新・エンゲル係数

肥満と痛風に悩まされながらも新鮮な食ネタを捜し求めて・・・

エンゲル係数が増加中☆

2016年04月13日 | おいしんぼうネタ
伸びぬ所得、共働きで外食増え

 家計の消費支出に占める食費の割合「エンゲル係数」が上昇している。

経済成長、生活水準の向上で数値は小さくなるとされ、戦後低下してきたはずだ。何が起きているのか調べてみた。

 日本のエンゲル係数は、1960年代前半は40%近かったが低下が続き、95年頃からはおおむね23%台で推移していた。ただ、2005年頃から上昇基調に転じ、14年に24%を超え、15年には25%を突破し、25・01%となった。

 東京都内の40代の公務員夫婦は先月、家計を見直す中、エンゲル係数を計算して驚いた。28・8%。平均以上だ。小学生の子が2人いる。仕事で帰宅が遅くなると街の総菜店で買ったり宅配の冷凍食品を使ったりする。「割高だが、調理に時間がかからない。家族で食事を楽しむ時間を持ちたい」と妻。休日はほとんど外食という。

 日本総合研究所主任研究員の小方おがた尚子さんは「係数上昇には様々な要因が考えられる。共働きが増え、半調理品や外食の利用が増えたのもそのひとつ」と話す。14年は専業主婦世帯が約720万世帯、共働きは約1077万世帯に上る。

 「食事の意味が、空腹を満たすものから、楽しむものへと変わり、お金をかけても質のいいものを求める人も多い」と小方さん。

 高齢者世帯の増加も一因とみられる。おしゃれや趣味への支出が減る一方、食事は欠かせないからだ。弁当や総菜の利用も増える。都内で独り暮らしの女性(98)は「1人分の食事を作るのは気が乗らない」と話す。朝はパンとスーパーで購入したサラダ、昼はデイサービスの施設で食事、夕食は宅配の給食。

 高齢者向けの総菜などに力を入れるセブン―イレブンの担当者は「食の外部化はさらに進む」と言い切る。

 第一生命経済研究所首席エコノミストの永浜利広さんは「所得が伸び悩む中、消費増税などで食品価格が上がり、係数も上昇した」と分析する。厚生労働省のまとめでは、02年から賃金が対前年比マイナスになることが目立つ。

 千葉県の30代の介護士は、同年代の妻と4歳の子どもの3人暮らし。「基本給が上がらないので苦しいが、食費は削れません」

 基本は自宅での食事。妻はスーパーを何軒も回って安い食材を探す。ただ、休日には家族でファミリーレストランなどを訪れる。エンゲル係数は約25%だ。

 さらに、食料輸入の多い日本では、円安による価格の上昇も影響しているとみられる。昨年は、家庭用小麦粉やパスタ、食パンなどが値上げされた。

 エンゲル係数の上昇は、経済的に苦しいこととされていた。しかし共働き世帯や食を楽しむ人の増加など一概にそうとも言えない。豊かさを知る指標としては今も機能しているのか。

 小方さんは「生活が多様化し、日本全体の指標とするのは疑問。しかし、低所得層は依然として係数は高く、対象を見極めれば有効だろう。家庭で時々計算し、家計を見直すきっかけにしてもいいのでは」と話す。

 ■エンゲル係数 19世紀のドイツの統計学者エンゲルによる「収入が少ないほど飲食に充てる割合が高くなる」という法則に基づく。暮らしが豊かになれば、食費以外への支出が増え、低下するとされる。総務省が毎月の家計調査で発表している。2012年の国連機関の資料では、日本は韓国やフランスと同程度、米英は低い傾向。



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