新・名も無い馬ですが・・・・・

2013年11月3日に旅立ったマイネルスティング。
その想い出と一緒に、これからも名も無い馬たちの応援をしていきます。

歯医者さんだよ、スティング君!!

2013-10-19 | 日記
台風が大きな大きな傷跡を残して行きました。
被害にあわれた方々、心からお見舞い申し上げます。
自然の前では、人間は何て無力なんだろうとつくづく思います。

私の暮らす札幌は、幸いな事にたいした事も無く過ぎましたが、地域によっては積雪、大風と被害を受けたところもありました。

また次の台風が目覚めているようです。
もうこれ以上被害がでませんように(祈)・・・・・。

今年は春も短くて、雪が無くなったと思ったらいきなり夏日で、まだ紅葉もしない内に降雪と、季節がせっかちに動いています。

このままじゃ本当に四季ではなくニ季になってしまう!
ヴィヴァルディの‘四季’はどうなるの・・?と、アホな事を考えてるエドリンです、こんばんは。



        歯医者さんがやってきた!

先日会いに行った時も、その後スティングの会のカト吉さんが行った時も、やっぱりどことなく元気のなかったスティング君。
背中の肉が落ちてきて、体もガレた感じで「爺ちゃんになっちゃったのかなぁ」と心配していたのです。

そしてその原因として、もしかしたら歯の状態が悪くてきちんと咀嚼できないでいるのかも知れない、と考え、お医者様に見て頂こうという事になりました。

ちょうど、新しくフォスターホースになったエリモシックが、歯を見て頂き体調が良くなったという話を聞いた後でしたので、スティングもそうかも知れないとの思いで少し気が楽になりました。

もともと、以前の牧場さんから移動してきたばかりの時にさく癖が酷くて、そのせいか歯がかなりすり減っていた事に気づき、場長さんにお願いしてグイバンドを付けて貰ったのです。

おかげで、それからピタッとグイは止まりました。(きかない仔も多いのだとか)

なのですっかり忘れていたのですが、年齢と共に歯が弱ってくるのは人も同じです。
人も馬も‘歯が命’ですよね

そして、2度の治療の結果、歯周病はなかったものの、やっぱりたくさんの問題があったそうで、これからも定期的な健診が必要との事でした。
獣医さんが大嫌いで、猛獣スティンギラスと化すスティングの事を事前に聞いてらしたお医者様は、助手の方と一緒に来て下さったのですが、スティング君は良い仔で治療をさせたそうです。
お医者様がきちんとスティングにお話しされて納得したからなのでしょうね。
ちゃんと理解すれば出来る仔なのです、彼は。

1度目の治療の後で元気が戻った様で、硬くなっていた背中もほぐれて、放牧からルンルンで戻って来るスティングを見て、お医者様が喜んで下さったのだとか。

これでまた大好きな人参もバリバリ食べれるね。

元気を取り戻したスティングの画像が届きました。



            
              
               お医者様のペニーさんと打ち合わせちう(違)。





              
              「歯医者さんが来たねん。 ちゃんと治療してもろたで。 子どもちゃうねんから
               暴れたりなんかせえへんで。ほんまやで」




              
              「青草もちゃんと食べれるようになったねん。」




              
              「そや、そや、言い忘れたことがあったんや。」




              
              「みんなも歯は大事やで。 痛なる前にちゃんと歯医者さんいきや~。」




              
      「僕たんは知ってるでし。ホントは怖くて震えてたでしよ。  内緒でしよ。」  byモッヒー                                                    



         お知らせ2つ


1つ目

エリモシックに引き続いてまた新しいフォスターホースが誕生しました。

アメリカ産まれで、3才の時に日本に来て競走馬としてデビュー。
1997年、京都牝馬ステークス(G3)、シルクロードステークス(G3)の勝馬で、1200M,1分6秒9の日本レコードを記録し、後にアグネスワールドに破られたものの、京都競馬ではいまだに保持されている、エイシンバーリンです。                              


今年21才になる彼女は当歳の離乳を期に繁殖を引退することになりました。
高齢であるうえに、葦毛馬特有の病気メラノーマ(悪性腫瘍)にかかっている事などから、これからはゆっくり、のんびりすごさせてあげたいと、引退馬協会のフォスターホースになったのです。
彼女の年齢、病気と云うことから、今のまま浦河の(有)丸村村下ファームさんで生活していきます。
北海道にいらしたら是非会いに行ってあげて下さい。
また、ご訪問の際は見学条件をしっかり守って下さるようにお願いします。

生まれた国から遠く離れて、必死に頑張ってきたバーリン。
彼女のこれからの余生を支えて下さる里親さんを募集しています。
関心のある方は引退馬協会までご連絡ください。

  
            NPO法人引退馬協会

続いて2つ目です。
                        


競馬界の永遠の貴公子トウカイテイオーが虹の橋へ旅立ってから、今日で49日。
仏教でいうと、本格的にあちらの世界へと移っていく時期なのだそうです。
テイオーは旅立っても、テイオーのDNAを持つ産駒達はまだたくさんいます。
チームテイオーでは、テイオーのいなくなった悲しみから卒業して、残された仔供たちのサポートに力を注ぐべく
“トウカイテイオー産駒の会”を立ち上げ、その運営の1部を引退馬ネットからのサポートを受けることとなりました。
引退馬ネットとは、引退馬協会の対外支援事業で、マイネルスティングやサーチエネミー、ツルマルツヨシなどもサポートホースです。
産駒の会第1号サポートホースはヤマニンバッスルです。        

              



テイオーの面ざしに良く似たバッスル。
今は競走馬を引退し、茨城県の乗馬クラブで第2の馬生を歩こうとしています。
彼のこれからを共に支えて下さる方を募集してます。
今は亡きテイオーが私たちに残してくれた宝物です。
詳細はこちらのサイトでご覧下さい。


           チームテイオー」「トウカイテイオー産駒の会」             


                    


                            




馬たちの為に何かをしたいけど、どうしていいかわからないと言う方、引退馬協会でも、チームテイオーでもどちらでもかまいません。
ちらっと覗いてみて下さい。

人のために命を削って頑張ってきた、けな気なお馬さん達に、貴方の優しい気持ちのおすそ分けをして下さいませんか?
宜しくお願いいたします。




             
             「おいらからもお願いや。 幸せなお馬増やしたってな。」 by名も無い馬代表
                                                 マイネルスティング


                          S牧場さん、カト吉さん、チームテイオーさん画像ありが
                                   とうございました。

☆ゲイボルグ、新たなる旅立ち!☆

2013-10-14 | 日記
知らず知らずのうちに、涼しいを通り越して寒~イ!と感じる季節に変わっていました。
ついこの間まで“暑い!暑い!!”と騒いでいたような気がするのですが・・・・??
自然は人間の思惑などとは無関係に、たんたんと流れていきます。
人は毎年毎年、自然の手のひらの上で暖められたリ、冷やされたりしながら一生を終えていくものなのでしょう。

朝晩グッと冷え込んできて、ついにストーブ点火の時を迎えてしまいました。
このストーブがつく時の‘カチッ’という音と共にすっ飛んできて、まん前を陣取るのがこやつ“オレ様クロッピー”です。



                 
                 「ここはおいらのもんだい!」 

これから毎朝こやつと、ストーブまん前陣取り合戦を繰り返すだろうエドリンです、こんにちは。




                             




今年、スティングが教育係を務めた2号君のお兄ちゃん、ゲイボルグ君のご報告です。

ゲイボルグ、2007年2月10日生れ、父タップダンスシチー・母タケノハーモニー

ボルグ君はスティングが暮らすS牧場さんで産まれ、2010年4月に船橋競馬でデビューしました。

2戦して2着3着と、次こそはの期待を持ったものの故障で1年の休養。
翌年の5月に復帰するも1戦して(3着)再び故障、1年3カ月ぶりに戻ってきたレースでついに初勝利。
続く2戦目も余裕の勝利。
このままどんどん上昇するぞ~!と思った矢先に再び故障。

それで休養に来たのが、イグレット乗馬倶楽部のお隣の牧場さん。
イグレット乗馬倶楽部は引退馬協会の本部があるところです。
そして、ゲイボルグと同じ牧場出身のハリマブライトがフォスターホースとして暮らしている倶楽部です。

再起を目指して頑張っていたゲイボルグでしたが競走馬の不治の病といわれる屈腱炎を発症。
神様はどこまで彼に試練を与えるのか!
ついに競走馬引退を余儀なくされたのでした。

でも、このお馬さんも持っている仔でした。
イグレットに時々いらしていた方がその事を知って即座に引き取ってくださったのです。(馬の引き取りは時間をおくと間に合わない事が多いです)
そして、引退馬協会の事業の一つであるフォローアッププログラム参加への道を作ってくれたのでした。


フォローアッププログラム(引退競走馬馴致トレーニング譲渡事業)とは、引退した競走馬が人と穏やかに暮らすための馴致調教を行うプログラムです。
人に順応して歩いたり、基礎的な乗馬の運動を通し、その馬の個性や能力を把握して、適した場所へ譲渡する事を目的としています。

ゲイボルグの引退が決まった時、次のフォローアッププログラム開始まで3か月ほどの間がありました。
その間、引き取った方がイグレット乗馬倶楽部へ預託され、故障が回復するまでのんびりと気ままに過ごさせてくれたのでした。

              <画像は引退馬協会さんからお借りしました>



              
               乗馬のお稽古中です。              




              
               「顔が大きいって言われるけど、そんなに大きくないよね、ネ!」 byゲイボルグ
              





それから約4カ月、一生懸命に学習したゲイボルグ。
賢くて無駄な動きがなく、乗馬としての才能があるとスタッフさんからも褒められるほど成長しました。
そして、そんな彼を気にいって引き取りたいという方が現れました。
茨城県にある個人経営の乗馬施設です。
引退馬協会の代表さんやスタッフさんがしっかりと選んで下さった新天地です。
きっと、ゲイボルグにとっても居心地が良いところだと信じられます。
良かったね、ゲイボルグ!!



              
              立ち姿、凛々しいね!            




脚元さえ丈夫だったら、もっともっと活躍できたはず。
たった5戦しかできなかったけど、3着以下はなかった彼。
1年以上の休み明けなのに堂々と逃げ切ったスピード。
どれほどの潜在能力があったのか、今となっては知りようもないけれど、でも、これがゲイボルグの進む道だったのですね。
ケルト神話に出てくる勇者、ク・フーリンが魔女から与えられた魔槍ゲイボルグ。
その強い名に守られて、これから先の馬生もたくましく、そして人に愛されて生きていって欲しいと願います。



           
             

ゲイボルグ・・・・・・・新しい道へ、行ってらっしゃい!!



                                            

 
   

             
              「兄ちゃん、頑張れ~!!」 by2号君




             
              「チビすけ、お前もやで。」  byスティング


2号君はセールでビッグレッドファームさんに落札され、今、競走馬見習いとして頑張っています。




   

女子4人プラスワンで行く「あの馬は今」ツアー・ファイナル

2013-10-02 | 日記
事前に牧場さんに連絡してくれたTさんが 「1か所、‘看板を見つけたら思いっきり奥まで入って下さい’って言うところがあったんだけど、それがどこだか忘れちゃった」と言ってた牧場さん、どうやらここのようでした。
牧場の看板を見てから行けども行けどもたどり着かず、「ナビさん道間違ったんじゃない?」などと、ナビさんが気を悪くしそうな事を言ってた時、「あった~~!」
はい、ちゃんとありました。   
言われたように看板からず~っと離れた場所に、そのお馬が暮らす牧場さんはありました。

1989年のスプリンターズステークスでオグリキャップと壮絶なたたき合いの末、何ミリかの差で涙をのみ、翌年、その悔しさを日本レコード勝ちという勲章で晴らしたこの方。
バンブーメモリーです。


    
          



相変わらず派手な流星のイケメン君も、もう28才。
いくらか体は白っぽくなってきましたが、“何か美味し物ある?”とでも云うように近寄ってきた顔はまだどこかあどけなくて、やんちゃ坊主がそのまま年取った感じでした。
「オグリの分も長生きしてね」


           
          
           テへッ・ぺロ



          
           「ほんとに何もなし?」            




今回はお馬さんに会うたびに“長生きしてね”の言葉を繰り返している気がします。
それだけ往年の名馬たちが高齢になってきたという事なのでしょう。
想像もしなかったテイオーとの別れが、会いたいお馬には会える時に会っておかなくては、そのうち行こうでは後悔する事もあると思ったのが今回のツアーのきっかけでした。

生きとし生けるもの、別れは自然の成り行き、仕方のないことです。
以前に書きましたが、オグリキャップが亡くなった2010年7月3日、私とらすかるさんは、彼が亡くなる数時間前に会っています。
そして、昨年の引退馬協会のツアーで、フジノマッケンオー、ハギノカムイオーと、まさかのデュランダルに会う事ができました。

すべて偶然のことでしたが、彼らが旅立った今、あの時に会えて良かったと心から思えるのです。

もし、かつて好きだったお馬さんがいるなら、彼らが元気なうちに何とか機会を作って会いに行かれる事をお勧めします。
今さらに、まだスタリオンにテイオーがいるうちにも一度会いに行けば良かった、写真ももっともっと撮っておけば良かった、と悔やんでいる私がいます。

命は待ってはくれません。


                                         



幼顔のバンブーメモリーにさよならして、次に向かったのは、今回一番探すのに苦労した、オグリローマンの牧場さんです。
バンブー牧場さんからそれほど離れてはいないのですが(地図上では)、山あり川ありで迷い、ついには交番のお巡りさんに聞くことに。
それが、そのお巡りさんの説明がややこしくて、またしばらく探し回り、「やっぱりあそこしかない」と意を決して行ったところがビンゴ!!
何度も通りかけた場所で正解だったのです。
お巡りさん、難しい道案内どもでした(嫌味だよ~ん)。

それでも、まっ白になったローマンを見た時、来れて良かったと思いました。



          


             

常にオグリキャップの妹という冠がついてしまうローマン。
でも、笠松から移籍してきて、1994年の桜花賞(G1)を勝利した力は本物です。
オークスでは1番人気に押されましたが、やっぱり距離の問題なのでしょう、残念な結果になってしまいました。
ちなみに勝ったのは、先ほどあってきたチョウカイキャロルでした。

今は放牧地で、娘と並んでのんびりと草を食む日々です。
後ろの放牧地には孫たちもいます。


  
           
            葦毛の母に鹿毛の娘・・・・・どして?



「キャップが全盛の頃、まぐれだ、たまたまだと良く言われて随分と悔しい思いをしたもんだ」と、場長さんが煙草をくゆらしながら懐かしそうににつぶやきました。
「それでも、ホワイトナルビーの血を絶やしたくないから、踏ん張ってる」
「中央の芝で走らせたいから、芝の種馬をつけたけどさっぱり走らん。 だから今度はダートを走る馬でもつけてみようと考えてるんだ」
場長さんの言葉から、自分が生きている限り、誰になんと言われようとホワイトナルビーの血を繋いでいくんだという強い思い入れを感じました。


           



この数日前に、オグリキャップ産駒で種牡馬になっていたノーザンキャップの息子、クレイドールサイアーが4年ぶりに種馬登録を申請したというニュースが流れていました。
もし、このお馬の仔が活躍すれば、父・父オグリキャップとして蘇ることになります。
メジロマックイーンが母父としてオルフェーブルを出したように、いつ、どこから、とんでもない名馬が現れるかわかりません。
その時、JRAが何もしなくても競馬が再び盛り上がるのではないかと思うのです。

競馬の魅力は大穴を当てる以外にもあるから、こうして月日がたっても名馬たちに会いに来る人が後を絶たないのではないでしょうか。

ちょっと語ってしまいました。

                          


閑話休題、場長さんの熱い思いがいつか叶うと良いなと願いながら、本当はここからすぐに、昨日ご機嫌のうるわしくなかったスティングのところに行くはずだったのですが、思ったより時間が余ったので、急きょ、もう1か所追加してしまいました。

今年の9月から新たにフォスターホースになったエリモシックに会いにいきました。

女傑エアグルーブと同期で1997年エリザベス女王杯(G1)を勝ったシックは、その後繁殖さんとして頑張ってきましたが、今年の4月の出産を最後に体調不良のため引退。
引退馬協会で余生を過ごす事になりましたが、体調を考え移動はせずに、北海道の牧場で暮らしています。
今は体調も回復して、一緒に放牧されているセイウンアグライアと穏やかな日々を過ごしています。

ここではこの方の銅像が馬たちを見守っています。


           
            元祖スーパースター・ハイセイコーの父、チャイナロック



そして、お互いを呼び合うように旅立っていったこの方たちのお墓が、仲良く並んでいました。



           
            フジノマッケンオー



           
            ハギノカムイオー



あ、シック見っけ!! 


           



           




           
           呼ぶとゆっくり来てくれました。




            



           
           「あたしの人参は?」



           
            優しい穏やかな顔です。
            


エリモシックはフォスターペアレント(里親)を募集しています。
シックの里親として余生を見守ってあげたいと思う方はこちらまでご連絡下さい。
宜しくお願いいたします。(ペコリ)


          引退馬協会



この後、スティングに再び会いに行き、私たちの1泊2日の詰め込みツアーは終了しました。

お天気に恵まれ、殆どすべてがスムースに行き、かなりタイトなスケジュールだったにもかかわらず、元気に過ごせた事嬉しく思います。
ずっと1人で運転頑張ってくれたTさん、有り難うございました。
そして、快くお馬に会わせて下さった牧場さん、有り難うございました。
そしてそして、名馬さん達、来年も会いに行くから、きっときっと元気でいて下さいね。

最後までお付き合い下さった皆様にも、心から有り難うと言わせていただきます。


               
        おまけ
                   


            
             踊りながら人参食べる馬・ナイス