新・名も無い馬ですが・・・・・

2013年11月3日に旅立ったマイネルスティング。
その想い出と一緒に、これからも名も無い馬たちの応援をしていきます。

♪ オキテ・最終章 ♪

2016-03-02 | 日記
 
 時の流れって本当に早いものですね。
日々に追われているうちに、あら~っと思ったら何ともう3月じゃないですか。
今さら謹賀新年でもありませんが、皆様にとって良い1年となりますように・・・・と、ごまかしてみる(ウフッ)。

「今年は雪が少なくて楽だね」と言ってた言葉の裏側に「このまま終わる分けがない」という覚悟も含まれているのは道民みんなわかっている事です。
やっぱり来ましたよ。
雪の帳尻合わせが。
桜開花の噂もチラホラ聞かれる今日この頃。
ドッカ~ンという音が聞こえるくらいの大雪が数日にわたり降り続き、季節が逆流したようなエドリン地区です。

雪のせいではありませんが、ご無沙汰しっぱなしのエドリンです、こんにちは。

               

さて、昨年9月に現役引退し、第2の馬生をスタートする時を待っていたオキテですが、2月末、休養先のアクシス乗馬クラブさんから引退馬協会本部のあるイグレット乗馬倶楽部に無事移動しました。

ここで引退馬協会の活動の一つである「再就職支援プログラム(旧フォローアッププログラム)」で乗馬としての基礎を教わり、次のお仕事先を探す・・・のですが、実はオキテ、もう行き先が決まっています。

オキテが2才時、競走馬になるための訓練を受けた “クラックステーブル” さんに今度はお仕事仲間として戻る事になったのです。

クラックさんはオキテが第1期生、ということはオキテが競走馬になるのと同時期に開業なさったわけです。
そのせいか、クラックの代表さんはオキテ会と一緒にずっとオキテを見守って下さいました。

名古屋競馬に入厩が決まった時にも、馬主さんに会の事を話して下さり、そのおかげで馬主さんから角田先生に話が行き、オキテ会の存在を認めて頂けたのでした。
オキテが故障し、長期休養明け以降、勝つどころか大敗が続き、引退宣言をうけた時、「行き場がなかったらいつでも預かるから」と、励まして下さいました。
スティングが亡くなった数日後に劇的初勝利をあげた後、今だ先行きのはっきりしなかった時にも、馬主さんに電話をして下さり「現役続行する」という言葉を聞きだしてくれました。

引退馬の次の馬生にも強い関心を持って下さり、のちのち知ったのですがホースセラピーの講習会などにも出席なさったり、真剣に引退馬に向き合って下さっています。
その代表さんから先月、「オキテだけど、乗馬訓練が終わったらうちに来る事はできないだろうか」というお話を頂きました。
まずはスタッフさんの騎乗練習馬として頑張ってもらい、ゆくゆくは代表さんの夢であるホースセラピーの仕事を手伝って貰いたい、そして何よりも、思い入れのあるオキテを手元に置きたい、それが代表さんのお気持ちでした。
それに、オキテの実家、坂本牧場さんのすぐそばなんです。
こんな良いお話、他にあると思います?
オキテは何て持ってる仔なんだろうとしみじみ思います。
笑われるかもしれないけれど、これもスティングの後押しなのだろうか・・・そうだと私は信じています。

これから3か月間、オキテはイグレットで乗馬馬としての訓練を受け、初夏の日差しが溢れる中、緑のじゅうたんに覆われた故郷、北の大地に戻ってきます。

中央競馬で1勝しただけの名もない1頭の馬が繋いだ命のバトン。
たくさんの人達の暖かい思いで落とさないように支えられてきた、そのバトンのゴールはもう目と鼻の先です。

現役時代からこの日のためにつどって下さった優しい方達、そのつどいも解散の日が近づきました。

マイネルスティングとオキテ、この2頭の馬たちが大きな人の輪を作ってくれました。
人間って素敵だな、馬って偉大だな・・・・・あらためてそう思います。

この大河ドラマのようなストーリーに関わって下さった素晴らしい方達すべてに、心の底から感謝いたします。

ありがとうございました!!

オキテ、無事に、生きる道のレールが繋がりました。


イグレットに到着した時のオキテです。
         
  


         




         
 
                                           (引退馬協会さん撮影)

                   

「フォスターホースと過ごす日」にて

         




         




         




         
          「代表、宜しくです」 by オキテ
                                  (オキテ会会員さんNさん撮影)



    

エピローグ

この「名もない馬ですが・・・」というブログは、マイネルスティングという1頭のサポートホースを知ってもらいたい、そして、大きな勲章を持たない馬でも生きる権利はあるんだという事をわかってもらいたい、という気持ちで始めたものでした。
ろくにパソコンも出来ない私が、スティングの為に、と拙い文でチマチマ綴ってきました。
おかげで、こんなブログでも応援してくれ、励ましてくれる人達に大勢出会う事ができました。
本当に感謝しています。

でも2013年、11月、スティングが突然旅立ってから、私の中の何かが消えました。
それはどんな言葉でも表す事が出来ない沈んだ重いものでした。
ペットロスとも違う(過去に何度か経験しています)、水を掛けられ半分消えかかったタキ火の様な気持ち・・・???
それでもブログを続けようと思っていたのは、オキテがいたからでした。
スティングの冷たくなった顔を撫でながら、オキテの事は絶対に守ると約束しました。
だから、オキテが無事に競走馬を終え、その後の道筋をつけるまでは何としても頑張ろうと思っていたのです。
そして、その約束も果たし、オキテのこれからにも何の心配もなくなった今、このブログも幕引きの時期にきたと思っています。

2010年から今までの6年近く、覗いて下さり、コメントを下さり、陰ながら応援して下さった皆様。
本当に、本当にありがとうございました。

少し休憩したら、今度は違う形でブログを始めるかも知れません。
その時にはまた覗いてやって下さい。

また、時々ネット競馬の一口日記に投稿してます。
退屈しのぎにでも見て頂けたら幸いです。

現場関係者さん達が新しい、引退馬の為のシステムを考えて下さっています。
少しづつ競走馬の明日に光がさしてきている様な気がします。

大好きな馬たちと素敵な馬友さん達に幸多かれと祈ります。

ありがとうございました。
さようならは言いません。

See you again someday!!