Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

Advanced Linear Collider

2019-02-19 10:47:55 | 科学
ILC 国際衝突型線形加速器の日本誘致に日本学術会議が反対した

ILC はとにかく長大.現段階の ILC の設計では衝突エネルギーは 250GeV とされている,「加速勾配」なる加速器のパラメータ,単位は GeV/m でエネルギー 250GeV を割ると加速器の加速長になる.計画における加速勾配は 35MeV/m=0.035GeV/m なので,加速長として 7km 以上が必要である.加速器は加速長よりもちろん長くなる.

ところで僕が定年まで,十何年まえまで研究していたのは,加速器の小型化である.
この,かって属していた領域からの ILC への反応は CERN の ALEGRO, Advanced LinEar collider study GROup (L はひとつ,ニックネームは苦しい!) である.上・左がロゴ.

ここで前提としている加速勾配は,例えば 1GeV/m で,250GeV を得るための加速長はたった 250m となる.実験室では,レーザー航跡場加速で 4.2GeV/m,ビーム航跡場加速で 42GeV/m か得られている.
Strawman Design すなわち たたき台的な設計もいくつか行われている.しょうしょう古い設計なら拙著「レーザーとプラズマと粒子ビーム」でも紹介している.

現時点での ALEGRO の 10 ページほどのまとめが
http://www.lpgp.u-psud.fr/icfaana/alegro/2018_ALEGRO_ESPP.pdf
にある.トップに示したロードマップはここから引用した.
2019 ALEGRO Workshop は 3/26-29, CERN で行われる.

昨年の Oxford での ALEGRO Workshop の参加者リストの日本人は,Prof. Hitoshi Yamamoto (Tohoku University) 一人だけ.かっては日本人がこの分野を牽引した時代もあったんだけど...衰退の責任の一端は僕にもあるのかな.

膨大な予算も土地も不要な ALC 実現を叫ぶ おっちょこちょい日本人の不在が残念.

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アカガミ | トップ |  »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

科学」カテゴリの最新記事