東京旅行の思い出 ６話

１１月１３日（日）の予定は、夕方６時から和楽の会の初の夕べを開催する予定であった・・　このインターネットの世界で和楽の会という民謡の会を作り・・　北海道、埼玉、茨城、神奈川、広島と５人で結成した・・

その内、北海道の仲間だけは、都合が合わず参加を断念・・　４人と私の母を合わせた５人で浅草の民謡酒場みどりで本場の民謡を楽しむこととなっていた・・　その３人の仲間は、私をしげさ節コンクールで応援してくれた・・　会ったことも話したこともないのに関わらず・・　民謡が好きということの繋がりだけで私達は息統合したのだった・・

夕方６時までの時間、母と上野公園にまず出掛けることにした・・　池袋から山の手線に乗り→上野で下車・・　まずは、母の年代が好きそうな通り・・　アメ横通りを散策してみた・・　お昼日中・・　たくさんの人々が野外居酒屋風のお店で丸イスに座って・・　飲んだり食べたり話したり・・　それはそれは活気に満ち・・　楽しそうであった。　私もお酒が好きであれば・・　きっとすぐに仲間に溶け込めたであろう＾＾。

とにかく・・　こんな昼間っぱらから賑やかで人がいっぱいの世界なんて・・　広島では見ることのできない風景であった・・　東京に来たんだな～という心地の良い実感を歩きながら感じてウキウキしたのであった。　鮮魚なども格安で大量に販売している・・　冬でもないのに外で日に当たってるのに・・　お魚さん達、大丈夫なの！？　これって本当に全て売れるの？？って勝手に心配をしてしまっていた（笑）

店員さんの枯れ切った・・　独特のしぶい低音の声が響く♪「安いよ～安いよ～　　　お得だよ～」と・・　僕はその声に魅力を感じた・・　この声で民謡唄えば・・いったいどんな感じになるんだろうか！？　最近、音を聞くと・・　なんでも民謡に繋げたがる自分がいる！（笑）　東京は活気がある！！　全く不景気な感じがしなかった・・

アメ横で最も印象に残ったのは、ピーナッツ売りのおじさんだった・・　そのおじさん・・　ピーナッツの実演販売みたいな感じで売ってるのだが・・　実にテクニシャンであった・・　少し離れて観察していた（近くによると買わなければならなくなりそうだったので）・・　おじさんは、おもしろおかしい言葉を巧みに投げかけ・・

歩いている人達に注目させていたのだった・・　ある家族がそのおもしろさに立ち止まった！　おじさんのおもしろい発言に目を丸くし聞いていた・・　おじさん「はいはいはい～　今買うとお得だよ～　大大サービスしちゃうよ～　このピーナッツは特別おいしいよ～」　すると家族のあるじであるお父さんが「じゃ一つください」と言うと・・

そこからがすごかった！！　袋にまずスコップ一杯入れて・・　それで終わりだと見ていると（金額と比較すると充分な量であった）・・　おじさんが大きな声で叫び始めたのだった！！

「ほらもってけ！　もってけ！　大損だー！！　これでもかー　これでもかー　これでもかー！」　と叫びながら・・　大きな袋に信じられない量のピーナッツをスコップで５、６回大げさに入れまくってた（驚）そんな実演は生まれてこのかた見たのは初めてだったし・・　あまりに意外であったので・・　非常に楽しかった！！

今、考えてみると・・　そのおじさんのやり方は・・　とにかく初めに来たお客様にオーバーに演技して大サービスすることで、人だかりを作りたかったのではないのかなと思う・・　人というものは、人が集っているとなぜか安心して買いたがるからだ・・
誰も集まっていない売り子のところでは買いにくい雰囲気があるのとは逆である。

時間もあまりないので・・　僕たちはそこを後にしたのだが・・　あのおじさんだったら・・　相当売ったに違いない・・　たいした人間だと関心した。　売るためには餌も必要だ・・　お魚だって・・　まき餌を初めにまかないと魚は寄ってはこない。
ということは・・　和楽の会を結成した私も・・　仲間にごちそうするのが筋なのだが（笑）　果たして・・

アメ横→上野公園→地下鉄に乗り→押上（おしあげ）・・　スカイツリーをまじかで見た！　スカイツリーは高かった・・　しかし・・　隣のビルや背景の空と色彩がほぼ同じであるために意外と目立たなかった。　来年の５月から展望台へも昇れるそうなのだが・・　初めのうちは、人が多くて近寄れないであろう・・　ビデオ撮影し、浅草に再び戻った・・

和楽の会の仲間が２時に雷門に集まると情報が入り、私も母と向かった・・　しかし東京に来て・・　田舎者２人が関東在住の仲間と共に浅草を歩けるなど想像もしていなかった・・　インターネットの世界というものの不思議と縁を感じていた。　民謡を志すものに悪い人などいないと思っていたが・・　やはり仲間は、皆素晴らしかった・・

きっと私と母だけであったら・・　ビクビク怯えながら・・　浅草の地図ばかり見ては人の多さに驚嘆し・・　何度も道に迷ったであろう・・　しかしその日は違っていた。
仲間３人が先頭を歩き・・　私と母は道行きを任せ、付いていった・・　気持ちがお陰で楽であった・・　歩いていて・・　買いたい、見たいお店があると仲間に伝え・・　一緒に見てもらった。

昨日の大会の時からお世話になっていたので、随分親しくなれており・・　本当に楽しい散策となった・・　途中、和楽器屋さんにも寄り・・　三味線の皮（イヌ、ネコなど）も初めて見せていただいた・・　大きな買い物をする訳でもなかったが・・　浅草の和楽器屋の店主さんは、とっても笑顔良く、色々な昔からのお店の伝統や楽器のこと、皮のことなどについて熱心にお話してくれた・・

これが東京です！！　とにかく東京は紳士の街でした！！
買う、買わないとかじゃなく、お客様に教えてあげたい！というプロとしての誇りを肌で感じられる街であります！！　和楽器の店主さん・・　私は必ず再びあいさつに伺います！　ですのでお元気に笑顔でがんばっててくださいね～（願い）

私は、大都会である　東京をとても愛することができた。　悪い感じを受ける人と接したことはなかったからだ・・　運も良かったのか！？　それはわからない・・
仲間としばらく歩くと浅草寺に着いた・・　あのテレビでおなじみの煙だらけのところ（嬉）・・　母は一生懸命に煙を集めていた・・　私は、その光景を微笑みながら撮影していた・・

すると・・　向こう側から・・　何かしぶい音が聞こえてきた・・　運が良いことに・・　浅草寺の隣で、子供歌舞伎を披露していた・・　母は歌舞伎が大好きだ！！　母の夢は歌舞伎で海老蔵というえらい男前を観ることだった・・　翌日、新橋の歌舞練場で歌舞伎を見ることになっていたのだが・・　残念ながら海老蔵は主演しない（涙）　彼は、その頃、福岡は博多公演に出演中であったからだ。

子供歌舞伎を見ようとしたが・・　大勢の人だかりで・・　遠くからしか見れなかった・・　仕方なくまた歩くことにした・・　浅草の街をみんなでぶらぶら結構と歩いた・・　みんなのエネルギーが切れかけた時・・　どこかで休憩しようと案が出て・・　私達は、探した・・　良いお店に入る案も浮かんだのだが・・　夕方から民謡酒場で、自慢の秋田料理が私達を待っていた・・

そういうことを計算すると・・　ここは我慢で簡単に早く済ませることにし→マクドナルドに寄ったたくさん歩いた疲れをそこで癒した・・　もう夕方が迫っていたので、民謡酒場みどりの位置を確認していた・・　最近は携帯が発達しており・・　画面にお店までの地図が現れるのだ・・　仲間が画面に行き先を表示する地図を出してくれ・・　そこからまた歩いてお店を目指した・・

もうかなり歩いたので、みんな・・　みどりまで相当遠く感じたのであろう・・少しクタクタぎみであった　よほどおなかはすきっ腹であったであろう・・浅草の花園通りにやっと出ることができ・・　向こうを見ると・・　民謡酒場の明るい看板が見えてきた！！　私は嬉しさのあまり叫んだ！　「みどりが見えたゾー」って・・　みんなは「やったーー」って嬉しい叫び声だった・・



６話終わり　　＊お写真は、浅草民謡酒場みどり自慢の秋田料理　きりたんぽ汁