臓器移植法を問い直す市民ネットワーク

「脳死」は人の死ではありません。「脳死」からの臓器摘出に反対します。臓器移植以外の医療の研究・確立を求めます。

第20回市民講座 【座談会】 教育現場で語られる脳死と臓器移植 ~中学・高校の教員を招いて~ 2024年6月23日(日)

2024-06-13 22:34:11 | 活動予定

第20回市民講座「座談会」 
座談会】 教育現場で語られる脳死と臓器移植
~中学・高校の教員を招いて~

 

日時:2024年6月23日(日)午後2時~4時40分 
会場:江東区亀戸文化センター(カメリアプラザ)5階 第1・第2研修室 
開催方法:会場&オンライン(zoom)申込者への事後配信あり 
資料代:500円 
参加申し込み:会場参加の方は、直接、会場にお越しください。資料代は会場でお支払いください。
       オンライン参加の方は、下記の申し込みフォームより申込みの上、フォーム記載の口座に資料代の振り込みをお願いします。
       第20回市民講座:申し込みフォーム (google.com)

主催:臓器移植法を問い直す市民ネットワーク    

 

発題 
福田将之さん(中学校・社会科) 
橋爪悠祐さん(中学校高等学校・社会科) 
小宮山裕輔さん(高等学校・理科) 

 厚労省は2022年8月に臓器移植法施行規則(ガイドライン)を改訂して、臓器提供者の拡大政策を強力に推し進めています。特に若年層をターゲットにした普及啓発では、小学校・中学校・高等学校で「臓器提供を誇りに思う気持ちを醸成する教育」を行うとしています。これは「臓器提供は任意でなければならない」と規定した臓器移植法の理念に反するものです。 
 前回の市民講座では、生まれてすぐに脳死に近い状態と診断された帆花さん(現在16歳)のお母さんにお話ししていただきました。多くの方と支え合う帆花さんのいのちの営みを感じ、心にしみるお話でした。臓器提供の普及啓発教育は、“臓器提供の選択肢を提示する”とされている重度脳不全患者のいのちと生活を伝えようとしていません。いじめや登校拒否、虐待、貧困、ヤングケアラー問題…、生きづらさを抱える子どもたちのことが社会問題になっている現状で、「いのちを大切にする教育の一環としてとりあげられる臓器移植」とは何でしょう? 
 今回の市民講座では、中学・高校で教鞭をとっている現役の教員の方をお招きして座談会を行います。「脳死や臓器移植」がどのように取り上げられ、子どもたちはどんな意識を持っているのか?現場から報告していただきます。 
 初めての企画です。ともに議論をしたいと思います。皆様のご参加お待ちいたします。 

 

 

発題者からのメッセージ 

 

福田将之さん 「脳死をめぐる問題と『人間の死』」 
 
 八王子市立ひよどり山中学校で社会科を担当しています福田将之です。公立学校教員は今年度で5年目で、それまでは東京外国語大学大学院に長いこと所属していました。私からは、中学校社会科というフィールドでどのように「脳死」がとり上げられているのか(授業としてどんなアプローチが出来るのか)、また義務教育学校での「道徳」の授業において、「脳死」をめぐる問題、さらに「人間の死」はどのような現象として捉えてられているのか、まとめてご報告できればと思っています。 

 

橋爪悠祐さん 「脳死と臓器移植から考える『命の選別』」 
 
 埼玉県飯能市にある中高一貫校の自由の森学園で社会科教員をしている橋爪悠祐と申します。今年で8年目に入り、現在は中学1年生の担任をしています。これまで中学三年生の「公民」、高校三年生の「現代社会」の授業で生徒と共に脳死状態と臓器移植について考えてきました。かつてナチスの優生思想の根底にあった「命の選別」を大きなテーマとして、相模原障害者施設殺傷事件や安楽死制度、そして脳死と臓器移植を学び、“命”や“社会の在り方”を考えることを目指した授業実践を報告すると共に「命の選別」という観点で脳死と臓器移植についてみなさんと考えてみたいと思っています。 

 

小宮山裕輔さん 「教育現場で扱われる『脳死』とは」 
 
 東京の世田谷区にある私立の大東学園高校で、理科教員の小宮山裕輔と申します。当日は、以下の3点について紹介したいと思っています。①高校の教科書で「脳死」がどのように取り扱われているのか。②15年以上の教員経験の中で、周りの高校教員の「脳死」に関する意識がどのようなものであったか。③生物や総合の授業で「脳死」をとりあげて授業もしてきましたので、その授業と生徒の反応がどんなものであったか。高校のカリキュラムの中で「脳死」は、2022年度まで社会科の「現代社会」のトピックスの扱いであったのが、2023年度から理科の「生物基礎」の単元に変わりました。これが意味することは何なのか、みなさんと考えてみたいと思っています。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第19回市民講座(2024年2月3日)のご案内

2023-12-23 04:09:13 | 活動予定

第19回市民講座


◆講演 西村理佐(にしむら りさ)さん

(生後すぐに「脳死に近い」と宣告された帆花ちゃんの母/一般社団法人ケアの方舟設立者)

「わたしはここにいます」

~“超重症児”のわたしらしい生き方の実現のために~

 

 

 2022 年に公開されたドキュメンタリー映画『帆花』(監督:國友勇吾)をご覧になりましたか。
 生後すぐに「脳死に近い状態」と宣告された帆花ちゃん。この映画は 3 歳~小学校入学前までの帆花ちゃんと両親の日常を伝えた映像作品です。
 現在 16 歳、髙校生になった帆花さん。言葉を発することも口から食べることもない 24 時間ケアを必要とする超重症児ですが、柔らかく温かいぬくもりと息づかい、帆花さんの存在が周りの人に「いのち」の営みの大切さを教えてくれます。学校では友達と遊園地や水族館にも出かける経験も。そんな16年間の生活、成長、悩み、社会への発信など、帆花さんの母・西村理佐さんが語ってくれます。
 「長期脳死」と言われる状態とは?同じ社会に生きる私たちに問われることは?共に考えましょう。

 

講演概要(西村理佐さんより)

「わたしはここにいます」~“超重症児”のわたしらしい生き方の実現のために~

 生後すぐに「脳死に近い状態」と宣告された娘、帆花。さまざまな医療的ケアをマスターし帆花との在宅生活を開始して間もなく改正臓器移植法が成立。我が子をどう受け止め、どのように育てていくのか、この子の人生とはいのちとは……。「超重症児」にカテゴライズされた娘は医療に管理され、障害福祉サービスにあてはめた生き方しか選ぶことができないのか。苦悩する母をよそに、たくさんの人と関わり合いながら逞しく成長する姿に学ばされてきた16年。心身共に健やかに成長していく帆花の“思い”を汲みとろうと、支援者と共に彼女の考える“わたしらしい生き方”を探る日々。「わたしはここにいます」という帆花の声にならない声に耳を傾けてください。

 

◆日時 2024年2月3日(土)14時~16時45分(13時30分開場)
◆会場 江東区亀戸文化センター(カメリアプラザ)第1第2研修室(5F)
◆アクセス JR総武線亀戸駅北口下車3分https://www.kcf.or.jp/kameido/access/
◆会場参加の方は直接お越し下さい。
 オンライン参加の方はメールでの申込みをお願いします。申込者への事後配信あり
 申込みアドレスは主催の臓器移植法を問い直す市民ネットワーク連絡先e-mail:abdcnetの後に@gmail.comをつけて送信願います(迷惑メール対策のため変則表記)。  
◆資料代:500円
オンライン(zoom)の方はメールで申込みの上、以下の口座に資料代の振り込みをお願いします。
郵便振替口座 記号:00110-6 番号:466422 加入者名:臓器移植法を問い直す市民ネットワーク 

***********************************

映画『帆花』配信情報(現在、以下の4媒体で配信サービス中)

*アマゾンプライム https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0CHMKJH47/ref=atv_dp_share_cu_r

*GooglePlay https://play.google.com/store/movies/details?id=w8qyYyIZ7fM.P

*FOD https://fod.fujitv.co.jp/title/90jj/

*YouTube https://www.youtube.com/watch?v=x8LyMd70MR4

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第18 回市民講座のご案内(2023年5月14日)

2023-04-09 09:46:08 | 活動予定

第18回市民講座 


講演 香川 知晶(かがわ ちあき)さん

(山梨大学名誉教授 日本学術会議連携会員 日本生命倫理学会会長 哲学/生命倫理学)

 

≪命は誰のものか≫

 

日時: 2023年5月14日(日) 14 時~16 時 45 分(開場 13 時 30 分)
会場: カメリアプラザ(亀戸文化センター)第2研修室(5F)
交通:JR 総武線亀戸駅北口より徒歩2分https://www.kcf.or.jp/kameido/access/

会場とオンライン(zoom)を併用して開催します。
オンライン参加をご希望の方は右記のフォ-ムから申し込んで下さい。https://forms.gle/XKBmD5CTdtTZCL149
またはメールでの申し込みはabdcnetの後に@gmail.comをつけて送信願います(迷惑メール対策のため変則表記)。 

資料代:500円
【ゆうちょ銀行からの振込】記号001106 番号466422  名義:臓器移植法を問い直す市民ネットワーク
【他銀行からの振込】ゆうちょ銀行 店名〇一九(ゼロイチキュウ) 当座預金  番号0466422
*オンライン参加の方は上記口座に振り込みをお願いします。会場参加の方は会場で資料代をお支払い下さい。
*会場参加は30人まで、オンライン参加は80人まで。本講座は収録し、後日、資料代をお支払いの方限定で配信します。

主催:臓器移植法を問い直す市民ネットワーク

 改定・臓器移植法が施行されて10年余が経過し、厚労省や移植医は臓器適出対象を拡大するための施策を次々に出しています。子どもの「知的障害者」を臓器提供対象とする、臓器提供に誇りを持つ教育(重症患者の命を軽視し、命の線引きを当然視する)を行う、心停止ドナーにエクモを装着し血液を循環させて臓器を摘出する、脳死者が出たら国に報告する義務を病院に課す法律の制定を画策・・・などが進められています。
 私たちは「いのちの選別」に反対してきました。臓器移植は他人のいのちの犠牲の上に成り立つ医療です。ではこの 3 年間のコロナ禍でいのちはどのように扱われたでしょうか。
 今回の講座では、日本生命倫理学会会長の香川知晶さんをお招きして、コロナ禍で提案されたトリアージや厚労省が進める ACP(アドバンス・ケア・プランニング)についても考えてみたいと思います。

 

■講師・香川知晶(かがわちあき)さんのプロフィール
 1951 年、北海道生まれ。筑波大学大学院博士課程修了。現在、山梨大学名誉教授・大学院医学研究員、日本学術会議連携会員、日本生命倫理学会会長。専門はフランス哲学・生命倫理学。
最近の著訳書としては『命は誰のものか 改訂増補版』(単著、2021、ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『人のゲノム編集をめぐる倫理規範の構築を目指して』(共編著、2022、知泉書館)、アドリアン・バイエ『デカルトの生涯 校訂完訳版』上下 2 巻(共訳書、2022、工作舎)、『「人間の尊厳」とは―コロナ危機を経て―』(共著、2023、日本学術協力財団)、『コロナ・トリアージ 資料と解説』(共著、2023、知泉書館)。

 

■講演概要(講師の香川知晶さんより)
 Covid-19 によるパンデミックは医療をめぐる社会的差別を一挙に顕在化させることになりました。その差別は以前から根強くあったもので、高齢者や障害者は命を助けられなくても「仕方がない」という空気を醸し出しています。パンデミックの初期に活発に議論されたトリアージをめぐる議論を見ても、そのことは分ります。現在、この「仕方がない」という空気は「お金がない」という経済的な理由とともに、患者本人の意思を根拠とする体裁をとって肯定され、抗いがたい力をもって人々を支配しているように見えます。その点は「人生会議」という日本版 ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の展開にも見て取れます。ここでは、映画「PLAN 75」(早川千絵監督)のデストピア的な近未来がリアリティをもつような、そうした日本の現状を改めて考えてみようと思います。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画:生まれてきてくれて、ありがとう 帆花(ほのか)

2022-01-06 23:57:36 | 活動予定

 

生後すぐに「脳死に近い状態」と宣告された帆花ちゃん。 母親の理佐さん、父親の秀勝さんと過ごす家族の時間にカメラは寄り添う。

 

生まれてきてくれて、ありがとう


  (ほのか)

 

監督・撮影:國友勇吾

ポレポレ東中野ほかで2022年1月2日より全国順次公開
http://honoka-film.com/


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第17回市民講座のご案内(2021年11月6日)

2021-10-17 18:41:28 | 活動予定

zoomセミナー 第17回市民講座のご案内


 臓器移植法を問い直す市民ネットワークでは、2012年6月より市民講座を開催してきました。本年は市民講座を始めて10年目になります。
 今回の市民講座には、講師に児玉真美さんをお迎えします。児玉さんは当ネットワークの記念すべき第1回市民講座で講師を務めて下さいました。私たちが児玉さんを知ったのは彼女のブログ『アシュリー事件から生命倫理を考える』でした。そこには「安楽死・尊厳死・無益な治療論」をめぐる英語圏のニュースの数々が翻訳されて紹介されていました。臓器移植先進国と言われる国々で何が進行しているのか!そのブログから私たちは驚くべき事実を知ることが出来たのです。
 この10年、日本でも命の線引きと切り捨ての実態は加速的に進行しています。10年間で引き起こされた様々な事件や医療現場での実態、臓器移植とのつながりについてもお話しして頂きます。
多くの方のご参加をお待ちいたします。

  

■日時:2021年11月6日(土)14時~16時30分
■講師:児玉真美さん(フリーライター)
講演タイトル
 加速していく命の線引きと切り捨て――安楽死・「無益な治療」論・臓器移植のつながり 

児玉真美さん【講師プロフィール】1956年生まれ。広島県在住。フリーライター。一般社団法人日本ケアラー連盟代表理事。1987年生まれの長女に重症心身障害がある。単著に『アシュリー事件―メディカル・コントロールと新・優生思想の時代』(生活書院)、『死の自己決定権のゆくえ―尊厳死・「無益な治療」論・臓器移植』(大月書店)、『殺す親 殺させられる親―重い障害のある人の親の立場で考える尊厳死・意思決定・地域移行』(生活書院)、『私たちはふつうに老いることができない 高齢化する障害者家族』(大月書店)など。共著に『〈反延命〉主義の時代―安楽死・透析中止・トリアージ』(現代書館)、『見捨てられる〈いのち〉を考えるー京都ALS嘱託殺人事件と人工呼吸器トリアージから』(晶文社 2021年10月下旬刊行予定)。  


●参加申し込み(今回の市民講座は無料です)
 お名前、所属、e-mailアドレスをメールにてご連絡下さい。メールはabdcnetの後に@gmail.comをつけて送信願います(迷惑メール対策のため変則表記)。

〆切は2021年11月4日(木)、定員100名まで先着順

 

◎児玉真美さん講演概要
 第1回市民講座(2012年6月)では、世界の議論や出来事を紹介しながら、安楽死、「無益な治療」論と臓器移植をめぐる議論は一つの流れになろうとしている、とお話ししました。あれから10年――。この間、3つの議論はそれぞれに広がりながら相互の繋がりを深め、命の選別と切り捨てを加速させてきました。日本でも衝撃的な事件が起こり、「死ぬ権利」を求める声が高まっています。10年という年月を意識しつつ、安楽死、「無益な治療」論、臓器移植という3つのテーマに沿って、そこで何が起こってきたのかを振り返り、今の時代がどこへ向かおうとしているのか、現実を見据えて考えたいと思います。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする