アンジョルラスが好き

おもにAaron Tveitについて
彼に興味が無ければつまらないです。
コメント欄が面白いので読んで下さいね。

リラの恋・月下の告白 1

2013-11-14 | 妄想のアーロン

アンジョルラスに恋する乙女リラ
コンブフェールはアンジョルラスも彼女を好きだって言います。
「アンジョルラスは今夜はひとりでカフェミュザンにいるよ。」

「お月さましか見てるものは、いないよ」

今さらですが、これと、これの続きです。

階段を登りきったドアの前で、リラは戸惑っていました。
どうしても入る勇気が出ません。
中からは、コトリとも音がしません。
アンジョルラスは眠っているのでしょうか?

美しい月の夜です。
窓から見える風景は、昼間と違い、夢のように幻想的です。
しばらく外を見ているうちに、リラは本当に自分が夢の中にいるような気持ちになってきました。

リラは大人しい娘です。皆からは、物静かで優しい娘だと思われていました。
けれど、その大人しさは気の弱さではありません。

小さいころは、何かを探しては遠くまで出かけ、周りの人を心配させたりしました。
物語を読んでは、空想をめぐらしたり、歌を歌っては、その美しさに涙を流す、
そんな感じやすい、どこか夢をみているような少女でした。

アンジョルラスも別の意味で、何か遠くを見ている少年でした。
小さなリラが、自分の話を熱心に聞き、そして不思議な質問を返してくるのを
実は、とても楽しみにしていました。

アンジョルラスには、常に勉強が待っていましたし、リラも少し大きくなると
母の仕事を手伝うようになっていたので、ふたりで過ごせる時間はそんなにはありません。

しかし、アンジョルラスは、不思議なくらいリラが好きで、時間ができると
図鑑や地図でいろいろな物事を説明したり、本を読んでくれたりしました。
なかでも一番リラが好きだったのは、美しい伝説やおとぎ話を聞かせてもらう事でした。

そんな昔を思い出しながら、リラはまだ窓から外を眺めていました。
月明かりの中、遠くの寺院の塔が、まるで中世の古城のように見えます。
リラはふと、アンジョルラスから聞いたアーサー王伝説のシャルロットの乙女の話を思い出しました。

アーサー王の居城キャメロット。
その城を臨む川の中州にシャーロットという島がありました。
その島にそびえる高い塔に、呪いをかけられた美しい乙女が閉じ込められていました。
乙女にかけられた呪い、それは決して外を見てはならないというもの。
一度でも外を見れば乙女の命は尽きるのです。

乙女は魔法の鏡越しに外を見て、目に映ったものを機(はた)に織りました。
美しい無数の糸を使い、鏡越しの景色を毎日毎日、機に織り続けました。
美しい花も、川の流れも、さえずる鳥も、乙女にとっては機の模様です。
飽きることもなく、毎日織り続けていました。

そんなある日のこと、彼女の鏡に、見たこともない美しい騎士の姿が映ります。
武勇の誉れ高い湖の騎士ランスロットです。

その騎士のあまりの麗しさに、一目で恋した乙女は、思わず鏡越しではなく
窓から、姿を見つめてしまいました。

その瞬間、鏡は砕け、無数の糸が乙女に絡みつきます。

運命から逃げようと、乙女は塔を降り、川辺で一隻の舟に乗ります。
けれど、波の上で彼女は息耐えました。

亡骸を乗せて、舟はやがてキャメロットの城に流れ着きます。
そこでは、ちょうど王の宴が行われていて、彼女を見たランスロットは
その美しさと哀れさに打たれ、祈りを捧げました。


ねえ、リラ、この話読むの、もう50回目くらいなんだけど この画像、女の子?一応アンジョルラスのつもりで読んで。

いいの、マイブームなんだから! リラも呪いとか、かけられるかな、美人だし。

アンジョルラスを見つめ、アンジョルラスと結ばれるのを夢見る、それはリラに許されることでは
ありません。アンジョルラスへの恋は、シャルロットの乙女がランスロットを追って外に出たが最後
呪いの糸に絡めとられ、鏡に身を刺されたように、リラの身を滅ぼすかもしれません。

「お前が、あの子と結ばれることはないよ」アンジョルラスの母は言いました。

娘のいないアンジョルラスの母は、リラを本当に可愛がっていました。
けれど、捨て子のリラを家に入れることは、できません。
身分違いで、嫁いだ先の親類のものや社交界から冷遇される成金の娘をたくさん見てきました。
リラは、その成金にすら敵いません。財産もないからです。
辛い目にあうリラを、見たくはありません。

リラには、そのうち大人になったら、頭もよく、見た目もいい、優しい若者を
探してやろうと思っていました。そして幸せになって欲しい・・・
リラはまだ子供だから、現実を知らなくて王子様に憧れているのです。

けれど・・・と、母の直感で思います。アンジョルラスはリラに恋をしている。
どんなに美しい娘が近づいてきても、失礼にならない程度にしか答えないアンジョルラス。
なのに、リラのことは、いつも目で追っています。

あと少しで、アンジョルラスはパリに旅立ちます。
若者の恋は、三日離れると燃え上がるけれど、三月離れると消えるものです。
ましてや、四年も離れていたら・・・
その間に、リラも嫁ぐかもしれません。

ほら、ちゃんと前を閉めて。お勉強ちゃんとやるのよ~(18歳?にしては老けてますけど)アンジョルラス、旅立ちの日です。

けれど、その考えが甘かったことは、すぐにわかりました。
アンジョルラスが去ったあとのリラは、まるで魂が抜けたように元気を無くしています。
ぼんやりしているかと思えば、思いつめたような表情で虚空を見つめたりしています。

彼女とか作ったりしてるのかなぁ・・・I do have a girlfriendとか考えただけでむかつくわ

アンジョルラスは4年を過ぎても帰ってこないと連絡してきました。
さらに学ぶことがあるのだそうです。

その日からリラは生きる希望を失ったように、悲しみに沈みました。
食事も喉を通らない様子です。
日に日に元気を無くして行くリラを見て、とうとうアンジョルラスの母は決心します。
リラをパリに行かせよう。

心配しながらも、どうにもできないでいた養父母も、仕方なく、この意見に賛成しました。
リラは、16歳になっていました。

リラには可哀そうだけど、アンジョルラスはリラを恋人にはしないだろう。
アンジョルラスの母は考えました。
恋しいなら、帰郷を伸ばすはずがない。幼い恋は、もう忘れたんだろう。
グリゼットたちと遊ぶようなタイプではないけれど、それなりに恋人もできているに違いない。
それを見たリラは傷つくかもしれないけれど、あきらめて帰ってくるだろう。
幼い恋は、人を夢中にさせるけれど、一度覚めると傷は残らない。
アンジョルラスの母は、そう思ったのです。

リラはひと月で帰る約束で故郷を後にしました。
そして、リラは、その約束を反故にしたのです。

ぼんやり窓の外を眺めていたリラは、ついに扉を開ける決心をしました。
故郷を出てきたのです。アンジョルラスのために。
今、やっと二人になれるのです。このまま帰ったら一生後悔するでしょう


真夜中、静まり返った通りでは
月も思い出を忘れてただ微笑んでいる

街灯の下、枯葉が集まり風はうなる

私は月明かりの下、過ぎた日々を思う
幸せだった日々 美しかった日々
私は忘れない 

夜明けと共に灯りは消えるけれど
古き日々が去っても
陽はまた昇るのよ

朝の光、私はそれを今日も待つの
新しい人生を
あきらめてはいけないわ
だって夜明けが来れば、今夜のことも
また思い出になるのだから

私にふれて
私を置き去りにするのが簡単だとしても
もし私に触れてくれたら
あなたにもわかるわ 幸せというものが

見て、新しい日がはじまるわ


大切にしていた二人だけの思い出、それはリラの胸の中だけのものでしょうか?
コンブフェールが言うように、アンジョルラスの胸の中には、リラへの思いがあふれているのでしょうか?

もしかしたら、もう二度とここへは来れないかも知れない。
深い傷を負って、夜明けの街へ出てゆくのかもしれない。
けれど、それでも・・・

リラは扉に手をかけました。

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32 コメント

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Unknown (yuri)
2013-11-14 00:46:25
>nonomさん
アーロン、よく殴られてますよね。
そして、それがすごくかっこよくて。たまりませんw

あごと、首筋が、すごくセクシーなんですよ。
ややしゃくれた鋭角的なあごと、筋がはっきり出た首筋。

アーロンは男臭くはないけど、女性的なところが全然ないですよね。
無精ひげ生やしたりも、よく似合う。

育ちが良さそうだけど、妙に気が強そう。
目力が強いからかなぁ?

でも、大人しい役も似合うんですよね。
なんか不思議です。

マリウスもやれそうな彼だけに、アンジョルラスをやってくれて
本当に良かった。
レッドメインが、最初、監督からアンジョルラスをやらないかって言われてた
そうだけど、よくぞアーロンにしてくれたと思います。
どういう経緯だったんでしょうね。

ところで、nonomさんも色々、観劇されてますね。
ぜひ、wickedと、next~の感想も聞かせてください。
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Unknown (yuri)
2013-11-14 00:57:27
AZさんも好きなんだね、なぐられるシーン。
殴るシーン、肩で息してるの私も好き。

アンジョルラスは、すごく息を切らしてるよねw

ラミンさまのアンジョルラスって、25周年より、その前のが素敵だったなぁ。
と言っても、DVDとyoutubeなんですけどね。
やはり、人気は伊達じゃないんですね。
生で何度も見ておられるなんて羨ましいです。

ダラダラしてないよ、面白いですよ。

また気が向いたら観劇記書いてくださいね。

ジャスミンもねw
というか、なんでAZさんだけディズニープリンセス?
私もなんかになろうかな?

タコのお化けとか、りんご持った婆様とか、意地悪なまま母とか。

でも、見た目からいくと、やはりオーロラ姫かなぁ?
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Unknown (yuri)
2013-11-14 01:02:01
>sawaさん
じゅうたんは年中無休よ~
くるくる巻いちゃだめw

ああ~その発想が無かった清純な自分が憎い~
私が先に寝る~~どいて~~
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Unknown (yuri)
2013-11-14 01:15:49
>mihoさん
顎のラインを静止画で・・・
なんて素敵なことをなさってるんですかw

あ、宴会は、いつでもやってるんじゃないでしょうか。
AZさんが勝手に乗せちゃって・・・
アーロンは本当はyuriと一反木綿に乗りたいのに。

勝手に乗って、ラミンさまのオデンを食べましょう。
あ、私、芋焼酎持っていったから、mihoさんもなんか持ってきてね!

>アンジョらの下足番でもいいや。
木下藤吉郎のまねをして、アーロンの靴だけ胸に入れて暖めておくとか?
そうやってアーロンを誘惑するのも良いな。

私が下足番やる~

アーロンは、靴の趣味が変だから、すぐにわかるわ。
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士気揚々。 (スズキ)
2013-11-14 01:18:19
あああ~有難うございます(嬉)。今更ながら何てお願いをしたものだ。はい、今度感想書きます。使えないものでもお許し下さい。あと多分遅い、、(ポソリ)。

アンジョルラスさんの殴られ、殴るシーン好評ですね(ニマリ)。
バルジャン氏に殴られてる場面は一瞬ですが、本当色っぽい。殴られても可愛い。殴っても可愛い。何しても可愛い(重症)。最初に出会ったアンジョルラスがアーロンさんで良かった。

ラミン様、自分ガンモで。いや、コンニャクかな。やっぱり一番はチクワだな!。

返信する
Unknown (yuri)
2013-11-14 01:32:14
>Lilasさん
殴ったり、殴られたりのシーン、お嫌いでしたよね。
だからリラがリベンジしたりしてw

何のお芝居だったんでしょう?
どこか似てるだけでも、どきどきしますよね。
確かに映画はエンドロールで救われる。
でも、私はレミゼのエンドロールで、またぐっと来るんだけどねw

>アーロンさんのアンジョルラスの髪、ブロンドと思ったことがないんですよ
確かに一番暗いブロンドというか、明るいブラウンとの境界線の色かも。
上品な髪の色で、顔色にあってますよね。
目も、うすいブルーじゃないから好き。
あまりに色素がうすいより、アーロンくらいの人が一番美形に思えます。
でも、目の色がいまだに謎で。

アントンも、ぼやーっとしたブロンドじゃなくて、わりと濃い色で、
目も茶色なのが良い。

でも、アンジョルラスのアーロンはブロンドじゃないかなぁ?
茶色ではないような気が・・・
亜麻色? 金でもあり、茶色でもあるような髪の色だそうで。
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Unknown (yuri)
2013-11-14 01:38:32
スズキさん、遅くてもかまいません。
お待ちしてます。
アーロン、特にアンジョルラスのアーロンは、最初から
最後までかっこよかったです。
もう一度、あんな髪型にして、かっこいい役をやって欲しいというのが、私の切なる願いです。
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きゃあ~♪ (Lilas)
2013-11-14 02:13:46
“1”だけで、既にドキドキしました。うるうるしました。

でも、まさか1回で完結しないとは思ってなかったw
続き、続き~♪ 早く~♪♪
yuriさまが、いつも私を急かす気持ちが初めてよくわかりました!

「メモリー」って、私、あまり好きでないと思っていたはずなのに、ここで聴いたら、すごくいい曲だ~と思いましたw

…えっと、ここで、リラが言うの? それとも、アンジョルラスが。。。??
あ。とすると、あの“初めて彼の部屋に行った日”よりも前に、お互い知ってた…ということになる?

…1つ問題ができましたw
私、今、書いているのが、“アンジョルラスが出発した日、リラは今まで生きてきた中で一番泣いたけど、直後、あるきっかけで元気になった”つもりだったんです。
元気にならず、思いっきり落ち込みっぱなし…にしておいたほうがいいでしょうか?
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Unknown (A.Z.)
2013-11-14 02:21:10
やっぱりマイカーペットがゴザ化してる~(涙)
miho様なんて、真面目に「ゴザ?」って尋ねていらしたし、sawa様はさっさと丸めちゃうしww
ラミン様なんてトロント公演中なのにおでん係させてすみません。ところで、みんなに配っちゃって、ご自分の具は足りたのでしょうか?

そう、昨日の夜ジョルラスは、まあ普通にかっこ良かった(アンジョルラスに抜擢されるくらいだから)けど私好みではなかったかも。miho様にもコメントさせて頂きましたが、アゴがやや丸くていらっしゃる…w この方もまた、初めて出会うタイプのアンジョルラスでした。って言うか、くどいけど昼の理生ジョルラスが素晴らし過ぎたんだよ☆ 来週また理生ジョル観て来ますw

あと、清史郎君。子役さんの歌の上手い下手は私には分かりませんが、彼はただ可愛いだけじゃなく、ガブローシュの “斜に構えた感じ” をすごく上手に演じてらして、映画のガブの雰囲気に近い感じがしました。
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Unknown (sawa)
2013-11-14 10:02:20
>A.Z.様

主のお留守中、シンデレラ気分でカーペットをきれいにお掃除しながら、アーロンの温もりに1人酔いしれてデレデレおりましたsawaですw
あ、途中でyuri先輩にじゃまされましたけど!
やっぱり丸めちゃダメでしたかw
確かに、衣替えじゃないんですからねww失礼しました!

殴られた顎のラインがセクシー・・・ですか。
皆ディープすぎるぞー(笑)!!
でもそんな皆さんの集まるこの場所は、ほんとに楽しく癒されますw


>yuri様

素敵な月夜の晩のストーリー、幻想的ですてき。
そして夢のようなお話の途中、番長のつっこみがまた何とも我に帰らせてくれてw
続きを楽しみにしてます!







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