臓器移植法を問い直す市民ネットワーク

「脳死」は人の死ではありません。「脳死」からの臓器摘出に反対します。臓器移植以外の医療の研究・確立を求めます。

臓器提供の承諾後~臓器摘出の手術中に脳死ではないことが発覚した症例、疑い例および統計 3-3

2024-06-07 16:20:55 | ニュース・文献の概要

臓器提供の承諾後~臓器摘出の手術中に脳死ではないことが発覚した症例、疑い例および統計

3-3

3-1の見出し

1,臓器摘出の直前~臓器摘出術開始後に、脳死ではないことが発覚した症例
2,脳死判定の誤りが発覚した頻度は、テヘランでは臓器摘出直前に0.15%、米国では臓器摘出直前に1~5%、日本および韓国では親族の臓器提供承諾後に1.2%前後

3-2の見出し
3,脳死なら効かないはずの薬=アトロピンが、脳死ドナーに投与され効いた!
4,脳死とされた成人の長期生存例(妊娠の継続・出産、臓器提供、異種移植実験などに伴う脳死宣告から1カ月以上の長期生存例)
5,「麻酔をかけた臓器摘出」と「麻酔をかけなかった臓器摘出」が混在する理由は?
      何も知らない一般人にすべてのリスクを押し付ける移植関係者

6,親族が臓器提供を承諾した後に、脳死ではないことが発覚した症例

3-3の見出し(このページ)
7,親族が脳死臓器提供を拒否した後に、脳死ではないことが発覚した症例
8,脳死判定を誤る原因

 


 

7,親族が脳死臓器提供を拒否した後に、脳死ではないことが発覚した症例

 生来健康な生後17ヵ月の女児は、重度の熱性痙攣で国立成育医療センターの集中治療室に転送され急性脳症と診断された。発症から17日目に、無呼吸テストを除く臨床的脳死の診断で、日本臓器移植ネットワークのコーディネーターが家族に臓器提供の説明をした。
 家族が臓器提供を拒否して2週間は神経学的所見は変化しなかったが、急性脳症の発症から約5週間後に自発運動が始まった。
・これらの動きには、刺激なしで足底の屈曲と同期して4本の手足すべてが軽く痙攣することが含まれていた。この動きは、呼吸器の吸気相と一時的に同期した。
・つま先と指の刺激には、股関節と膝関節の屈曲を伴う動きのような引っ込め反射が含まれる。
・患者の姿勢は股関節外転を伴うカエルのようなものであったが、股関節内転や膝屈曲などの姿勢変化が観察された。
・顔面刺激(例えば、柔らかいティッシュペーパーでまぶたや角膜に触れる、または眼窩上を圧迫する)は、膝関節の伸展または足首関節の屈曲を誘発した。
・上肢は時々、瞬間的に重力に逆らって持ち上げられた。
・膝蓋骨腱反射テストは、上肢および反対側の下肢に行い、上肢の刺激は、両方の下肢のけいれんを引き起こした。
・医師らは家族に、患児はもはや「脳死」ではないことを説明した。なぜなら、脳幹起源の体動があったからだ。
 入院45日後に当院を退院した患者は、急性脳症の発症時に最初に治療を受けていた島田療育センターに戻り、在宅療養を準備した。彼女の全身状態と神経学的所見は、当院退院後12か月を超えても有意に変化せず、彼女は呼吸器に依存したままであり、胃瘻チューブを介して栄養補給されていた。患者は時折、自発的に体動した。しかし、彼女の脳波は平坦だった。発症から 16カ月で、患者は肺炎と尿路感染症による多臓器不全で亡くなった。

出典=Masaya Kubota:Spontaneous and reflex movements after diagnosis of clinical brain death: A lesson from acute encephalopathy, Brain & Development,44(9),635-639,2022
https://www.brainanddevelopment.com/article/S0387-7604(22)00103-6/fulltext(抄録)

 


 

8,脳死判定を誤る原因

 

 脳死判定を誤る原因は「脳死判定基準にもとづき厳格に行わないから」「早すぎる脳死判定、薬物影響下の脳死判定」「患者を傷つける検査は行わないから」「患者本人ではなく他人の利益のために医療を行っているから」であろう。

 

 「1,臓器摘出の直前~臓器摘出術開始後に、脳死ではないことが発覚した症例」そして「6,親族が臓器提供を承諾した後に、脳死ではないことが発覚した症例」では、日本の法的脳死判定とは異なる脳死判定がある。検査項目や検査回数を減らせば、診断を誤る確率が上がるのは当然のことだ。
 しかし日本の法的脳死判定でも「画像診断が行われていない」「基準と異なる他の検査で代用した」「脳波の記録時間が30分未満。高感度記録なし」「コンタクトレンズがついたまま検査」などがあった。
 心停止ドナー候補者に行われる「一般の脳死判定(一般の脳死診断、一般的脳死判定とも表現)は、諸外国と同様に粗雑に行われている。アンケート(注4)に回答した施設の4割は無呼吸テストを行わず、法的脳死判定に準じて診断していたのは3割しかなかった 。心停止ドナーに一般の脳死判定がなされると、親族の承諾を得た後に臓器摘出手術の一部分=臓器摘出目的のカテーテル挿入や抗血液凝固剤ヘパリン投与などが、現行のマニュアルは許容している。
 諸外国の脳死判定がいい加減だからと言って、日本の一般の脳死判定の粗雑さ=「心停止後の臓器提供」と称する法的脳死判定手続きのスキップ・臓器移植法のザル法化=を検討の対象外としてはならない。

 

 2007年11月のザック・ダンラップさんは、受傷から36時間後の脳死宣告が誤っていた。一過性のショックで数十時間にわたり脳死判定基準を満たしうる状態になった後に回復する患者がいるため、多くの国で脳死判定を開始するまで待つ期間を設定しているが24~48時間など短い。日本の脳死判定基準にその規定がない。
 しかし大阪大学医学部附属病院では、3ヵ月女児が脳死徴候をすべて満たした後に第5病日の無呼吸テストで自発呼吸なしとされたが、第43病日に自発呼吸が発現した(注5)。受傷・発症から数十日間、救命医療を継続した後にしか脳死判定ができなくなるならば、また長期間生命を維持することが可能ならば「脳死は人の死か否か」という論議は不必要になる。

 

 2009年のコリーン・バーンズさんは薬物の過剰摂取に加えて、治療中に鎮静剤が投与されていた。意識不明で人工呼吸器を装着された患者は麻酔、鎮痛剤、鎮静剤など脳の機能を低下させて脳死と似た状態をもたらす薬物(中枢神経抑制剤)を投与されていることが多い。薬物は時間が経過しないと代謝・排泄がなされないため影響が続く。
 2011年エモリー大学病院において臓器を摘出する手術台上で脳死ではないことが発覚した55歳男性の場合は、低体温療法後に復温してからの観察時間が短かった可能性を当該施設が指摘している。低体温でも薬物は代謝・排泄が時間がかかる。
 しかし法的脳死判定マニュアルは「通常の投与、一般的な投与量であれば24時間以上を経過したものであれば問題はない」とおざなりな規定をしている。
 24時間以上、脳組織内に薬物が残留していることがある。「臨床的脳死状態で塩酸エフェドリンを投与された患者が約72時間後に心停止した。解剖して各組織における薬物濃度を測定したところ、心臓血における濃度よりも53倍(3.35μg)の塩酸エフェドリンが大脳(後頭葉)に検出された」(注6) 。
 腕などから採取した血液の薬物濃度と脳組織内の薬物濃度は異なる。生きている患者から脳組織を採取することは許容されないため、正しい薬物濃度の測定は不可能であるし、測定できても薬物濃度による影響は個体差が大きく「薬物の影響なし」との判断は難しい。従って脳死判定に影響し得る薬物を投与された患者の大部分は、脳死判定の対象から除外するしかなくなる。そうであるのに、敢えて脳死判定を行うならば、判定を誤ることは不可避になる。

 

 脳血流が無いとされながら、実際には脳が機能していた症例もある。ヒトの脳組織の壊死する血流量が不明であること(壊死する血流量として引用されている数値はサルの脳の壊死実験で得た数値)、脳血流量を数値化するのではなく画像で低血流量とする曖昧な判断、低血流時は脳の機能も停止する、薬物も代謝されない、など脳血流検査にも技術的限界がある。

 

 ザック・ダンラップさんは、ナイフの背で足の裏面を引っかかれ、爪の下に他人の爪を押し込まれて脳死ではないことが発覚した。しかし、医療で患者を過剰に傷つける検査は許容されないから行えない。脳死判定は、患者の昏睡状態を確認するために疼痛刺激を加える。患者の顔面を滅菌した針か虫ピンで突き、眉毛付近は指で圧迫して反応の有無を診る。このような疼痛刺激では弱すぎ、ナイフで患者の身体を切ったら反応があるかもしれない。臓器摘出時に皮膚切開が始まると血圧が急上昇する。脳死判定を許容している脳外科医、移植医らは、これを脊髄反射・脊椎自動反射としか説明しないが、実際にはメスで体を切り開かれる激烈な痛みで苦しみ、生きたまま解剖される恐怖・絶望を感じつつ、不本意な死を強要された患者がいるのではないか。

 

 マーガレット・ロックが面接した医師によると、1970年代に30秒間の無呼吸テストで自発呼吸はみられなかった患者が、手術室で人工呼吸を外したら呼吸を始めた。1988年報告のマクマスター大学病院例は無呼吸テストの強度を上げたら自発呼吸が確認された。
 現代の無呼吸テストは人工呼吸を停止し、動脈血内の二酸化炭素分圧が60mmHgを超えるまでに自発呼吸をしなければ無呼吸と診断する。しかし、この規定値を超える66.4mmHg(注7) 、72.2mmHg (注8)、86mmHg(注9) 、91mmHg(注10) 、112mmHg(注11) などでの自発呼吸例が報告されている。無呼吸テストを現状より長時間行うと、自発呼吸能力のある脳死ではない患者を発見できる事は明らかだ。
 しかし、無呼吸テストが長時間行われると、心停止直前で自発呼吸をする患者がいる一方で、心臓死に至る患者も多発する。移植用臓器の鮮度・活力を維持するためにも、不整脈や心停止の危険のある長時間の無呼吸テストは忌避される。

 患者を過度に傷つける検査は行えないため、患者が本当に深昏睡で絶対に回復することはないのか、自発呼吸能力が完全に廃絶しているのかは知りえない。低刺激検査に留めるしかないことから、脳死判定を誤る可能性が無くならない(このほか低感度検査の限界=頭皮の上に置いた電極で脳波が測定できなくとも、頭蓋骨の内部に電極を置くと脳波を測定できることがある。無呼吸テストで患者の胸の動きを目視で観察して呼吸をしていないように見えても、センサーや筋電図で測定すれば呼吸運動が確認できることがある他=も指摘されてきた)。

 

 医療機関側の都合で重症患者への医療を打ち切りたい場合には、患者の生存能力、脳機能が明らかになっては、患者家族を納得させる説明が困難となり医療の打ち切りが難しくなる。移植用臓器も獲得できなくなる。このように患者本人のための医療ではなく、他の人の利益のために医療が行われる所で脳死判定または終末期診断が行われることにより、その当然の結果として脳死判定・死亡予測・死亡宣告は誤る。こうした誤診の一部分が発覚しているのであろう。

 

文献

(注4)荒木 尚:救急・集中治療において臓器提供を前提としない脳死判定と患者対応の現況について、脳死・脳蘇生、30(1)、33、2017
(注5)Ken Okamoto:Return of spontaneous respiration in an infant who fulfilled current criteria to determine brain death,Pediatrics,96(3),518-520,1995
https://pediatrics.aappublications.org/content/96/3/518(抄録)
(注6) 守屋文夫(高知医科大学法医学):脳死者における血液および脳内の薬物濃度の乖離、日本医事新報、4042、37-42、2001
(注7) 河野昌史:呼吸停止と深昏睡をきたしながら脳死を否定された1例、日本救急医学会関東地方会雑誌、8(2)、524―525、1987
(注8) 林成之:脳死診断の現場と無呼吸テスト、脳蘇生治療と脳死判定の再検討(近代出版)、97、2001
(注9) 榎泰二朗:無呼吸テストの信頼性について、麻酔、37(10S)、S66、1988
(注10) Ralph Vardis:Increased apnea threshold in a pediatric patient with suspected brain death、Critical care medicine,26(11),1917-1919,1998
https://journals.lww.com/ccmjournal/Abstract/1998/11000/Increased_apnea_threshold_in_a_pediatric_patient.40.aspx(抄録)
(注11) Richard J.Brilli:Altered apnea threshold in a child with suspected brain death、Journal of child neurology,10(3),245-246,1995
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/088307389501000320(プレビュー)

 

 

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FIGHT FOR LIFE 生きるための戦い ニュース・文献の概要 その2(2022/5~)

2022-08-20 11:22:44 | ニュース・文献の概要

FIGHT FOR LIFE 生きるための戦い ニュース・文献の概要 その2(2022/5~)

 

 このページは、脳死・脳幹死あるいは終末期・遷延性意識障害(植物状態)とされる人物の生命維持に関する裁判、そして脳死あるいは心臓死・三徴候死とされた状態からの回復・誤診に関連する日本語および英語圏ニュースや文献の概要、元となる記事の見出し、URLを紹介します。各人物(係争)ごとに、最新の記事を太字の見出しで最上部に掲載し、その下に過去の記事を掲載します。水平線で他の人物(係争)と区別します。
 出典がニュースの場合は、おおむね複数の報道が存在しますが、以下では情報量が多い1から2記事のみ掲載します。
 2020年1月~2022年5月までの情報は、その1 として別ページhttps://blog.goo.ne.jp/abdnet/e/82e28cc0daae282306948cf63172daebに掲載しています。

 


2022/8/11 ライリー小児病院は「脳死宣告され死んでいるから」と気管切開を拒否、
       転院先候補病院は「気管切開されていないから」と受け容れ拒否、生命維持が停止され死亡

 7月23日に米国インディアナ州でトレジャー・ペリーさん(17歳女性)が重度のアレルギーと喘息発作を起こし、8月2日に脳死と宣告された。母親のアンジェラ・コルサエさんは、裁判所にライリー小児病院の生命維持装置にとどめておくように求め、裁判所は一時的な拘束命令を出した。母親は転院先の病院を探したが、候補となる病院は気管切開を受けていないからと受け容れを拒否し、ライリー小児病院はトレジャー・ペリーさんが臨床的に死亡しているからと気管切開を拒否した。裁判所は8月10日に期限の延長を認めず、11日に生命維持が停止された。母親によると、トレジャー・ペリーさんは最後の1時間まで改善が見られ、母親の手を握りしめ、瞳孔は光に反応していたとのこと。

Her daughter was declared dead. Despite hospital objections, she believes she was alive
https://www.nbcnews.com/news/us-news/daughter-was-declared-dead-hospital-objections-believes-alive-rcna42612

 


2022/8/6 午前10時にアーチー・バータズビーさんへの投薬など停止、正午に人工呼吸を停止、午後12時15分に死去

Perché il caso di Archie Battersbee si configura come eutanasia?
https://www.corrispondenzaromana.it/perche-il-caso-di-archie-battersbee-si-configura-come-eutanasia/

Archie Battersbee dies after parents lose legal battle over life support
https://www.theguardian.com/society/2022/aug/06/archie-battersbee-boy-at-centre-of-legal-battle-over-life-support-dies

 

8月5日 高等裁判所は、アーチー・バータズビーさんの治療中止のためにホスピスに移動することはできないと判決

8月4日 アーチーの両親は、息子を終末期ケアのためにホスピスに移すため法的申請。

8月3日 ヨーロッパ人権裁判所は、アーチーの生命維持装置の撤回を延期する家族からの申請を拒否。

8月2日 最高裁判所は、控訴裁判所の判決に上訴する許可を求める家族の申請を拒否。

8月1日 控訴裁判所は、国連が事件を審理するまで、治療の中止を延期することを拒否。

7月31日 政府は、この事件を再検討するための緊急の聴聞会を要請。

7月30日 国連委員会は英国政府に書簡を送り、この件を検討している間、治療の中止を遅らせるよう求めた。

Archie Battersbee: Legal battle at the end, says mum
https://www.bbc.com/news/uk-england-essex-62403993

 

2022/7/29 アーチー・バータズビーさんの生命維持、最高裁への上訴が却下され、両親は国連障害者権利委員会に苦情申し立て

 アーチー・バータズビーさんの両親は、国連障害者権利委員会に障害者の権利の侵害として苦情を申し立てた。国連人権条約支部の支部長は、国連障害者権利委員会で審議されている間は生命維持医療の撤回を控えるように書簡で要請した。病院側は国連の要求が何を意味するのかについて政府の弁護士からの指導を待っている。
UN request for Archie Battersbee life-support to continue
https://www.bbc.com/news/uk-england-essex-62346356

 

 母親は、息子が自発呼吸をしようとしていることを「証明している」と主張するビデオを公開した。(人工呼吸器に設定された呼吸数が14から15に一時的に上昇する。肺のモニターも点滅する)
Archie Battersbee: Mum of boy, 12, on life support says video 'proves' her son is trying to breathe on his own
https://www.mylondon.news/news/east-london-news/archie-battersbee-mum-boy-12-24606779

 

2022/7/28 最高裁判所は、上訴申請を却下し、控訴裁判所の判決を支持した。

2022/7/25 控訴裁判所は、治療は終了できるという高等裁判所の判決を支持した。

2022/7/15 高等裁判所は、生命維持治療の継続は「無駄」だとして中止すべきと裁定した。

2022/6/29 控訴裁判所は、アーチーの最善の利益を決定するための新たな審理が行われるべきだと裁定した。

Archie Battersbee: How did life support battle end up in court?
https://www.bbc.com/news/uk-england-essex-61829522

 

2022/6/13 裁判所は「アーチー・バータズビーさんが死んでいる可能性が高い」として人工呼吸の停止を許可、母親は控訴予定。

 6月13日、ロンドン高等裁判所は「アーチー・バータズビーさんが死亡したのは、MRIスキャンが撮影された直後の2022年5月31日正午だった(Mrs Justice Arbuthnot said: 'I find that Archie died at noon on May 31 2022, which was shortly after the MRI scans taken that day,)」として、入院しているロイヤル・ロンドン病院の医療従事者に「アーチー・バータズビーさんへの人工呼吸を止める」「抜管する(人工呼吸器を取り外す)」「心臓の拍動または呼吸が止まった時に蘇生を試みないこと」について許可を与えた。母親は控訴の方針。
Judge rules 12-year-old Archie Battersbee is 'brain stem dead' and his life support SHOULD end despite his family's desperate plea - as his mother says: 'I know my son is still in there'
https://www.dailymail.co.uk/news/article-10911203/Judge-rules-Archie-Battersbees-life-support-end.html

 


2022/5/5 病院側「脳幹死でなくても意識を回復する可能性は低い、人工呼吸の中止が患者にとって最善の利益」   
                   両親側「提案された脳幹検査は確実に死の決定につながる可能性のあるものではない」

 英国エセックス州で脳損傷により昏睡状態となった少年アーチー・バターズビーさん(12歳)について、両親は生命維持を主張し、ロイヤル・ロンドン病院は生命維持を中止すべきと主張し、裁判になっている。
 病院側は「脳幹死の可能性が高い、脳幹死でなくても意識を回復する可能性は非常に低い、人工呼吸の中止が患者にとって最善の利益だ」と述べた。両親側は「提案された脳幹検査は確実に死の決定につながる可能性のあるものではない」と懸念している。
Southend brain-damaged boy in court case over life support
https://www.bbc.com/news/uk-england-essex-61333191


2022/7/3 イギリスのエヴェリーナ小児病院で2022年6月19日、22日に脳幹死で死亡を確認された3ヵ月男児。7月2日、3日に自発呼吸が確認され、死亡宣告を撤回。

6月10日、心停止でクイーンエリザベス病院に救急搬送、安定した後にエヴェリーナ小児病院に入院
6月19日、13時15分に脳幹死で死亡確認
6月22日、両親の要請で再検査、MRIスキャンで硬膜下出血とクモ膜下出血を確認、脳幹死を確認。
7月2日と3日、看護師が体動と呼吸を医師に連絡、人工呼吸器から短時間切り離すと一貫した浅い不規則な呼吸あり、脳死診断を取り消した。
7月4日と5日、脳波およびMRIを繰り返したが、脳波は検出されずMRIは壊滅的な全脳損傷を示した。
8月第3週 この男児Aにとって最善の利益を検討する審理を予定。

Between:GUY'S & ST THOMAS' NHS FOUNDATION TRUST(Case No: FD22F0026)
https://www.bailii.org/ew/cases/EWHC/Fam/2022/1873.html 


2022/7/22 ユタ州で6月に脳死宣告されたケーシー・ダーラムさん、家族が生命維持継続・転院・セカンドオピニオンを求めて裁判開始

 米国アラバマ州ジャクソン郡のケーシー・ダーラムさんは6月13日、ユタ州オグデンで車に轢かれ、マッケイ・ディー病院で脳死宣告された。病院が生命維持治療を終了するのを阻止するために、家族は一時的な差し止め命令を7月7日に受けた。家族はアラバマ州の自宅に近い施設への転院とセカンドオピニオンを受けることを望み、7月22日に裁判が開始された。

Jackson County man’s ‘brain death’ case heard before Utah judge
https://whnt.com/news/northeast-alabama/jackson-county-mans-brain-death-case-heard-before-utah-judge/


 


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FIGHT FOR LIFE 生きるための戦い ニュース・文献の概要 その1(2020/1~2022/5)

2022-06-20 15:06:49 | ニュース・文献の概要

FIGHT FOR LIFE 生きるための戦い ニュース・文献の概要 その1(2020/1~2022/5)

 


2022/5/27 裁判所が生命維持を命令、人工呼吸器を装着中に心停止し蘇生できず

 ビバリー・ホワイトさん(62歳)について、裁判所は系列外の病院で診察できるようになるまでの生命維持装置にとどめなければならないと裁定した。裁判所の命令に従ってバッファロー総合医療センターで人工呼吸器を装着していたビバリー・ホワイトさんは、5月27日午前5時45分頃、心停止、蘇生できなかった。
Woman's heart gives out before family gets second opinion on whether she was brain dead
https://buffalonews.com/news/local/womans-heart-gives-out-before-family-gets-second-opinion-on-whether-she-was-brain-dead/article_792309a0-de06-11ec-90f2-d38d16e9eb12.html

 

2022/3/30 無呼吸テストを行わずに脳死宣告、家族は中立的な施設への移送とセカンドオピニオンを求める

 米国ニューヨーク州のバッファロー総合医療センターに2022年3月26日、ビバリー・ホワイトさん(62歳)が入院し、3月30日に脳死宣告された。医師は家族に4月1日に生命維持装置を停止する予定と伝えたところ、家族が裁判所に訴え、裁判所は4月2日に生命維持装置に留めるように命令した。
 家族は、無呼吸テストが行われる前にビバリー・ホワイトさんが脳死であると説明されていた。3月30日に同病院の医師の診察時に、医師は「無呼吸、咳反射ナシ、対光反射ナシ」にチェックしたが、患者家族に脳死判定する意図を伝える合理的な努力が行われたどうかを確認する項目はチェックしなかった。4月2日に裁判所命令が出た後の診断時に、同病院の医師はすべての確認項目をチェックした。家族は、母親の足のつま先が動いたことも見た。
 家族は、中立的な施設に移送して神経科医のセカンドオピニオンを得たいと裁判所に求めている。
Family blocks Buffalo hospital from pulling plug on their mother, but now what?
https://buffalonews.com/news/local/family-blocks-buffalo-hospital-from-pulling-plug-on-their-mother-but-now-what/article_ad301c14-bff3-11ec-b6df-03764eb37240.html

 


2021/9/7 脳死ではない昏睡・人工呼吸依存の1歳女児、州委員会が9月10日に生命維持を負えるように命令、両親は控訴見込み

 トロントのSickKids病院に入院しているカイオミ・ホール・ケンプちゃん(1歳女児)について、9月7日に州委員会が生命維持を9月10日(金曜日)午後5時までに終えるように命じた。この決定に両親は同意していない。控訴は7日以内にできる。
Friday deadline looms for parents of baby on life-support
https://torontosun.com/news/friday-deadline-looms-for-parents-of-baby-on-life-support


2021/9/1 カイオミ・ホール・ケンプちゃん(1歳女児)は、浴槽で溺れて7月8日に心停止。現在は微弱な自発呼吸があり脳死ではないが昏睡状態で人工呼吸をされている。SickKids病院・小児集中治療室の医師11人全員は深昏睡から決して回復しないから2ヵ月後に生命維持を停止して死なせることが女児の最善の利益であると院内の委員会に伝えたところ、両親は小児集中治療医があまりにも早く諦めている、人種差別と主張。母親は看護師との敵対的対応より8月2日に警察官の同行のもと病院から排除された。
MANDEL: SickKids doc says baby on life support will not recover
https://torontosun.com/news/local-news/mandel-sickkids-doc-says-baby-on-life-support-will-not-recover


2021/5/9 法廷闘争に敗れ、人工呼吸器から離脱させられてアンドレス・バンダさんは死亡

 5月9日、アンドレス・バンダさんの家族は法廷闘争に敗れ、同日夜に人工呼吸器から離脱させられて、アンドレス・バンダさんは数時間後に死亡した。息子は真の死因を究明するために独立した検視を要求している。家族によると、人工呼吸を停止される日にも家族を見て手を動かした。
A hospital disconnected a 43-year-old Hispanic despite opposition from his family – Explica .co
https://www.explica.co/a-hospital-disconnected-a-43-year-old-hispanic-despite-opposition-from-his-family.html

 

2021/3/3 米国カリフォルニア州でアンドレス・バンダさん(43歳男性)が1月にCOVID-19で入院し、1月6日に集中治療室に入り、2月にロマリンダ医療センターで脳死が宣告され、3月3日の午後5時に生命維持装置から切り離される予定となった。3月3日の朝、家族が別れを告げにいったところ、アンドレス・バンダさんは簡単な命令に応答した。医師は、アンドレスさんの状態を映したビデオをみても生命維持を終了する方針だったが、家族は弁護士の支援を受けて生命時を24時間延長し、さらに裁判で家族が選んだ外部の専門家がアンドレスさんを評価する機会が得られるまで、生命維持の3週間の延長が認められた。
Family pleads for 43-year-old father not to be removed from life support at Loma Linda hospital, claiming he’s responsive
https://ktla.com/news/local-news/family-pleads-for-43-year-old-father-not-to-be-removed-from-life-support-at-loma-l

2021/4/30 病院側はケアが苦しみを長引かせていると主張、家族側はテキサスメディケイドプログラムが介入しないことを確認!
 
 クック・チルドレン病院の控訴は、2020年10月にテキサス州最高裁判所が却下、2021年初に米国最高裁判所も却下したので、ティンスリー・ルイスちゃんの生命とケアを保護する一時的な差し止め命令は現在も有効。
 病院は患児のへのケアが苦しみを長引かせていると主張。母親はティンスリー・ルイスちゃんの状態は改善している、作業療法を受けており、ほとんどの日は車椅子に座っている。テキサス州内にケアを続ける意欲を示している施設が2つあると主張。
 病院はケアに費用がかかると示唆し、テキサスメディケイドプログラムがこの紛争を問題視すると脅していると主張したが、ティンスリーちゃん側の弁護士は4月30日にメディケイドに連絡し、この件に介入する計画がないことを確認したと宣誓供述書に記載されている。
Cook Children’s Continues Push to Withdraw Care from Tinslee Lewis Despite Improvements
https://thetexan.news/cook-childrens-continues-push-to-withdraw-care-from-tinslee-lewis-despite-improvements/

 

2020/7/15 ティンスリー・ルイスちゃんについて、病院側は脳死ではないことを認めたが、治療しても改善しないと主張。家族側は治療可能と主張して係争中。
Baby Tinslee in Texas may get a second chance thanks to new doctor
https://www.liveaction.org/news/baby-tinslee-texas-second-chance-doctor/?__cf_chl_jschl_tk__=849719cfd67d15c5a8e6e38198a579f78a46e35d-1595025503-0-AbeMsBm9kNBPRsryEgKMeBfmTgamR-Rn9M8ZUhlMy4dUu4SCv9D1yNAfgTbqxhGbF2awTG1T8tLh88HSDXZZgXr69Vy8mOBKE4l8SdNZcJzvyZRfZ0IRqbGgfYrxZM4zsoUqET0SSEUmu-7Gi9SUYROhK68fq5veELLHX1S3zCALpKJ2yNrHLijuXRcmyAQM7k9ynTkf3evLcBdbSqhEzoFDaU_J3XtlL3BP26hTuX307l-q4qVCCrp2QZfwWR-q9A9OetMVQo4MbPn4m3-gOlLJ6kUj82ppVLAkmU_iRsVuIe8u7kaxhjWW_urgyYXmEsqMZIhd476kcuW7A253vr4

 

2020/1/2  米国テキサス州でTinslee Lewisちゃん(11か月女児)が脳死とされ、家族が生命維持を求めて裁判をしていた。1月2日、裁判所は生命維持装置の取り外しを許可したが、母親は控訴の方針だ。
Hospital can remove baby from life support: Texas judge
https://www.ctvnews.ca/world/hospital-can-remove-baby-from-life-support-texas-judge-1.4751061


2021/1/8 英国で昏睡状態のポーランド人について、「水分と栄養の終了は残虐行為、障害者権利条約違反」と国連へ調査要請

 英国の病院に2020年11月6日から入院中の昏睡状態のポーランド人について、英国の裁判所が12月15日に水分補給と栄養を終了するように命じた。この命令は、患者家族が英国の裁判所に訴える意向を示した時、そして患者家族とポーランド政府が欧州人権裁判所に訴えた時の計2回、停止された。

 患者家族は、患者の状態は改善しており最小意識状態にあると主張。しかし欧州人権裁判所が申請を却下し、1月7日に水分と栄養が即座に終了された。
 1月8日、ポーランドの財団Ordo Iuris Institute for Legal Cultureが患者家族に代わって国連障害者権利委員会に書簡を送り、患者の権利が侵害されていることについて調査を要請した。
 障害者権利条約の10条(生存権)、15条(残虐行為の禁止=飢餓を残虐と主張)、22条(尊厳)、25条(障害者の健康維持)に違反していると主張している。

 ポーランドのメディアは、英国の病院は患者から移植用臓器を摘出する予定であると報道している。英国では臓器提供みなし同意法が2020年5月20日に発効しているため。

English hospital wants to harvest comatose Pole’s organs, as legal fight for life goes to UN
A British court had ruled to dehydrate the patient to death, which might be in violation of the UN’s Convention of the Rights of Person with Disabilities.
https://www.lifesitenews.com/news/english-hospital-wants-to-harvest-comatose-poles-organs-as-legal-fight-for-life-goes-to-un?utm_source=top_news&utm_campaign=standard


2020/11/1 カナダの救急医 半数が脳死後の生命維持要請に遭遇、2割が訴訟に発展

 カナダの救急医448人を対象とした調査で166人が回答した。回答者の52%は、過去2年以内に神経学的死後に継続的な臓器支援の要請に遭遇した。要求に対する一般的な回答には、追加の医師との相談(54%)、精神的サービスとの相談(41%)、および神経学的死の受け入れのための1〜3日の遅延(49%)が含まれた。報告された症例の24%(12/50)は正式な紛争解決に進み、報告された症例の18%(9/50)は正式な訴訟に進んだ。

 Table 5  Comparison of perceived reasons for family requests for continued organ support following NDD(神経学的死後の継続的な臓器支援を求める家族の要求の認識された理由の比較)」において
・奇跡や死をまったく受け入れられないことへの欲求 64%
・神経学的基準によって死を確立するために使用されるテストの妥当性に対する不信 6%
・医療制度への不信   2%
・死を決定するための神経学的基準の概念に対する宗教的異議 22%
 と掲載されている。

Requests for somatic support after neurologic death determination: Canadian physician experiences
https://link.springer.com/article/10.1007/s12630-020-01852-9

 


2020/10/2 脳死とされた男児の足をくすぐったら反応、裁判で医療提供と移送を認めさせ、10月2日から自宅療養

 米国テキサス州で8月24日、母子3人が自動車で運河に転落し、このうちジャンカルロ・ゲレーロさん(6歳男児)は2日目に脳死になったとされ、家族が別れの準備をしていたところ、母親がジャンカルロさんのつま先が動くのを見て、彼の足をくすぐったところ、つま先をゆっくりと振り回した。
ATV accident injures 6-year-old boy, family trying to raise money to get a second opinion
https://www.valleycentral.com/news/atv-accident-injures-6-year-old-boy-family-trying-to-raise-money-to-find-a-second-opinion/

 別の病院に移送しようとしたが病院側に拒否されたため、9月10日に訴訟を起こした。公聴会の間、現在入院している病院は9月25日まで医療援助を提供することに同意、ただし14日間のうちに心不全または呼吸不全に陥った場合は蘇生しないとした。病院側は、子供の母親が非蘇生対応に同意するならば別の病院への移送を拒否しないと主張。これらに双方が同意し、残りの問題は法定外で解決することに同意した。
Court requires DHR to medically assist boy they ruled braindead
https://www.wrbl.com/news/national/court-requires-dhr-to-medically-assist-boy-they-ruled-braindead/

 

 10月2日から自宅療養を開始したが、10月3日の深夜に亡くなった。
6-year-old dies from ATV accident injuries, family says “they’re thankful for so much love”
https://www.valleycentral.com/news/local-news/6-year-old-dies-from-atv-accident-injuries-family-says-theyre-thankful-for-so-much-love/


2020/9/21 脳死を宣告された女性のリビングウィルは生命維持!代理人が死亡の取り消しと治療継続を求めて訴訟、却下され死去。

 2020年9月17日にシャロン・フレデリックさん(63歳女性)が脳卒中でニューヨーク州のセントエリザベス医療センターに入院し、4日後に医師が脳死を宣告し死亡証明書を提出した。
 フレデリックさんは医療上の決定を下すことができない場合に、彼女に代わって行動してもらうために2人の友人を任命していた。その友人のキャロル・トーマスさんとジーナ・アントネッリさんは、死亡証明書を無効にしようと病院に治療継続を要求する訴訟を起こした。フレデリックさんのローマ・カトリック信仰と生命維持への信念を表明したリビングウィルに言及した。また入院後5日間、セントエリザベス医療センターが基本的な栄養を提供しなかったと非難した。
 ニューヨーク州裁判所と連邦裁判所はフレデリックさんの友人の要求を却下し、セントエリザベス医療センターに人工呼吸の停止を許可した。フレデリックさんは2020年9月21日に死去。
When the Line Between Life and Death Is ‘a Little Bit Fuzzy’
https://undark.org/2021/05/10/when-the-line-between-life-and-death-is-a-little-bit-fuzzy/


2020/5/28 キャンベラ病院は「脳死で妊娠20週だから胎児は生存不可能」と主張。生命維持を求めて訴訟中の男性に「訴訟を撤回し臓器提供に干渉しないなら、最後の1時間訪問することが許可される」と通告。
 
 交通事故によりKhayla Renoさん(29歳)と2人の子供が受傷した。子供1人は死亡、もう一人の子供も重体。Khayla Renoさんについて、5月18日にキャンベラ病院の医師は、脳死に進行している可能性があり胎児(妊娠20週)は生存不可能と告げた。
 胎児の父親のJamie Millardさんは、裁判所に生命維持停止の差し止めを求めたが、裁判所は5月28日にキャンベラ病院の決定を覆す管轄権を持たないと結論。妊娠20週のRenoさんの生命維持は、その日の遅くに停止された。
 臓器提供については、病院側弁護士がMillardさんに、訴訟を撤回し臓器提供計画に干渉しないことに同意した場合に、Renoさんを最後の1時間訪問することが許可されるだろうと通告。MillardさんはRenoさんが臓器提供を望まないと信じており、臓器提供は行われなかった。
https://www.abc.net.au/news/2020-05-28/canberra-hospital-life-support-switched-off-for-pregnant-woman/12296196
 
 9NEWSの記事https://www.9news.com.au/national/tumut-crash-court-rejects-bid-to-keep-pregnant-woman-on-life-support/f2dd5414-0a61-42df-b7a5-e8fc61d366e9 によると、胎児は23週から生存可能と見なされるという。Millardさんはアボリジニの考えで臓器提供を望まなかったが、Renoさんの父親によると臓器提供への反対を表明したことはないという。Renoさんの生命維持が停止される前に、病院側がMillardさんに最後の面会を許可した。
 

2020/2/26 ミドラ・アリちゃんの人工呼吸が停止され死亡、父親は検視官に調査を依頼
 
 ミドラ・アリちゃんの人工呼吸が2020年2月26日、午後4時46分に停止され亡くなった。
https://www.catholicnewsagency.com/news/infant-boy-removed-from-ventilator-after-controversial-brain-stem-death-ruling-53497
 父親は検視官に調査を求めている。以下のiTVニュースには2分34秒の動画があり、父親がインタビューに応えている。

 

2020/2/14 イギリス・マンチェスターで脳幹死とされたミドラ・アリちゃんの生命維持が争われていた裁判で2月14日、控訴裁判所は生命維持を停止できるとの判決を下した。両親は控訴する意向だ。下記URLのTHE SUNの記事によると、両親側の「4ヵ月以上生存しているから脳幹は機能している」「割礼の際に目を開いた」との主張に、病院側は「脳幹死で数カ月の心拍継続例がある」「開眼は不随意の神経反応」と応答した。
FIGHT FOR LIFE 
Parents’ agony as Court of Appeal rules brain-damaged baby son’s life support will be turned off against their wishes
https://www.thesun.co.uk/news/10962519/parents-agony-midrar-ali-court-of-appeal-life-support-off/

 

2020/1/28 脳死とされたMidrar Aliちゃんについて、裁判所は生命維持を停止すべきと判決
Judge rules brain-damaged three-month-old boy's life support should be turned off despite parents' desperate pleas
https://www.dailymail.co.uk/news/article-7938015/Judge-rules-brain-damaged-three-month-old-Midrar-Alis-life-support-off.html

 

2020/1/15 英国マンチェスターのSt Mary's Hospital において、出産時に低酸素脳症となった現在3カ月のMidrar Aliちゃんは脳死とされ、病院側は生命維持の終了がMidrar Aliちゃんにとって最善の利益と主張、父親のKarwan Aliさん(35歳)と母親のShokhan Aliさん(28歳)は、治療継続を求めて裁判をしている。
Midrar Ali: Legal battle child 'is brain dead', doctors say

https://www.bbc.com/news/uk-england-manchester-51125929


2020/1/24 生命維持裁判で和解のタイタス・クローマーさん、リハビリテーション施設に移送後に死亡

 米国ミシガン州のタイタス・クローマーさんは、脳死とされ生命維持が裁判で争われた結果、和解して1月20日にリハビリテーション施設に移送されたが、1月24日に亡くなった。
Titus Cromer, teen at center of life support legal battle, dies at age 16
https://www.freep.com/story/news/local/michigan/2020/01/27/titus-cromer-teen-center-life-support-legal-battle-dies/4585298002/

 

2020/1/20 米国ミシガン州で2019年10月に脳死とされたタイタス・クローマーさん(16歳)、家族が生命維持を求めて裁判をして、生命を維持し気管切開と胃ろう造設が行われて長期介護施設に移送できるようにすることで和解に達し、1月20日にミシガン州中部のリハビリテーション施設に移送された。
Teen Beaumont declared brain dead moved to rehab facility
https://www.michiganradio.org/post/teen-beaumont-declared-brain-dead-moved-rehab-facility


2020/1/22 イェールニューヘブン病院で脳死とされた10歳女児、昏睡から覚め普通に生活している
 米国コネチカット州ニューヘブンで、10歳の娘に薬物メタドンを混ぜた飲料を与えて脳損傷を起こした母親に50カ月の刑が宣告された。娘が入院したYale New Haven Hospitalで、父親は「酸素不足による脳損傷で脳死、もし昏睡から覚めたら生活の質がない」と告げられたが、娘は昏睡から覚め、普通に生活している。
New Haven mother gets prison for giving child methadone that caused brain injury
https://www.nhregister.com/news/article/New-Haven-mother-gets-prison-for-giving-child-14996447.php


2020/1/22 インドで新しいガイドライン、脳幹死の判定前に近親者に説明、判定後は治療終了、生命維持は停止
 インド政府は脳死宣告の新しいガイドラインを承認した。医師は、無呼吸検査を含む脳幹死検査が脳幹死診断の確認のために検討されている患者の病状と予後について、近親者と会話する必要がある。脳幹死と判定されると患者家族の同意なく死亡が宣告され生命維持装置が停止される。
New guidelines for brain death certification
https://timesofindia.indiatimes.com/city/thiruvananthapuram/thiruvananthapuram-new-guidelines-for-brain-death-certification/articleshow/73522984.cms


2020/1/16 アーライン・レスターさん、生命維持装置が取り外され死亡
 人工呼吸と人工栄養で生きているロングアイランドの91歳のアーライン・レスターさんの生命維持について兄弟間で裁判が行われていたが、1月16日に生命維持装置が取り外され死亡した。
91-year-old who wanted to ‘stay alive’ dies after being removed from life-support

https://www.lifesitenews.com/news/91-year-old-who-wanted-to-stay-alive-dies-after-being-removed-from-life-support

2020/1/6 意思疎通可能な母親を植物状態と見なし?29年前のリビングウィル実行について レスター兄弟間で裁判
 人工呼吸と人工栄養で生きている91歳の母親アーライン・レスターさんの生命維持について、兄弟間(エドワード・レスター対カイル・レスター)の裁判が1月6日に始まった。
 母親は1991年に「植物状態または脳死で寝たきりならプラグを抜く=生命維持を終了してよい」というリビングウィルを書いた。エドワードによると、母親は11月にエドワードに委任状を作り、リビングウィルを取り消す意志を紙に17回書いた。下記のURLで2分23秒の動画ニュースを視聴できる。息子の「まだ生きたい?」の問いに、うなづいた。
Brothers battle over whether to keep mom on ventilator, feeding tube alive
http://longisland.news12.com/story/41526009/brothers-battle-over-whether-to-keep-mom-on-ventilator-feeding-tube-alive


2020/1/9 英国で脳幹死とされた5歳女児、イタリアの小児病院で回復、自発呼吸で3時間生活可能
 英国で脳幹死とされ生命時装置の停止が予定され、裁判でイタリア・ジェノバのガスリニ小児病院に移送が許可されたタフィダ・ラキープちゃん(5歳)が、3ヵ月後の現在は人工呼吸器からの離脱が1日3時間可能で、バギーに載せて外出もしている。将来は在宅生活を目指している。
LITTLE FIGHTER 
Tafida Raqeeb, 5, out of intensive care three months after Brit doctors said she must be allowed to die
https://www.thesun.co.uk/news/10702224/tafida-raqeeb-prove-brit-doctors-wrong/


2020/1/8 家族に患者の死亡を伝えたが心臓が再び拍動、10時間後に心静止、ルイジアナ州立大病院
 2020年1月8日付発行の「Trauma case reports.」25巻に“Lazarus phenomenon in trauma”が掲載され、全文が
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2352644020300042?via%3Dihubで公開されている。
 ルイジアナ州立大学救急医学部からの症例報告=交通事故に遭った79歳女性の救急蘇生を断念、家族に患者の死亡を伝えた。しかし蘇生断念から9分後に看護師が患者の呼吸に気付き心拍が毎分132、血圧142/79 mmHg、10分後に心拍が毎分100、100/53mmHg。輸血などしたが10時間後に心静止した。


2020/1/3 脳死で人工呼吸を停止された女性、昏睡7か月後に意識回復、現在は家庭で普通に生活、米国オハイオ州
 オハイオ州のカーティシャ・ブラブソンさん(31歳女性)は2018年9月に抗NMDA受容体脳炎を発症。脳死とされ人工呼吸を停止されが生き続け、昏睡状態が7カ月間続いた後に2019年4月7日に目を開け指示に従い、現在は家庭で普通に生活している。以下の記事URLで4分23秒のニュース動画を視聴できる。
Ohio woman wakes up from 7-month coma after family was told to 'pull the plug'
https://www.10tv.com/article/ohio-woman-wakes-7-month-coma-after-family-was-told-pull-plug-2020-jan


 


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