臓器移植法を問い直す市民ネットワーク

「脳死」は人の死ではありません。「脳死」からの臓器摘出に反対します。臓器移植以外の医療の研究・確立を求めます。

正会員限定の学会緊急企画開催についての公開質問状

2019-06-30 07:03:11 | 声明・要望・質問・申し入れ
正会員限定の学会緊急企画開催についての公開質問状

2019年6月20日

一般社団法人日本透析医学会
      理事長 中元秀友殿

                 
                        東京都新宿区西早稲田1‐9‐19‐207
                            日本消費者連盟気付
                   臓器移植法を問い直す市民ネットワーク
                           


 貴学会は、6月28日~30日に開催される<第64回日本透析医学会学術集会・総会>において、学会緊急企画「3月7日新聞報道に対する日本透析医学会の見解と対応」をプログラムしている旨、ホームページで公開しています。
 この緊急企画は、「日本透析医学会の会員の皆さんにこれまでの経過を報告するために企画したもの」で、参加は「本学会の正会員限定」とし、かつ「混乱を避けるため、会場での質疑応答はありません」としています。
 発表される「福生病院に関する報道の経緯と日本透析医学会の対応」「調査委員会報告」「透析中断・非導入報道に関する日本透析医学会倫理委員会の見解と対応」「“人生の最終段階における維持透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについてのガイドライン(案)委員会”による提言改訂の方向性」等については、公立福生病院事件が社会問題になっている折から、患者・家族はもとより、医療福祉に携わる職員など、多くの関係者、市民が大きな関心を寄せています。透析患者の中には、「医療費がかかるから」「家族や社会に迷惑をかけるから」と治療中止の選択を迫られるのではないかと動揺する患者もいます。この問題に対する「学会ステートメント」を公表した貴学会は、それに対する説明責任があると思います。 
 しかも、この「緊急企画」は正会員限定、マスコミを排除して取材にも応じない閉鎖性や、参加会員の質問も受け付けない等、学術団体の取るべき姿勢とは思えません。開かれた学術団体として、社会的にも問題になっている事柄について、このやり方は余りに非民主的であり、“黙って学会理事会に従え”と言わんばかりの暴挙と言っても過言ではないでしょう。ことは生命にかかわる問題です。学術団体として、疑問や質問に答え、取材にも応じる開かれた企画として行って頂きたいと思います。
 以上から、以下の3点について回答頂けるよう質問いたします。
1、従来から貴学会はこのような制限をされてきたのでしょうか。
2、正会員以外のすべての人(患者やマスコミ)を排除する理由をお答えください。
3、会員の質疑応答を受け付けない理由をお答えください。
 回答を、当ネットワークe-mailアドレスまでお返事を頂けますようお願いいたします。                                 

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「日本透析医学会ステートメント」に対する公開質問状、同学会からの回答

2019-06-20 21:24:35 | 声明・要望・質問・申し入れ
「日本透析医学会ステートメント」に対する公開質問状

 
2019年6月15日

一般社団法人日本透析医学会
 理 事 長      中元 秀友殿
 調査委員会委員長   土谷 健 殿
 拡大倫理委員会委員長 倉賀野隆裕殿

             大阪市北区西天満1-9-13 パークビル中之島501号 
                            冠木克彦法律事務所気付
                        公立福生病院事件を考える連絡会

                                  
 2019年6月6日、私達諸団体、個人は、2019年3月7日に新聞報道された2018年8月16日透析中止による患者(44才)の死亡について、深い憂慮を表し、衆議院議員会館に集い、「公立福生病院事件を考える連絡会」を結成するとともに、同死亡事件に関し、2019年5月31日付で発表された一般社団法人日本透析医学会ステートメントに対し、以下の内容の質問状をお送りします。
 貴学会は、同ステートメントを発表する立ち位置として、「あくまでも多様な価値観をもつ全ての患者さんに対して『最良の医療とケアを提供するために学術研究団体として最善の努力をすること』にあると宣言されているところ、同ステートメントで発表された「調査委員会調査および結果報告」及び「拡大倫理委員会の見解」には、上記立ち位置に反する内容が記載されていると疑わざるをえないため、以下のとおり質問いたします。なお、対象は上記死亡事故に限定します。


1.調査委員会調査及び結果報告
(1) 「持続的な体外循環が不可能と判断され、この経緯を踏まえて、一連の透析終了の状況に至った事案ではないかと考えました。」について
   a.「調査」及び「結果」報告とされているにもかかわらず、「不可能と判断され」「透析終了の状況に至った事案」と書かれている内容は、誰の判断を書いていますか。
     公立福生病院の判断であればそのように記載すべきであるし、主語を明示しないのであれば貴学会の判断と解釈せざるをえませんが、それでよろしいか。
   b.「体外循環が不可能」と判断されていますが、当該患者に対するカテーテル挿入による透析は可能であり、医師から提案もされています。
     当該患者がそれを拒否した場合、通常の透析医療機関ではねばり強く約1時間以上もかけて透析するよう説得しますが、公立福生病院ではそのような説得はなされていませんが、その点を検討せずに「不可能」と判断されたのですか。その根拠を明らかにして下さい。
(2) 「透析終了の実際の過程で、意思確認の方法-(中略)-調査しました」と書かれていますが、調査の結果はなぜ書かれていないのですか。
   公立福生病院入院後に、これまで患者遺族側からは患者本人が「透析再開」を病院側に訴えたと言っていますが、調査の結果はどうでしたか。

2.拡大倫理委員会の見解
(1) 本件福生病院の事例は、「終末期の症例とは判断できないことから、今回はあえて議論をしないこととした」となっています。
   今回の事例は、貴学会のガイドラインに規定されていない事例ですから、一見明白にガイドラインに違反していると誰でも判断できますが、なぜ「議論」すらしなかったのですか。
(2) 「本症例では患者さんの血液透析終了の意思は固く、透析終了の真摯な意思は明らかであったとのことです」という「見解」を述べておられますが、この「明らかであった」と判断している人は誰ですか。
   ここに主語がありませんので、ステートメントを発言している人が判断したと解釈せざるをえませんが、それでよろしいか。
   「明らかであった」という判断のときに、患者本人は明確に「透析離脱を撤回できるならしたい」と訴えた事実をご存知でしたか。
   「透析終了の意思は明らか」と判断した理由についてお答え下さい。
 以上、貴学会は「自らは判断者でない」などと無責任な予防線をはりながら、上記のように明確に重要な諸点について判断をしています。貴学会は「最良の医療とケアを提供するために学術研究団体として最善の努力をする」と宣言していますから、必ず、これら質問にお答え下さい。
 本書到達後2週間以内に必ずご回答下さい。

以上



 2019年6月17日

公立福生病院事件を考える連絡会 御中


一般社団法人日本透析医学会
理事長         中元 秀友
調査委員会 委員長   土谷  健
拡大倫理委員会 委員長 倉賀野隆裕

 「日本透析医学会ステートメント」に対する質問について(回答)

冠省 貴会より、2019年6月15日付け「公開質問状」を頂戴いたしましたが、本学会としましては、現時点では先に発表したステートメント以上の意見はなく、特定事件に対してそれ以上に意見表明すべき立場にございませんので、回答はご容赦ください。いただきました意見は今後の学会の議論に際して、参考にさせて頂きます。
 ご意見、ありがとうございました。
草々
 
 

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