新・名も無い馬ですが・・・・・

2013年11月3日に旅立ったマイネルスティング。
その想い出と一緒に、これからも名も無い馬たちの応援をしていきます。

ジャパンカップ メモリー

2011-11-23 | 日記
ブータンのワンチュク国王ご夫妻が、20日お帰りになられました。
何でしょう、あの落着きと穏やかなスマイル、上品で誠実そうで、慈愛にあふれた優しい眼差し・・・・まだ30才の青年とは思えません。

人間 出来すぎ

国会での演説と言い、被災地の子供たちに語った話といい、謙虚で愛にあふれていて気高くて、もう称賛の言葉しか出てきません。

ブータンは人口70万人の小さな小さな国。 チベット仏教の国。
素晴らしいなと思うのは、国民総生産を高めるのではなく、国民総幸福量(GHN)に重点を置いているところ。 自分たちの安定だけを追求している、どっかのお偉いさん達には、ピンとこないかも・・・残念。

すっかり国王ファンになりました。
でも、あの長い名前‘ジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク’、王妃様は普段なんて呼ぶのかなぁ?  ジグちゃん、ケサさん、ナム様・・・・・高尚とは程遠い、低次元発想のエドリンです。  こんにちは。



  
 

 

この年の11月25日、私は東京競馬場の4階ボックス席にいました。
競馬初心者だった私は、第4回ジャパンカップを見に、半ば強制的に競馬ファンの友人に連れてこられたのでした。
友人によると、去年の3冠馬と今年の3冠馬が出るのだとか。 3冠の何たるかもわかっていない私には、寒いし人は多いし、馬券はさっぱりだし(その頃は馬券の当たり外れだけが楽しみだったのです)早く終わって欲しいだけでした。

それでも、時間がせまってきて、まわりの雰囲気もG1特有の緊張感に包まれ始めて、何となく私もソワソワしてきました。
馬券は1枠のミスターシービーから。 当時はまだ枠連しかありませんでした。
ごつい馬体が迫力だったベッドタイムの3枠と、馬場に出て駄々をこねて‘わたしゃ、ここから一歩たりともうごきません!’状態のウィンのいる4枠、名前が可愛いストロベリィロードの7枠へと3点流し。

今年の3冠馬で人気のシンボリルドルフは何故か切ってしまってました。
その時はシービーの憂いを帯びた(と、勝手に思ってました)顔が好きだったのです。

結果は、まんまと逃げ切ったカツラギエースが日本馬として初めての勝利。

本当なら、初めての開催国馬勝利なのですから、大騒ぎになっても当然のはずなのに、カツラギ、ベッドタイム、ルドルフとゴールになだれ込んだ瞬間
“し~~~~~~ん”
何とも言えない異様な沈黙が全体を覆ったのです。
それは27年たった今でもはっきりと頭の中に残っているほどです。

馬券はシービーが消えてしまったおかげでゴミと化しました。
でも、そんな事よりも“カツラギエースって何もんだ??”みたいなムードで、すっかり外れた事すら忘れていました。

今 思えば、3冠馬2頭の対決、初めての日本馬の優勝と、もの凄く贅沢なジャパンカップだった分けです。  写真の1枚も撮っておくべきだったと今さらながら後悔しています。

そして、あの時頑張って外国馬に立ち向かって勝利した、当時は名もない馬だったカツラギエースに、今年やっと「あの時は‘何でカツラギなの~!’と憎まれ口をきいてごめんね」と、お墓参りする事ができました。

フロックだ!展開だ!と何故かヒール扱いされたけど、やっぱり強いお馬だったと思います。  何たって錚々たる外国馬達、2頭の3冠馬を相手に府中の2400メートルを、先頭のまま逃げ切ったのですから。


カツラギエースの産まれた牧場は、今は民宿となっています。  でも、元牧場の奥様には今でも孝行息子で自慢のカツラギエースなのです。
お墓の文はファンの方が書いて下さったそうです。 
でも、なぁんでルドルフの名前がないん???



 それは突然に

実はわたし、ルドルフはあまり好きじゃなかったのです。
天の邪鬼傾向の私としては、当たり前のように勝ち進むルドルフは‘やな奴’でした。
完璧すぎて、強すぎて魅力を感じない。   人間って、どこか脆さ、儚さ、弱さを感じる相手に心魅かれる部分があるような気がするのですが、私だけでしょうか?

1986年12月7日、アメリカに遠征するもレース中に故障発生したルドルフの引退が決定、この日、中山競馬場で引退式が行われました。

“7冠馬”を意味した7のついたゼッケンで岡部騎手を背に、ファンの前に現れたルドルフは、あろうことか、右に左に蛇行しながら走ったのです。
その時なんです。   私の心にルドルフの声が聞こえた(ような錯覚です)のです。
「やっと自由になれるぞ~!」

思えば、できて当然と思われる事はもの凄いプレッシャーです。
それをサラッとやってきたルドルフの心の内は、どれほどの重荷や苛立ちを抑え込んでいたのでしょう。  
彼の蛇行を見ながら、そんな思いが波のように押し寄せてきました。
今、やっと思い鎧と兜を脱ぎ棄てて、1頭の馬になれた・・・その喜びがこれなんだ。
勝手な思い込みなのですが、その時、本当にそう思ったのです。
その日から私はルドルフファンになったのです。
そして、その日ルドルフに約束しました。
「貴方の仔どもがデビューしたら、絶対に応援するから」と。

おかげでトウカイテイオーとシャコーグレイドの皐月賞は1点でゲット(シービーにも約束してたので)。

ルドルフの息子‘トウカイテイオー’との出会いは、馬という生き物に対する考え方を新たにしてくれました。 
引退競走馬に関心を持ったのも、馬券だけではない競馬の楽しさを知ったのも、原点はルドルフの引退式での蛇行から始まったと言えます。
ルドルフは私と馬との原点でした。

私の中で、あのジャパンカップとルドルフの引退式は、年代のずれがあっても1セットのメモリーなのです。

今年10月ルドルフは、シービーやカツラギの待つ虹の橋を渡っていきました。
今頃は3頭で、あのジャパンカップの話をしているのかもしれません。





ルドルフ、ありがとう!  ゆっくり休んでね。  (カト吉さん撮影)


ルドルフ最高傑作 トウカイテイオー



 おまけ


環境省が動物愛護管理のありかたについてパブリックコメントを2件求めています。
私たちが法案改正について、直接意見を届けることの出来る5年に1度のチャンスです。
悲惨な状況にある動物たちを救うため、殺処分0をめざして、出来ましたら意見提出をお願い致します

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 ふろく




ジャパンカップって美味しいんかなぁ? 人参とどっちが美味しいんだろ? byスティング
(ぶらんさん 撮影)






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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
読み応えありました (ソロモン)
2011-11-24 18:00:17
こんばんは。

引退式でのルドルフの蛇行、有名ですね。
三冠馬がJCに出走するリスク、ルドルフ
陣営以外には、できないことです。

シービーファンが、どれほどルドルフに
哀しい想いをさせられたことか、
息子世代でも、嫌がらせみたいになって、
勝負の世界とはいえ、逆の立場だったら
恨みつらみです(笑)

バナー、ありがとうございました。
週末は、産駒がたくさん出走しますね。
2歳デビューも、楽しみです。
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こんばんは。 (エドリン)
2011-11-25 00:13:01
本当に、今考えると凄いメンバーですよね。
第一、3冠馬が2年連続で出る事じたい、そうそうあり得ない事です。

あの頃、ホント ルドは憎まれてました。

私もシービーの方が好きでした(あの頃は)。

シービーにはどこか影があったような気がします。

懐かしい日々です。


バナー、サイドにつける方法、チョウ初心者にもわかるように教えてくださいませ。
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