Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

「猫を棄てる」

2022-12-22 09:29:05 | 読書

村上春樹 絵・高妍(ガオ イェン)「猫を棄てる 父親について語るとき」文藝春秋 (文春文庫 2022/11).

単行本 (2020/4) の造本が気になっていたが,ほぼ そっくりそのままの形で文庫化したので購読.

Amazon の紹介*****

父の記憶、父の体験、そこから受け継いでいくもの。村上文学のルーツ。

ある夏の午後、僕は父と一緒に自転車に乗り、猫を海岸に棄てに行った。家の玄関で先回りした猫に迎えられたときは、二人で呆然とした……。

寺の次男に生まれた父は文学を愛し、家には本が溢れていた。
中国で戦争体験がある父は、毎朝小さな菩薩に向かってお経を唱えていた。
子供のころ、一緒に映画を観に行ったり、甲子園に阪神タイガースの試合を見に行ったりした。

いつからか、父との関係はすっかり疎遠になってしまった――。

村上春樹が、語られることのなかった父の経験を引き継ぎ、たどり、自らのルーツを初めて綴った、話題の書。

イラストレーションは、台湾出身で『緑の歌₋収集群風₋』が話題の高妍(ガオ イェン)氏。

*****

猫を棄てるのはホンのまくら.でもエピローグ的に別の猫が登場する.

父親の従軍体験には,第 16 師団とか,第 53 連隊とかのナンバーが登場し,現実感をあおる.

この作品に書かれている父親との関係は前半だけで,その後の軋轢とか,20 年も顔を合わせなかった経緯は省かれている.それはまた,べつの作品で,というところだろうか.

イラストレーションは,ときにまったくテキストと関係なかったりする.文章とは独立した絵画作品と思ったほうがよさそう.


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