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臓器移植法を問い直す市民ネットワーク

「脳死」は人の死ではありません。「脳死」からの臓器摘出に反対します。臓器移植以外の医療の研究・確立を求めます。

第6回市民講座の案内(2014年7月12日)

2014-06-15 07:55:42 | 活動予定

第6回市民講座の案内

講演Ⅰ
「尊厳への問い」を問いなおす―「いのちの倫理」のために
講師:田中智彦さん(東京医科歯科大学教養部 准教授)

講演Ⅱ
看護と尊厳―その人らしく生きることを支える―
講師:MOTOKOさん(看護師)

 

日時: 2014年7月12日(土) 13時30分~16時45分(開場13時)
会場: 豊島区勤労福祉会館4階(第3・第4会議室)
    住所:東京都豊島区西池袋2-37-4 
    TEL:03-3980-3131
    JR池袋駅(南口・西口 メトロポリタン口)徒歩7分
    地図 http://members.jcom.home.ne.jp/s_tamaya/kuro/ikebukuro.htm
共催:臓器移植法を問い直す市民ネットワーク、脳死・臓器移植に反対する市民会議

 

【講師プロフィール】
■田中智彦さん(東京医科歯科大学教養部、准教授)
 1967年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科後期博士課程単位取得満期退学。早稲田大学教育学部助手を経て2000年より現職。専門は哲学・政治思想。
 著書に『生命倫理の源流――戦後日本社会とバイオエシックス』(共著、岩波書店)、『いのちの選択――今、考えたい脳死・臓器移植』(共著、岩波書店)など。訳書にチャールズ・テイラー『〈ほんもの〉という倫理――近代とその不安』(産業図書)、同『自我の源泉――近代的アイデンティティの形成』(共訳、名古屋大学出版会)など。

講演によせて
 「いのちの尊厳」であれ「人間の尊厳」であれ、私たちは多くの場合、「尊厳」をめぐってはそれが「ある」のか「ない」のかといった問いかたで問題にする。そして、そうした問いはたいていの場合、問われている対象が「尊厳」を認められるに「値する」存在なのか「値しない」存在なのかという、尊厳のいわば「資格要件」をめぐるもう一つの問いとセットになっている。こうしたことはある意味、やむをえないことではあるだろう。しかしまた、そうであるからといって、「尊厳」には別の問いの立て方、語り方があるかもしれないことまで否定されるわけではない。ではそのような別の問いのたて方、語り方があるとすれば、それはどのようなものになるのだろうか。一つの試論を提示し、参考に供したいと思う。

 

■MOTOKOさん(看護師)
 28年余り臨床看護を実践。主に救急・集中治療室で勤務。災害救護への参加、心肺蘇生法の普及にかかわる。脳死臓器移植のドナーの方を看取った経験を機に「いのち」「看取り」、「看護とは」等について考えている。

講演によせて
 私は、脳死臓器移植のドナーとなる患者さんを看護した経験から、看護師が患者に尊厳をもって関わるとはどういうことなのかについてお話したいと思います。大切な家族の死を前にして残された時間は、患者と家族の為にあります。それは、亡くなっていかれる悲しみを悲しむ時間でもあります。家族の承諾によって臓器提供のドナーとなる患者さんとそのご家族にとっても、残された時間は共に生きる最後の時間です。「看取り」とは、「残された生を共に生きること、やがて鼓動を止めて冷たくなっていくいのちの傍で、見守り悲しむいとなみ」でもあります。
 私にとって「尊厳」とは、「その人らしく生きることのかけがえのなさ」を自分からも他人からも大切にされることによって尊厳が尊厳として守られていくものなのです。自分が今あるままに生きていていいのだという自己肯定と、そうして生きるありのままのその人の生のかけがえのなさを周囲の人だけではなく社会の在り方として大切にされること、このいわば内と外からの肯定によって、たった一人のその人の尊厳が尊重されていくものなのだと思います。


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ブログ移転、開設完了のお知らせ(2014年3月30日)

2014-03-30 15:01:50 | 活動予定

ブログ移転、開設完了のお知らせ(2014年3月30日)

 

 臓器移植法を問い直す市民ネットワークのブログは、プロバイダー「ぷらら」で2009年11月8日に開設しましたが、「ぷらら」が2014年6月30日にブログサービスを終了するため、こちらのgooブログに移転してまいりました。

 gooブログ上におけるブログ開設は2014年3月29日、移転後に体裁の確認を終了したのは3月30日です。

 今後ともよろしくお願いいたします。

 (「ぷらら」上旧ブログのカウンターは3月30日現在で62,040台になっています)


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第5回市民講座(2月2日)のお知らせ

2014-01-07 22:24:44 | 活動予定

第5回市民講座のお知らせ

死体とされた人からの臓器摘出に、

なぜ麻酔や筋弛緩剤を使うのか?

 

日時:2014年2月2日(日) 午後1時30分~5時(開場1時)
会場:豊島勤労福祉会館 第3・第4会議室(4階)、東京都豊島区西池袋2-37-4、地図http://taste.reenta.jp/amusement/00001333_map.html
資料代:500円
講師:守田憲二さん(ジャーナリスト、死体からの臓器摘出に麻酔?http://www6.plala.or.jp/brainx/開設者、臓器移植法を問い直すネットワーク事務局)

 

 死亡宣告がされた死体のはずの人から移植用臓器を摘出する際に、麻酔や筋弛緩剤を投与するべく手配をされていることはご存知でしょうか?この実態は、法的脳死判定・臓器提供を検討する家族にも知らされることがなかったため、臓器提供後に薬物を投与されることを知り「なんとむごいことをしてしまったんだろうと思いました。かわいそうなことをした、むごいことをした」と後悔しているケースも報告されています。
  2013年に開催された日本麻酔科学会学術集会で、大阪大学医学部付属病院麻酔科の林 行雄医師は「(脳死ドナーの)循環管理のために麻酔薬を投与することで生じる誤解を、たとえそれが医学的に正しいとしても、国民の方々に理解していただくことは現状では容易ではない。“李下に冠を正さず”とするのが現実的であろう」と講演しました。近年は、「臓器摘出時に麻酔は不要」とマニュアル化され、筋弛緩剤だけ投与する脳死臓器摘出が一般化しています。
 ザック・ダンラップ事件では、脳死判定で死亡宣告され臓器ドナーとされた男性が社会復帰しました。法的脳死判定30例目では「脳死ドナーには効かない」と周知されているアトロピンが敢えて投与され、そして効きました。このように脳死判定の誤診は現実問題ですが、「脳死判定を誤る危険性は全くない」との前提で麻酔をかけない臓器摘出を行うことは、生体解剖されるリスクを善意の臓器ドナー候補者、その家族に何も知らせずに、全て負わせることに他なりません。
 心停止後の臓器提供でも、人工呼吸器を停止して死ぬまでの苦しみを軽減する、あるいは苦しみながら死に至る断末魔状態を患者家族に見せないようにする、そして早期に死なせて獲得できる臓器を増やすために麻酔薬や筋弛緩剤が投与されます。心臓死の死亡宣告後に人工呼吸と心臓マッサージを行ない、麻酔器につないで臓器を摘出する手術室に運ぶことが1960年代から行われています。
 日本弁護士連合会は、和田心臓移植事件に対する調査報告書(1973年)で麻酔薬と筋弛緩剤が手配された事を指摘して、「患者が生きている証拠である。死んでいる者や死にかかっている者には無用の薬である」と指摘しました。それから40年を経た現代でも「理解していただくことは現状では容易ではない」と隠ぺいされ続けることは、人を死体として移植用臓器を摘出する行為に根本的な問題のあることを示します。

 

講演の概要
 脳死ドナー、心停止ドナー、それぞれについて臓器摘出時に投与されている薬物や生理状態を報告します。
 図は、2007年2月の法的脳死判定53例目、札幌医科大学で臓器を摘出された20代女性の麻酔管理記録です(臨床麻酔31巻8号p1353~p1355、2008年より)。皮膚切開の直前に、麻酔医が鎮痛剤レミフェンタニルが大量に投与されました。手術中にも血圧、心拍数が変動し、鎮痛剤の投与量を増減させています。

 近年の麻酔をかけない法的脳死・臓器摘出時の記録、そして心停止ドナーの死に至る過程の血圧・心拍変動などの記録も紹介されます。
 脳死ドナーに筋弛緩剤、麻酔をかける理由を正当化する議論を検討し、「脳死判定を誤っているのではない。脊髄反射への対応だ」という主張に対しては、脳死判定を誤る可能性、そして脊髄反射なのか誤診なのか見分ける方法がないことも説明し、「脊髄反射との主張は『医師は診断を誤らない』との検証されない仮定にもとづく」と指摘します。
 「麻酔をかけて臓器摘出するのを容認すべきでは」という主張に対しては、ドナーの苦痛を軽減するための投与方法ではないこと、臓器を提供して死ぬことが容認されていないことを指摘します。
 心停止ドナーに抗血液凝固剤ヘパリンを投与し、心停止後にも心臓マッサージ、人工呼吸などを行う問題点(心停止ドナー候補者家族に正当な承諾を得ていないこと、ドナーに蘇生効果があり、苦痛を与え生体解剖となる可能性など)も指摘します。


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第4回市民講座のお知らせ(10月27日)

2013-10-01 20:15:28 | 活動予定

第4回市民講座のお知らせ

出生前診断について考える―導入をめぐる争いの現代史から

生命を選別する思想―出生前診断と脳死・臓器移植の共通性について

 

■日時:2013年10月27日(日)午後1時30分~5時(開場1時)
■会場:豊島区民センター(コアいけぶくろ】第2会議室
      豊島区東池袋1-20-10(JR池袋東口より徒歩7分) 

■講演
▽利光恵子さん(立命館大学生存学研究センター客員研究員)
 「出生前診断について考える―導入をめぐる争いの現代史から」
▽堀田義太郎さん(東京理科大学理工学部講師 倫理学・生命倫理学)
 「生命を選別する思想―出生前診断と脳死・臓器移植の共通性について」

 2013年4月から、新型出生前診断(母体血胎児染色体検査)が開始されました。「妊婦血液検査でダウン症診断」「精度99%」との見出しが新聞紙上に踊り、高齢妊婦の要望に応えて「安心」をもたらすと、報道されました。
 しかしそれは本当でしょうか? 1970年代から行われてきた羊水チェック(出生前診断)は「胎児を傷つける危険性」や「障害を不幸と決めつけ排除するもの」と、障害者や女性団体からの反対運動が続けられてきました。講師の利光恵子さんは、1970年代から現在までの出生前診断をめぐる医療界と障害者、女性らの論争の経緯を『受精卵診断と出生前診断――その導入をめぐる争いの現代史』(生活書院刊/2012 年)にまとめられました。
 市民講座では、新型出生前診断の問題点に触れながら、70年代以降の論争の経緯と視点について詳しくお話して頂きます。

 この出生前診断と脳死・臓器移植問題はどのようなつながりがあるのでしょうか?“福音をもたらす”と推進される一方で切捨てられ排除される生命があります。私たちは前回の市民講座で「なぜ“脳死”者は死者にされるのか」をテーマに人の命を管理する権力によって一部の人間を排除する政治が行われてきたことを学びました。
 今回の第4回市民講座では、東京理科大学の堀田義太郎さんにこれらの医療技術の思想的な共通性についてお話して頂きます。 ぜひご参加ください。そして意見を交換して議論を深めましょう。

●講師プロフィール
〇利光恵子(としみつ けいこ)さん
 大阪大学薬学部薬学科卒。薬剤師として働くかたわら、「優生思想を問うネットワーク」等で活動。
 50歳で立命館大学大学院先端総合学術研究科に社会人入学、立命館大学生存学研究センター客員研究員。
 現在、「生殖医療と差別・紙芝居プロジェクト」、「『脳死』・臓器移植に反対する関西市民の会」、「女性のための街かど相談室ここ・からサロン」として活動。
 著書に『受精卵診断と出生前診断――その導入をめぐる争いの現代史』(生活書院 2012年)など。

〇堀田義太郎(ほった よしたろう)さん
 1974年生まれ、2006年3月大阪大学大学院医学系研究科博士課程修了。
 東京理科大学・理工学部・講師。倫理学・生命倫理学。
 著書に『差異と平等 障害とケア/有償と無償』(共著、青土社、2012年)『老いを治める――老いをめぐる政策と歴史』(共編著、生活書院、2011年)。

■資料代:500円

■共催
*臓器移植法を問い直す市民ネットワーク
*脳死・臓器移植に反対する市民会議


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第3回市民講座のお知らせ(7月5日)

2013-06-02 17:54:30 | 活動予定

第3回市民講座のお知らせ
“脳死”患者はなぜ死者にされるのか
~人間の尊厳と生権力をめぐって~

▼講 師:小松美彦さん(武蔵野大学教授 科学史/生命倫理学) 
 『生権力の歴史-脳死・尊厳死・人間の尊厳をめぐって』(青土社 2012年発行)著者

日時:2013年7月5日(金) 午後6時30分~午後9時(受付午後6時~)
会場:豊島区民センター(コアいけぶくろ) 第2会議室
交通:池袋東口下車 徒歩約5分
資料代:500円

 生きるために不可欠な臓器を摘出されるのが、なぜ「脳死」患者からなのでしょうか? 安楽死・尊厳死の対象とされるのは、なぜ「脳死」患者や「終末期」患者なのでしょうか?
 小松美彦さんは、このあまりにも「当たり前」に思える疑問に鋭く切り込み、「生きるに値する者と値しない者」を厳しく分ける仕組みを紐解き、『生権力の歴史-脳死・尊厳死・人間の尊厳をめぐって』(青土社)という本にまとめあげました。
 今回の市民講座では、「生権力」について、そして「生権力」の歴史と脳死・臓器移植や尊厳死との繋がりついて、分かりやすくお話していただきます。

 6歳未満の子どもも含めて220人の重篤な患者に法的脳死判定とそれに基く臓器摘出(2013年5月26日まで)が行われました。臓器不足の名の下に、臓器提供者の拡大を求める声は高まるばかりです。
 また、尊厳死法制化法案が「患者の意思の尊重」「自己決定」の名の下に秋の臨時国会には上程されると言われます。一方でこの流れが、「脳死」患者、「終末期」とされる患者、遷延性意識障害の患者を死へと誘導するものとの批判の声が高まっています。
 「人間の尊厳」とは何なのでしょうか。市民講座で皆さまと共に議論したいと思います。小松美彦さんの著書『生権力の歴史―脳死・尊厳死・人間の尊厳をめぐって』を読み、ぜひご参加ください。


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