三上 延「ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台」メディアワークス文庫 KADOKAWA (2017/2).
Amazon の内容(「BOOK」データベースより)*****
ビブリア古書堂に迫る影。太宰治自家用の『晩年』をめぐり、取り引きに訪れた老獪な道具商の男。彼はある一冊の古書を残していく―。奇妙な縁に導かれ、対峙することになった劇作家ウィリアム・シェイクスピアの古書と謎多き仕掛け。青年店員と美しき女店主は、彼女の祖父によって張り巡らされていた巧妙な罠へと嵌っていくのだった…。人から人へと受け継がれる古書と、脈々と続く家族の縁。その物語に幕引きのときがおとずれる。*****
このシリーズの 6 はパスしたが,7 で完結と知って,電子書籍で購読した.男女関係・親子関係が縦糸,古書にまとわる日常の謎を横糸とする連作短編として出発したと思うが,完結編は長編.縦糸の男女関係・親子関係は予定調和的に終わったが,ファースト・フォリオ (この言葉も初めて知った) に関連するトリックが面白かった.
完結編で好感度向上.シリーズの読み残しも読んでみようか.
古書狂?を扱った小説は前から存在するが,このシリーズはそれを家系に拡大した.またこの家系のの女性と本が読めない男性のカップルという設定が面白かった.
この国の古書文化にも貢献したことだろう.
この母娘と一生つきあうらしい「俺」がすこし気の毒.
☆☆☆★