という論法であるようだ」(p.24)。
 「・・・所得税が基幹税としての機能を失ってしまった・・・。あからさまな金持ち優遇税制。/・・・この間には住民税の累進課税も大幅に緩和された。・・・完全フラット化」(p.25)。自民党の金持ち・大企業優遇の系譜。もちろん、トドメはこの二人。「財界の主導で進められた規制緩和、構造改革の、これも一環だった。彼らの基本的な発想を、当時も現在も構造改革の理論的支柱であり続けている竹中平蔵・慶応義塾大学教授(経済学)・・・。同教授が小泉純一郎政権の経済財政担当相に抜擢・・・」(p.27)。

 驚きなのは、国税滞納額が最悪であるという点。ただし、わざと滞納しているということではなく、払えない状況に追い込んでいる点を誤解してはいけない。「・・・消費税には、しかし、致命的な欠点がある。・・・。/消費税は、国税のあらゆる税目の中で、もっとも滞納額が多い税金なのである。/・・・滞納額全体のなんと45.8%を占めている。/・・・消費税込みで提示された金額を支払えなければ何も買えない。ということは、一円だって滞納されることなどありえないはずなのに」(p.29-30)。
 つまり、上位の会社に「・・・請求書の上では消費税を転嫁できたことになってはいても、その分も含めて単価を引き下げられているわけです」(p.42)、中小・零細の事業者、自営業者は。「価格に転嫁できない中小・零細業者」(p.44)。
 我々の大きな誤解。「そうなるように徴税当局は世論操作してきた」(p.66)。「そもそも消費税とは、消費者が負担する税制だと伝えられてきたのではなかったか。/問題は、その説明が意図的な嘘であったことなのである。消費者は自らが消費税を負担しているつもりでいる。ところが法律上、納税義務者は事業者すなわち個人事業者や法人であって、消費者ではない。それぞれの意識と立場とのギャップは、消費税という税制の実態をきわめて複雑にし、かつ、いわば観念の世界にさえ近づけてしまっている」(p.43)。「・・・何かを買うたびに消費税を支払っているつもりでいるのにすぎない」(p.66)。
 中吊り広告による世論操作。「自営業者のすべてが脱税の常習犯であるかのような印象を植え付け、とりわけ給与所得者の不信感を煽って敵視させる目的としか考えられない。満員電車に揺られて苛立っているサラリーマンには、実に効果的だったのではあるまいか。/・・・国税庁の悪質なプロパガンダ・・・」(p.67)。

 税務署員の〝消費税シフト〟(p.74)。「長年にわたって消費税を滞納している納税義務者を、税務署の最前線では〝優良事案〟と呼んでいます。取り立てれば上に褒めてもらえるからで、しかも手段を選ぶ必要はないとまで指示されている」。倒産しようが、廃業になろうが、さらには、自殺しようがお構いなしという税務署の発想に。消費税増税は、自殺大国ニッポン(p.79以降)を加速させることは必定。「・・・事情はどうあれ滞納イコール悪、罪、であり、それを減らす職務は絶対の正義という考え方」(p.75)。「・・・非道な差し押さえを戒めてもいるのだが、・・・ほとんど無視されているのが実情・・・」(p.77)で、それなりに存在していた取り立てのルールが形骸化し、「高利貸しの取り立て」と同化の方向へ。
 民営化の流れはこんなところにまで。「政府の構造改革の一環として地方税の徴収の民間委託を急がせて、既に大阪府など多くの自治体が実施に踏み切ってい」(p.76)て、国税もその流れにある模様。

 何もかもが馬鹿馬鹿しくなった者の叫び。「消費税なんかお客さんからもらえやしないよ。貰っていない税金をお前が払えって税務署が言ってくる。何だあ、そりゃあ!?」(p.86)。そして、自らの命を断つ。
 敗訴した者の記憶。「・・・税務署・・・「お金を借りるところがあるやないですか」/―――府や市の事業融資はもう受けていますので。/「他にあるですやん」/―――消費者ローンのことですか。/「そういうこともありますね。」/税務署員は、サラ金から借りて来いと言いたかったらしい」(p.99)。そして、帰らぬ人に。夫人は、「あの人は初めから消費税を怒っていました。いまは三%でごまかされとるけど、。じきに二〇%くらいに上げられるでと、・・・。/うちの商売は下請けのまた下請けでしたから、元請けさんに消費税分を請求し、払ってくれたとしても、必ずそれ以上の値引きを強いられる。いくら働いてももうからない・・・。/消費税に殺されたとですよ」。そういう仕掛け。

 こう云った悲劇とは裏腹に、輸出戻し税という仕掛けも。「零細事業者が直面させられている悲惨とは裏腹に、消費税は大企業、とりわけ輸出比率の高い大企業にとっては実に有利に働く。かれらは消費税という税制によって、莫大な不労所得さえ得ていると断定して差し支えない」(p.100)。かたや「貰っていない税金をお前が払え」といわれ、かたや大企業は「不労所得」を得ているわけ! 馬鹿らしい。
 「・・・消費税は国内での取引に課税されるものであり、輸出や国際輸送など輸出に類似する取引では免税される。・・・/・・・輸出取引については、国内で発生した消費税負担は完全に除去されることに」(pp.100-101)なる。消費税を納めないどころか、多額の還付金。「・・・最も多額の還付金を得たのはトヨタ自動車で、約三千二百十九億円」(p.103)!! あーっ・・・、本田技研工業までが。
 さらに、前述の下請けいじめで富を相乗的に集積。「・・・下請け単価が引き下げられて・・・。・・・税制を通じて公然と補助金を与えることに・・・。・・・いわば「かくれた補助金」であり、憲法の意図する財政議会主義(憲法八十三条、八十五条)に違反する」(p.104)。消費税増税で恰も企業にも痛みがあるような顔をし、それとセットで法人税率の引き下げまで要求する面の皮の厚さ。「じつは、彼らは消費税の税率をいくら引き上げても痛痒を感じないのである。彼ら巨大企業は経済取引上強者であり、常に価格支配力を有しており消費税を自在に転嫁できる」(p.105)。一体誰に? 自明である。「彼らは確実に顧客に前転するほか仕入先・下請け業者にも後転する」。さらに厚顔なことに、「しかも、輸出戻し税制度により消費税を全く納めないばかりか巨額の還付を受ける」。全く腹立たしいことに、「還付金額は税率が上がれば上がるほど大きくなる」。竹中平蔵子分や小泉純一郎親分が構造改革・自由主義化を進めるはずだ。「つまり、彼らは消費税の税率引き上げによりまったく被害を受けないばかりか、場合によると後転効果により利益を生むことさえ可能なのである」。

 大企業は肥え太り、失業者やワーキング・プアは巷に溢れる。「仕入れ税額控除」の悪用により脱税(p.114)。「正社員らに支払う「給与」」が仕入れ税額控除の対象(p.114)。「いわゆる格差社会、ワーキング・プア問題の重要なテーマである非正規雇用は、他ならぬ消費税が拡大させたという現実をご存じだろうか」(p.112)。マスコミはそんなことを報じることはありえないので、我々が知る由もない。簡単に言えば、「派遣に切り替えると合法的に節税できる消費税」(p.116)。竹中平蔵子分や小泉純一郎親分が褒めたたえる〝賢い経営者〟のやっていること。「不正など働かなくても、実際に正規の雇用を出来るだけ減らし、必要な労働力は派遣や請負、別の事業者に外注する形にすれば、それだけで大幅な節税ができてしまう。そのため派遣子会社を設立するやり方も、近年ではごく一般的になっている。/・・・たとえば派遣子会社の設立と閉鎖をめまぐるしく繰り返す手法が、ありがちなパターンだ。/・・・消費税とは、企業経営者をして、そのような行動に誘(いざな)う税制なのである」。「経済のグローバリゼーションは、それほどまでに人件費削減を求めてきた。」(p.117)。
 「・・・それが節税にも通じるとなれば一石二鳥。・・・消費税とはもともと、そうなるように制度設計されたシステムだったのではないかとさえ考えられる」。どこが広く公平に徴税できる税制なのか? 巨大資本は喜び勇み、一般市民というよりも、自営業者や非正規社員など弱者にさらなる痛みをもたらすという悪税である。
 正社員のリストラと派遣社員の増加を早くから指摘していた朝日新聞記者(2000年10月3日付朝刊「時時刻刻」欄、くらし編集部の西前輝夫記者)がいた(pp.121-123)。非正規雇用化の理由は「・・・納める消費税も少なくてすむからだ。/・・・。/ある税理士は、「消費税は結果的に、売上に対して正社員の給与比率が高い会社ほど、納付額が多くなる仕組み。利益を確保するために、派遣社員などを雇い納付額を減らそうとする力が働くことは避けられない」と分析している」。

 おまけに、世間や政治家の大合唱やマスメディアの誤誘導・・・、「社会保障の財源にはもっともふさわしくない消費税」(p.131、133)。
 最後は、消費税の歴史から見えてくるもの(p.139)。「・・・リクルート事件・・・竹下首相や中曾根元首相、宮沢喜一・・・、安倍晋太郎・・・、渡辺美智雄・・・らに関連会社の未公開株をばらまいていた事実が発覚・・・腐敗しきった政治のツケを増税で埋め合わせる構図がくっきりと浮き彫りにされていた」。
 新自由主義・構造改革路線。ガットGATT、ブレトン・ウッズ体制、IMF、IBRD(国際復興開発銀行=世界銀行)、WTO。前述の「還付金額の最大化」(p.158)。

  導入してしまえば、あとはどうとでも。「一連の特例措置は、単に甘いだけのアメではなかった。零細な事業者は舐めた瞬間に周囲から石つぶてを投げつけられ、糖衣が溶けてくれば爆発するように仕組まれた、いわば時限爆弾が練り込まれたアメだった」。そして「形骸化する特例措置に税率アップが追い討ち」(p.178)する仕掛け。
 安易に外国と比較し、増税を煽る愚。「税制の仕組みとしては似ていても、ヨーロッパの付加価値税と日本の消費税とを安易に比較すること自体がどうかしている」(p.159)。そのくせ、「イギリスにもあった中小・零細業者の不利益」(p.165)は無視し、いつもは〝同盟国〟アメリカばかりを持ち上げるくせに、「米国が付加価値税を導入しない理由」(p.169)にはけっして一言も触れない。

  もう充分だろう。公平どころか、「消費税の現実を見ると、実質的には中小企業負担税になっている。益税どころか価格格転嫁できずに『損税』・・・」(p.192)。
 「政治的立場を超えた本質議論を」との呼びかけ(p.196)。「もはや消費税の本質に目を向けようとする者は、それだけで思想的に偏向しているかのように受けとめられる時代が導かれてしまった。本書にもその種の安易なラベリング(レッテル貼り)の矛先が向けられる可能性が少なくない・・・」。
 段階的消費税増税の裏(p.199)。「・・・常に〝駆け込み需要〟を促すことができるはずとの算段らしい。・・・。/人々の生活の隅々に関わる税制が、これほど傲慢で、いいかげんな屁理屈に基づかれてよいものだろうか。・・・。/・・・何らの根拠も示されてはいなかった」。
 以前のブログにコピペしたように、少なく見積もった数字ではあるが、自殺者3万人時代。「交通事故死のざっと六倍だ。・・・。/・・・非正規雇用や〝名ばかり管理職〟、パワハラ、リストラの悲惨が広く知られた企業職場の実態ばかりに関心が偏りがちな傾向を否めない。/・・・ただ、統計を少し丹念に眺めていくと、自殺者に占める「自営業・家族従業者」の割合が、そもそもの分母に照らして異常に多いことに気づかされるのである」(pp.202-205)。「・・・消費税増税は無関係だなどとの言葉遊びをしている場合でもない。/・・・。/・・・九七年に三%から現行の五%へと税率が引き上げられた消費税増税が自殺禍と関係なかったなどとは到底言えない」(p.205)。「十二年連続で三万人を超えてきた年間自殺者数は、場合によっては五万人、十万人へとハネ上がっていくのではないか」(p.206)という恐ろしい予測。
 増税の前にやることがあるでしょ。思想無き「事業仕分け」などではなくて。「ジャーナリズムの最大の役割は権力のチェック機能だ。対案づくりは本義ではないが・・・。/・・・。/財政難には徹底した無駄の削減が第一だ。すると最近は、次のような指摘が現れる。・・・「事業仕分け」が、消費税増税の露払いの役割を果たすことになるという。・・・。/・・・だが事業仕分けを基準に消費税が語られるようなことがあってはならない。/なぜなら事業仕分けには思想がない。俎上に載せられた各事業の是非を判断することはなく、あくまでも現状を肯定しながら、費用対効果の成績を問うシステムでしかないからである」(p.206)。
 斎藤さんの提案はシンプル(p.209)。「不公平税制をただせば税収は増やせる」。「歳入面では不公平税制の是正である。・・・フラット化され、金持ち優遇・・・所得税の累進税率を二十年前のレベルに戻すだけで、所得税収はたちまち倍増する計算だ。・・・。/法人税が聖域のように扱われるのもおかしい。・・・日本の法人税率は高くないし、・・・外国の法人よりもずっと軽くなっている。中小零細事業者が自腹を切って支払うのを予測しながら見て見ぬふりを決め込み、赤字でも取り立てる消費税率を引き上がるよりは、利益にかかる法人税の増税の方が、はるかに公正である。/・・・法人税への依存を軽減しなければ、大企業の工場だけでなく本社機能や有能な人材まで海外に流出してしまうぞといった恫喝など受け流そう。彼らの身勝手は常軌を逸している。また企業の立地要因はその地域の市場規模や労働力の質・量とコスト、補助金をはじめとする優遇制度、インフラの程度、安全性や環境対策等々での各種規制など多様かつ複雑であり、税率だけで決定されることなどあり得ない。洋の東西を問わず、一般に多国籍企業と本国とは切っても切れない関係にあるのが常である。創業の理念もアイデンティティもかなぐり捨てて、デラシネの巨大資本としてのみ存続していく覚悟でもない限り、日本企業にとっては日本以上に有利な国はないはずだと私は考えているのだが、いかがだろうか。/不公平税制の是正とは、すなわち構造改革路線などを通して「応益負担」の発想に偏ってしまった税制を、「応能負担」の原則に立ち返らせることだ」。また、「本気で特別会計の見直しを」、本気でだ。「私見では、ここ二十年近く、毎年五兆円弱の予算が防衛関係費に注ぎ込まれ続けている状況は異様だ。日本全体をアメリカの世界戦略に捧げて行くかのような奔流は何としても改められなければならない・・・」(p.211)。大賛成。

 小泉純一郎政権以前の構造改革を牽引していた中谷巌教授の後悔、〝懺悔の書〟。「消費税増税には、彼らによって生産性が低いとみなされた事業者を掃討する目的も込められているようだ。・・・。/・・・構造改革路線の、そのまま延長線上にある発想」(p.214)。「国全体の生産性を向上させるためなのだから、それで職や生活を奪われる者が現れたとしても、そんなものは小さな〝部分利益〟が損なわれるだけのこと。さっさと諦めて、生き延びたければ自分の家族を追い詰めた大資本に尻尾を振り、彼らのために奉仕せよ、というのである」(p.216)。

 「全国どこの町も単色に染まった日本列島は美しいのだろうか。/・・・世の中の主人公は多国籍企業でも政府でも、それらと直結するエリート層だけでもないのだ。/一人ひとりの人間が、みんな、互いに迷惑をかけ合いながら、けれども共に、支え合って生きている。誰もが共感し合える税制を目指そうではないか」(p.217)。
 結論。「・・・本書では、対案にこれ以上こだわらない。消費税増税は日本社会から最低限の公正さまでを奪い、膨大な死人を出すに違いないことだけを理解してもらえればそれだけで出版の意義は果たせている」(pp.212-213)。

 どの章でもいい、是非手にとって読んでもらいたい。
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●『DAYS JAPAN(2010年4月号)』読了

2010年11月05日 04時38分45秒 | Weblog

DAYS JAPAN』(2010年4月号)、10月に読了。「広河隆一責任編集◎世界を見るフォトジャーナリズム月刊誌」、「一枚の写真が国家を動かすこともある」。

 写真・文/那須圭子氏、「TOPICS日本/上関町議選 祝島原発反対の闘いを日本全国へ」(p.11)。「「海を売った覚えはない」原発に反対する住民たち」。

 斎藤美奈子さん、「OUTLOOK/五輪招致に起死回生をかけた男の冬季五輪と東京マラソン」(p.23)。「毎度おなじみ、石原慎太郎知事の迷言・暴言が止まらない」。100億の税金ドブに6.9憶円の赤字。67億円を電通に発注。「わずか10分間のPR映像に5億円をかけた。よほど無能なクリエーターぞろいなのだろう」。「なんともはや耳を疑う時代錯誤ぶりである。金メダル以外に価値はない。しかも金を獲れないのは「国家を背負っていないから」だと」。「都知事にとってスポーツは政治の道具集客集金の手段である。スポーツイベントが絡むとこの人の血圧が上がる(罵詈雑言がやたらと増える)のは偶然ではあるまい。欲しいオモチャを買ってもらえなかったコドモがスネたり泣きわめいたりするのと同じ。すべては五輪招致の失敗に端を発しているのである」。

 写真・文/福島菊次郎さん、「東大闘争」(pp.40-45)。

 橋本勝さん、「DAYSウォッチ!/第24回 兵器」(p.49)。「ANTI HUMAN」、「HUMANITY」。
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●『自然と人間(2009年12月号)』読了

2010年11月04日 05時05分27秒 | Weblog

自然と人間』(2009年12月号、Vol.162)、10月に読了。「非正規雇用の拡大に歯止めをかけるとき」。

 森達也さん、「第45回つぶやくニッポンの街角/誰が誰に何を言ってんの?」(表紙裏)。「みんなで見張ろう!/目のイラスト/そこに犯罪者がいる!/江戸川台東自治会」。「邪視の目」。イスラム圏の「ファティマの目」。

 鴨桃代氏、「派遣法改正はもう待てない!」(pp.6-9)。
 藤田孝典氏、「貧困ビジネスの被害は行政の責任」(pp.10-13)。「無料宿泊所で不当な営利」。「ハウジングプア」。「貧困の元を断つべき」、「・・・穴の開いたボートに乗っている感覚になることがあります。・・・必死に桶で水をかいているという状態です。本当は穴をふさぐ作業が必要です」。

 松井繁明氏、「葛飾マンションビラ配布事件/最高裁は公安言論弾圧を認めるのか」(pp.14-15)。「イラク戦争を前後して繰り返された公安警察の弾圧事件の一つ、葛飾マンションビラ配布事件。最高裁は、高裁の逆転有罪判決を追認する姿勢を示した。・・・」。「公安警察が作り上げた事件」、「裁判所がチェックしない」、「歪んだ司法を変えよう」。

 川島睦子氏、「ウチナンチュの誇りを忘れない/県民がひとつになって「沖縄に基地はいらない」と発信」(pp.18-20)。「俺たちウチナンチュは間接的な殺人者」。

 浅野健一さん、「「週刊現代」・西岡氏の“言論テロ”/「JR東労組=テロリスト」記事に550万円賠償命令/公安資料提供は正当行為と誤認も」(pp.25-27)。「公安幹部資料漏えいは守秘義務違反」。「ジャーナリストとして自己崩壊」した『噂の真相』元編集部人の西岡研介氏。公安の情報の裏の「悪意」や「私怨」を見抜けない「西岡氏は「言論テロリスト」だと私は思う。・・・/・・・「ペンを持った公安警察官」は、ジャーナリズムの現場では勲章にはならない」。「・・・21世紀に入って戦前の特高警察・思想検事の流れをくむ公安当局は不要だ。税金の無駄遣いの公安警察の解体こそ今すぐ実行できる行政改革である」。

 魚柄仁之助さん、「第七十二回 魚柄仁之助の食文化情報局 台所の穴/お歳暮ニッポン」(pp.32-34)。
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●低投票率

2010年11月03日 05時03分21秒 | Weblog

THE JOURNALの田中良紹氏「国会探検」の頁に『予算委員会の不思議という文章がアップされていました。

 長いので全文はそちらを直接見ていただくことにして、末尾の2段落のみをコピペさせてもらいます。

 「
政治に対する嫌気」については理解できますけれども、あまりの投票率じゃないでしょうか? それから、民主党がダメなら自民党という投票行動にも首をかしげしまいます。さらに、両党協力して社会保障」費の確保のために消費税アップで、なんて勘違いされてはたまったものではない。

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http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2010/10/post_236.html 

予算委員会の不思議
 

 北海道5区の補欠選挙は「政治とカネ」が最大のテーマと言われた。そのため予算委員会の議論も「政治とカネ」に力が入り、最高裁は「政治とカネ」で有罪になった鈴木宗男氏の上告を退け、小沢氏は検察審査会で強制起訴になり、あらゆる状況が自民党候補者に有利に働くように作られた。その結果、自民党候補者が勝利したが、本当に「政治とカネ」で勝利したのだろうか。
 「政治とカネ」が争点と言われた事に嫌気がさしたのか、投票率は史上最低になり、去年の衆議院選挙を23%も下回った。勝利した自民党の町村候補は、去年獲得した票を3万票も減らした。北海道新聞の調査では「選挙で何を重視するか」と問われた有権者の58%が「社会保障」と答え、「政治とカネ」と答えたのは14%しかいなかった。にもかかわらず政治家とメディアは選挙結果を「政治とカネで自民党が大勝した」と言う。「政治とカネ」のキャンペーンで生み出されたのは自民党に対する支持ではない。政治に対する嫌気である。その事に気付かないと再び政治は痛撃を受ける。

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●『DAYS JAPAN(2010年3月号)』読了

2010年11月02日 04時54分59秒 | Weblog

DAYS JAPAN』(2010年3月号)、10月に読了。「広河隆一責任編集◎世界を見るフォトジャーナリズム月刊誌」、「一枚の写真が国家を動かすこともある」。

 写真/豊田直己さん、「TOPICS/沖縄 名護市長選 市民が選んだ「基地反対」」(p.6)。

 写真/ロバート・ギルフーリー、文/雨宮処凛、「死んではいけない/自殺の森
富士・青木ヶ原樹海」(p.12-19)。

 写真/広河隆一他、文/広河隆一、「沖縄・普天間基地」(pp.20-27)。丸木位里・俊さん「沖縄戦の図」。

 斎藤美奈子さん、「OUTLOOK/一億総風紀委員化した社会の先に待っているものは何?」(p.29)。「・・・小沢一郎の不起訴処分・・・。/・・・本人が疑惑を否定し、真相が曖昧なうちから「責任をとって辞めろ」コールの世論が起った。/・・・/しかし、これらは本当に事件だったのだろうか。小沢献金疑惑は政権つぶしをねらった東京地検特捜部暴走の疑いが濃く・・・。/日本人は人を切るのがよっぽど好きなんだね。折しも2月7日、内閣府の調査で死刑を容認する人が過去最高の85.6%に達したという報道があったばかり。さすがは武士の国である。ことあるごとに責任をとって腹を切れという。・・・人の社会的生命を抹殺したがるのも死刑と同じ文化的土壌に由来するのだろう。/・・・/・・・クリーンでゴミが一個も落ちていず品行方正で窮屈で活力のない社会が、そんなにみんな好きなのか。いつかこの欄で「一億総会計係化」といったことがあったけれども、いまは日本人の「一億総風紀委員化」が心配だ」。

 写真・文/福島菊次郎さん、「首都騒乱」(pp.40-45)。

 橋本勝さん、「DAYSウォッチ!/第23回 国vs住民」(p.49)。「JIKETSU」、「ANPO」。
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●そのスイッチを押せない

2010年11月01日 05時02分25秒 | Weblog

今日もasahi.comの記事

 死刑のスイッチを押す、あるいは、押す手伝いをさせる、なんてあまりに酷。私にはできません。たとえ罰を受けてしまうにしても、裁判員を拒否します。その判決を下すのは職業裁判官の責務のはず。なぜ、そのトレーニングを受けていない一般市民が?

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【http://www.asahi.com/national/jiji/JJT201010250054.html】
裁判員裁判初の死刑求刑=「2人殺害の結果重大」―耳かき店員殺人・東京地裁
                                                      2010年10月25日16時6分

 東京都港区で昨年8月、耳かき店従業員江尻美保さん=当時(21)=と祖母の鈴木芳江さん=同(78)=を殺害したとして、殺人罪などに問われた元会社員林貢二被告(42)の論告求刑公判が25日午後、東京地裁(若園敦雄裁判長)であり、検察側は「身勝手、残虐で、全く落ち度のない2人の命を奪った結果は重大」として、裁判員裁判で初の死刑を求刑した。26日から4日間の評議を経て、11月1日に判決が言い渡される予定。争点は刑の重さのみで、裁判員の量刑判断が注目される。検察側は求刑に先立ち、死刑を選択する場合の基準として、1983年に最高裁が示した「永山基準」を説明。「裁判官、裁判員には健全な社会的常識に従って、極刑がやむを得ないかを判断してもらいたい」と述べた。
                                                     [時事通信社]
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