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●冤罪事件のようなもの

2011年03月07日 14時39分18秒 | Weblog


ようやく本日復帰。現実世界に戻ってきました。きつかった。

 『創』編集長の篠田博之さんによる、相撲の八百長に関する記事をコピペさせてもらいます。

 いまさら、「過去にはなかった」は確かにひどいですよね。八百長を告発して裁判で負けてきた人達にとっては、確かに、冤罪のようなもの。

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http://www.tsukuru.co.jp/tsukuru_blog/2011/02/post-135.html

大相撲八百長騒動と『週刊現代』裁判について               毎日新聞の半日先行のスクープで始まった大相撲八百長騒動ですが、大筋ではこれまで『週刊現代』などで報じられてきたことと同じです。今回のように「動かぬ証拠」が出たというのは大きなことです。でも、気になるのは、いまだに相撲協会が「八百長は過去にはなかった」と強調していること。これは『週刊現代』への裁判が昨年10月に確定して4000万円以上の賠償金が決まっている事情を意識しての発言ですが、幾ら何でもひどすぎるのでは。一方で「うみを出し切る」とか言いながら、他方で「過去にはなかった」と平気で言っているという、これ一体何なのでしょうか。

 今からでも、あの『週刊現代』の裁判は何だったのかということを再度見直すのが当然でしょう。あの裁判は、メディア訴訟の歴史に残るような高額賠償判決で、『週刊現代』と筆者の武田頼政さんは完敗でした。それが確定後3カ月で、根底からひっくり返る証拠が出てきたわけです。これ、冤罪事件のようなものじゃないですか。
 確かに裁判で審理されたのは朝青竜など別の力士のケースなので、今回の証拠が直接それに関わるわけではないのですが、でも今回の証拠の発覚が半年早ければ、心証は全く違っていたはずです。

 あの高額訴訟は、もう八百長疑惑など週刊誌に書かせないぞという威嚇を狙ったもので、かつての『週刊ポスト』のキャンペーンの経緯もあり、相撲協会としては書けば必ず訴えるという態度を見せつけたものです。こういうあからさまな威嚇訴訟を裁判所が追認していくという現状は、改めて考えるべきことです。だって武田さんなどへたをするとライター生命を失いかねなかったわけですから。

 この話、2月6日付東京新聞の「週刊誌を読む」にも書いて、その中でも触れましたが、月刊『創』も2003年に武富士の山岡さんへの盗聴疑惑を告発した時、武富士から次々と提訴されました。武富士は「全くの事実無根」とか無茶苦茶なことを言って、その山岡さんの書いた記事を訴えたわけです。で、裁判が始まった直後に武富士会長が逮捕されるというドラスティックな展開で、『創』は勝ったわけです。もし逮捕がもっと遅かったら、裁判は簡単ではなかったはずで、名誉毀損訴訟は、挙証責任が書いた側にあるので、取材源秘匿などの責務を負う報道側には不利な構造になっているのです。
確かに、断罪されてもしかたないようなひどい報道がたくさんあるのは事実なのですが、問題はプライバシー侵害や弱い者いじめでしかないようなケースも、権力追及といった報道目的の場合も、裁判所が「ミソもクソも一緒」に取り扱ってしまうことです。権力追及においては、「100%ウラがとれなくても書く」という週刊誌ジャーナリズムの姿勢は称揚されるべきで、そのあたりの認識が裁判所に欠けているのは残念としか言いようがありません。

 でも今回、警察のお墨付きを得たことで堰を切ったように大手マスコミが八百長告発をしていますが、相撲記者だったら八百長についてはこれまで何らかの情報に接する機会はいくらでもあったはずです。それを協会の報復を恐れて黙ってきて、こうなったとたんに書きまくるというのはどうなのかな、という感じ。前述した武富士の時も会長が逮捕されたとたんに大手マスコミが洪水のように書き始めたのですが、それまでは『創』など一部の雑誌が孤立しながら告発を行っていたわけで、あの時も「なんだかなあ」という感じでした。きょう7日発売の『週刊現代』が「八百長を見て見ぬふりをした相撲ムラのインサイダーたち」という記事を載せてますが、その通りです。でも裁判で完敗した『週刊現代』、今週号の誌面はものすごい鼻息の荒さですねえ。
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コメント
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