60_60_30 零半乗

50ccバイクでの走行記録

九州 2011秋

2012年02月14日 | 九州
九州 2011秋(1)

 9/26 13:55 出発。
 
AUTHOR: 60_60_30
TITLE: 九州 2011秋
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DATE: 02/14/2012 13:06:08
九州 2011秋(1)

 9/26 13:55 出発。
 近くのスタンドに寄り給油して有馬温泉に向かう、先月下旬の上信越ツーリング以来
久しぶりのフル装備走行でバランスや加速の悪さに途惑う。温泉街を走り抜け船坂から
西宮北有料道を走る。トンネル内で対向車からパッシングを受ける、トンネルを抜けると
速度を落とし慎重に下る。宝塚へ向かう県道k16と分れ少し下ると取締りをしている、
合図が無ければ出鼻を挫かれていたかもと胸をなで下ろす。甲陽園の洋菓子店で土産を
購入して山手幹線に乗り西に向かう、芦屋川の橋が開通して走りやすいコースとなった、
などと思ってのんびり走っているがずっとガソリン臭が付き纏っているのが気になる。
給油時にこぼれた物の臭いにしては時間が経ち過ぎている、不安を感じるので路肩に寄り
停車。点検すると給油口のキャップが正常に締まっておらず隙間からガソリンが漏れて
いる、よく引火しなかったものだ。
 住吉から御影大橋、六甲大橋と渡り六甲アイランドに上陸。フェリーターミナルで
乗船券を購入、出発前にネット予約をしようとしたが正午を過ぎていてネット予約は不可、
知らなかった。手続きを済ませると近くのショッピングセンターに夜の飲み物などの
入手に走り、ターミナルに戻るとバイクの待機場所が今までと変わり、ターミナルの入口
付近になっている、これでは乗船は最後になる。17時30分頃、乗船案内があり待合室から
バイクのところに移り待機、乗用車の乗船が終ってもコンティナーやトラックが多く
いつまで待っても乗船できない。係員がすまなそうに声を掛けてくる、台風と連休のため
荷物が今日に集中したとのこと。18時20分にやっと乗船、船室に上がると団体が多く
船室は50%程度の混み具合、着替えを済ませるとフェリーは既に出航していた。バイクの
乗客は私だけ。

  東海岸を南下する

 9/27 7:10 下船。7:15出発。
 走るには文句なしの好天。ターミナルから車がほとんど走っていない広い道を南下、
k25に出ると通勤時間帯のため混み合っている、下曽根で陸橋に登らず下を走り、左手の
海上に北九州空港道の橋を眺めながらk25を進む、トラックや自家用車で道路は渋滞しており
青信号でも進まない。初めは我慢強く車列に従っていたが忍耐が切れて車列の横を
すり抜けて前進する。朽網からk25のバイパスに入り渋滞から解放される。R10に合流
する手前の白石神社で左折、k25の旧道を走り行橋市の海沿いを走る、祓川を渡った
ところで道を失い迷走する、昔の街道の名残か集落の中で道は曲がりくねりすぐに行き
止まりになる、初夏もここは通り抜けることは出来なかった。仕方が無いのでk246から
地道を走り、長栄寺の近くでk25に再び乗る。
 築城に近付くと飛行機ファンらしき若者の車が目立ち、松原展望台に到ると駐車場は
ほぼ満車状態。展望所の芝の上には数十人の老若男女がカメラや双眼鏡を構えており、
着陸してくる戦闘機に手を振っている。着陸する飛行機を注視して驚いた、ブルー
インパルスが来ている。近くに居た中年男性に何かイベントがあるのかと尋ねたが、
彼も近くの職場でブルーインパルスが飛行訓練しているのを見て飛んで来たところとか。
周りの会話に聞いていると、ブルーインパルスの訓練を目当てに近在の人が集まってきて
いるようだ、明日も8時ごろから訓練かなとか話している。今川の橋を渡っている時、
頭上を6機編隊の戦闘機が飛行しているのを見たが、あの編隊が訓練を終えて今着陸して
いるようだ。フェンスに張ってあるポスターによると2日に航空祭が開かれ、ブルー
インパルスもそのイベントのために来ているようだ。

  国東半島

 しばらくF15の離陸を見物した後、R10を南下し豊前市に入る。道の駅の手前から
k113に乗換え中津市街に到る、静かな市街を走り中津城に寄り休憩。中津城址は山国川の
河口近くにあり、今は公園と神社の境内になっている。天守閣が復元されているが
寄らずに出発、武家屋敷の面影が残る街並を抜け海岸沿いのk23に出る。未完のバイパス
のようで広く交通量も少なく走り易い、この辺りは工業団地や流通団地らしく大型
トラックが出入りしている。更にk23を進み、豊後高田に入るとk34からk29と市街地の
西側を抜け南の田園地帯に出る。k29には新しく立派な道路が何本も交差してくる、案内
表示が無く地図で位置確認をしていると軽自動車の若い夫婦が声を掛けて来る。広域農道
で竹田津方面に行きたい旨を伝えると丁寧に教示してくれた。しばらく進むと件の夫婦の
車が待っていて、ここから先のコースを再び教示して畑の中の農家に向かう農道に入って
行った。田園から山間地域に入りアップダウンとカーブを繰り返す、ほとんど交通量の
無いコースで海に近い高台を走るが特に眺望は良くない。海岸沿いの道路と比較しても
便利なコースとは思えない、何のための道路かと不思議に思う。人家も案内標記も無い
林間で現在位置が把握できない、きつい坂を登り詰めるとT字路に出合い、右も左も
知らない地名が案内されている。右手に進むとすぐに素掘りのトンネルに入る、暗い
トンネルを抜けたところにバス停がある、廃止されたバス停かなと期待せずに時刻表を
見ると、こんな山中の細道なのに高田行も竹田津行も結構便数がある。バス停は小川原と
なっている、地図で探すが不明。トンネルから坂を下ると突然小集落が現れ、国道に出る。
 国道に乗ると直線コースの先に集落と海が見える、いつの間にか竹田津の手前に到着
していた、予想外である。走行時間と走行距離の関係をまだ掴めてない、道路標示に
頼りすぎて走っている、もう少し走らないと感覚が戻らない。竹田津市街を過ぎると
すぐに広域農道のトンネルに入る、広域農道はオレンジロードと名付けられた山間の
コースでアップダウンを繰り返し、半島を放射状に下る谷筋の集落を繋いで行く、広く
走り易いが途中に幾つかあるトンネルは暗い、対向車が無いから良いがトンネル内は
緊張する。途中、休憩のため国東展望所の案内に従い狭い道に入る、進みだすと徒然傍の
茂みから鹿が目の前に飛び出す、こんなのと衝突すればこちらのダメージの方が大きい。
展望所は国東市街や港を眺め降ろす高台で伊予灘の眺望がきれい、地元のバイクが一台
停っており若者が一人休んでいる。彼は昼休みの休憩に来ていたようで、ツーリングの
話や彼が同窓会で大阪に行くのに四国をどのコースで走るかなど話す。昼食後、走り
出すとすぐに弥生村の案内、安国寺遺跡公園で田圃の中に復元住居が何棟か建って
いるがかなり傷んでいる、パスして前進する。彼岸花の赤い帯が続く集落を幾つか抜けて
大分空港道路を潜り、杵築北郊からk49に乗り城下町の面影が残る市街を走り杵築城址に
向かう。丘を本丸のすぐ下までバイクで登り徒歩で本丸に立つ。杵築城は八坂川河口の
丘に建ち眼下には守江湾が広がる、ちょうど引き潮で干潟が現れ十数艘の漁船が浅瀬で漁をしている。
客と共に登ってきたタクシーの運転手と話す、干潟にはカブトガニが生息しており、
市を挙げて山に植林するなど干潟を守るための活動をしているとのこと。しばらく本丸からの
眺めを楽しんだ後、丘の麓を巻き河口に架かる橋の袂からR213に乗るとすぐに
k643に乗り換え丘陵地域を走り糸ヶ浜海浜公園に到達。幕営手続き後、初夏と同じ場所に
テントを張りビールを飲みながら目の前の海を眺め寛ぐ。ちりめんでも獲っているのか
二隻一組で網を引く数組の漁船が往復している。海水浴のシーズンでは無いので今宵も
テントは一張だけ。

  別府湾に沿って

 28日 8:25 出発、晴。
 素晴らしい朝、昨日と同様の漁をしている漁船が昇る朝日にシルエットを浮かべている、
思わずカメラを取り出し写真を撮るとしばらく見惚れる。
 朝食を済ませて結露が乾ききっていないテントを撤収して出発、糸ヶ浜から丘陵の日出
広域農道を走り川崎から北上、日出駅の手前でk643に乗り日出市街に入る。役場の
前から暘谷城址に向かう、城下カレイの名前の由来になった城址は海から組上げた石垣が
残っている。しかし今は小学校の校庭になっていて入口にロープが張られ、見学を希望
する場合は校長の許可が必要との案内が架かっている、面倒なのでパスして先に進む。
市街を抜けてR10に乗る、高台の日出から左手に別府湾を前方に別府の山並みを見ながら
ゆっくりと下る、今日もバイクで走るには最高の気候。別府を通過し西大分駅付近から
k22に乗り臨海地域を走り大分市街を抜け、無料になった大野川大橋を渡り臨海産業道路を
進む。案内標識を見落とし日吉原まで走って引き返す、本来のコースに乗り坂ノ市駅を
目指すが、案内が無く駅付近で道を失い迷走する。道を尋ねる店や人影も無くまさか
近所の住宅をノックする訳にもいかず困惑する。ようやく年配男性が歩いているのを
見つけ臼杵への道を尋ね、無事にk205に乗る。県道k205は大分から臼杵への幹線道路
らしく交通量は多い、坂を登ると途中から臼杵坂ノ市道路となり、二つの長いトンネルで
峠を越える良く整備された走り易いコースだ。R217と交差すると再びk205に乗り田園
地帯を走り臼杵市街に入り臼杵城址に向かう。臼杵城址は石垣や大手門が残っているが、
大部分は市民公園や多目的グランドになっている、城址は小高い丘に在るが眺望は良く
ない、早々に退散。城の横からk217に乗り津久見を目指す、しかしスタートしてすぐ道を
失う、広い道なりに走ると突然に道が狭くなり住宅街に迷い込む、その後初夏にも迷走
した古い街並の残る地域や臼杵高校周辺を彷徨う。一旦臼杵駅に出て体勢を立て直し
駅前からk217に乗る、城を出てすぐの商店街を貫く狭い道がk217だったのだ。市街を
出ると海沿いを走る、今日の臼杵湾は水平線に靄が架かっているが穏やかで美しい。
 大泊から山間を走る、交通量は少なく走り易い。照明の無い狭い徳浦トンネルを抜け
津久見に下る、途中セメント工場の高い煙突が一瞬見えるが木の葉が茂り見通しは悪い。
セメント工場の場内を走り抜けR217に出る、佐伯に向かう県道k36はR217を少し戻った
ところから入るようだが市街を抜けるコースもあるはず、近くのスタンドで道を聞くと
丁寧に教えてくれた。踏み切りを渡り市役所の前を走り、路地のような狭い道を抜けて
スムーズにk36に乗る。この県道も佐伯への幹線道路のようで交通量は多い、山間部に
入り彦岳トンネルを抜け東九州自動車と併走して下り、田園地帯を走り東九州自動車が
合流してくると佐伯の西郊外。R217に合流したが右岸に渡る近くの橋はどちらに進むか
迷う、交通量の多いコースを西に走り橋を渡るが番匠川右岸に道路が無い、引き返し
豊南高校の近くの狭い橋を渡り右岸の堤防を走る、広く交通量のある道路と出合うと
R388だと思いこみ乗換える。しばらく走るがこの道は国道ではなく県道のような印象を
受ける、停車して地図で確認するとk37を走っているらしい。引き返し番匠川の堤防上を
走るとすぐに本来のR388と合流、茶屋が鼻橋を渡り少し走るとk501に乗る。田園地域を
走り小さなカーブを何度か繰り返し坂を登る、浦代隋道を抜けて林間を下るとすぐに
米水津に到る。穏やかな米水津湾に沿ってのんびり走り、豊後くろしおラインに乗り
換えると急坂を喘ぎ登る。登りきった所に「空の展望所」があり休憩、半島の頭頂部に
整備された展望台で鶴御崎から眼下の米水津湾までが美しく見える、薄靄が架かって
いるが四国の山並まで見えて見飽きない景観。
 ここから半島の断崖沿いを走り尾浦に下る。尾浦集落の手前で国道へ向かうコースに
進むべきところを広く直進しているコースを進み集落に入る、漠然と走っていると
良くやる失敗。漁港から引き返し尾浦トンネルで山を越えR388に合流し海沿いに下る。
海辺の小集落は裏山を貫く新道でパスして快走、小さな半島を幾つかトンネルで越え
道の駅「かまえ」で休憩。小さな入り江の続く海沿いを再び走る、狭い国道で集落の中は
特に狭くすれ違いは困難、対向車が来れば停車してコースを譲らねば。猪串湾沿いの
コースは水面から3m程度を走りガードレールのすぐ下は海面、風の強い日ならば波を
被りそうなコース。幸い今日は風も無く穏やかな湾に沿って小さなカーブを繰り返し進む、
対向車も無くフラットなコースだが道が狭くスピードは出せない、のんびりと風景を眺め
ながら走る。円を描くように猪串湾を廻り、小さな半島を越えると名護屋湾に出てk122に
乗る。名護屋湾の断崖を、厳しいアップダウンの繰り返しで湾を舐めるように走る。
今日は道路工事で交互通行規制をしている、何度も急坂の途中で停止させられバイクに
かなりの負担が掛かる。苦労してようやく波当津に到着、初夏と同じ場所に幕営。初夏に
パンクで途方に暮れた時、軽四にバイクを積んで延岡まで送ってくれた恩人のH氏を
訪ねるが留守。夕方人影を見て訪れると、H氏は佐伯に客を迎えに行っているとのこと、
彼に土産を預けてキャンプ場に戻り寛ぐ。

  五ヶ瀬川を遡る

 29日 8:20 出発、曇、蒸し暑い。
 出発準備をしていると昨夕の男性がやって来て、H氏がコーヒーに誘っていると呼びに
来てくれる。出発準備を整えてH氏のところへ行く、体験修学旅行の大阪の中学生が
朝食を摂っていて、彼らの世話をしているH氏と話す。しばらく語り合った後出発、
波当津川に沿ってk122を南下、杉林の狭い坂道を登ると横島展望所の案内がある、細い
急な道をしばらく登ると駐車場と小さな広場の展望台に出る。木立が繁り展望はあまり
良くないが、木々の間から左右の半島や横島が見える、曇りがちで靄も架かり見通しは
良くないが海は波も無く穏やか。展望所から戻り杉林の狭いコースを急なカーブと
アップダウンを繰り返し走る。田園風景が現れると北浦に出てR388に乗る、国道を少し
走り道の駅「きたうら」で休憩。休憩しているうちに天気が回復し晴れて来た、暑く
なりそうな予感。道の駅からR388は熊野江と須美江の浜を少し覘くだけで、内陸部を
延岡に直線的に走る。須美江ですみえ家族旅行村に寄り、旧道を走り新浦城トンネルを
パスする。旧道は小さな半島をカーブの繰り返しで走り、先端の浦城港から河口のように
細長い湾に沿って奥まで進み、R388に出るとすぐにk212に乗り先ほどの湾の対岸を走る。
入口は軽四がギリギリの狭さ、湾に沿ってカーブを繰り返し進むと、小さな川沿いを
内陸部に向かう。狭い急坂を小さなカーブで登り海岸の断崖上に出る、そこから
下った処が安井町の漁港。安井町から急坂を登り断崖上を走る、こちら側は二車線の
立派な道路となり対向車も来る。広く走り易く眺望も良い、見晴らしの良い場所では
地元の乗用車が停車している、海を眺めながら快走する。断崖から延岡港沿いに出ると
交通量も増え、右手に近郊農業地域の様相が広がるコースを走りR388に乗り換え、延岡
北郊でR10と合流して市街に入る。
 延岡大橋の手前からR218に乗り換える、市の中心部だと思うが町は閑散として道路も
空いている。郊外に出て五ヶ瀬川左岸を走るが、高速道路が無料区間のため見晴らしの
良い堤防上のコースをほとんど独走状態。平野を流れる五ヶ瀬川は、広くゆったりとした
清流。山が迫ってきた北方で高速が合流するとR218は大型車や乗用車が増える。北方から
少し遡るとR218は五ヶ瀬川沿いから河岸段丘上に分れて行くが、コースを川沿いの旧道に
取る。k237はギリギリ二車線の道幅で、両岸から山が迫り渓流の様相を見せて来た
五ヶ瀬川の流れのままにカーブを繰り返し走る。
 対岸に高千穂鉄道の廃線跡が続き、時折頭上をR218のアーチ橋が跨ぐコースは、対向車も
少ない快走路。
 神影大橋から高千穂鉄道の廃線鉄橋を眺め、旧日之影温泉駅跡に到り横の駐車場で今後の
予定を検討していると声が掛かる。横に軽自動車が停まり中年の女性が「どこを探して
いるのですか」と訊ねている。前の温泉に浴かるかどうか考えていると答えると、
高千穂に行くかと訊ねるので、行くと答えると、観光パンフレットを差し出した、
高千穂町の職員らしい。日之影温泉は旧駅舎を利用した施設で、一階で土産を販売し
二階は温泉とレストランになっている。駐車場の横には旧高千穂鉄道の車輌が二輌設置
され、宿泊施設になっていた。少し先の駐輪場にバイクを停め、500円を支払い駅舎二階の
温泉に浸かる。地元の老人達が数人休憩室を利用しているが、駅舎の中も周囲にも
観光客らしいのは見あたらない。温泉からは五ヶ瀬川の眺めが素晴らしく一人で
ゆったりと浸かる、もう少し時間が遅ければ隣の列車に宿泊しビールを飲んで寛ぎ
のんびりと過したい素晴らしい温泉。汗を流しさっぱりした後、受付の女性に青雲橋への
コースを確認して出発したが、青雲橋への入口を錯覚し川沿いに走り頭上に架かる
アーチ橋を見て間違いに気付く、地図で確認し引き返しk6に乗る。k6に入ると頭上に
青空を背景にした青雲橋が架かっている、停車してしばらく見上げた後県道から離れ
ローギャーでも厳しい傾斜を喘ぎ登り青雲橋の袂に出る。
 R218は広い台地上をアップダウンも無く走る、周囲は彼岸花で縁取られた刈入れ前の
棚田が広がる。時折現れる深い谷はアーチ橋で跨ぐ、遥か下には棚田や杉林が広がる
風景は、昨秋訪れた岩手のリアス海岸の台地を思い出す。途中、五ヶ瀬川の深い谷に
架かる天翔大橋の写真を撮り、高千穂に向かう。
 高千穂はさすがに観光客の車が目に付く、天気が良く観光には最適な日だと思うがパス、
国道で周辺を迂回して五ヶ瀬に向かう。緩い傾斜を快走して津花トンネルを抜け
五ヶ瀬町に入る、トンネルからゆっくりと下り日ごろ愛飲している焼酎「雲海」の工場を
過ぎて、役場前のコンビニで食料調達のため停車。Aコープのようなスーパーは無いかと
訊ねると、役場の横を入るとあるとのことお礼を言って向かう。初夏に来た時に町の
中心に商店街が無いのを不思議に思ったが、旧道沿いに市街が広がっていたのだ。
飲み物と夕食を調達して服掛松に向かう、国道から少し入った場所にある広々とした
キャンプ場。幕営の手続き済ませ、雨が予想されるので管理棟のすぐ前に設営。芝の
サイトは快適で職員の応対も好感が持てる、北に阿蘇連山の一部を見ながら寛いでいると
予約していたらしい家族連れがやって来て奥のコテージに向かう、今回は一人では
ないようだ。寛いでいると迷い猫が纏わり付いて五月蠅い、受付手続き中から馴れ馴れ
しく寄って来ていたが組み易しと舐められたのか離れなくなる。ここで餌を与えると
離れなくなるので無視を決め込む、しかし全く離れず付き纏って困っていると、管理員が
箒を振り回し追い払ってくれる、その後は私も箒で追い払う。夕方、雨が降り出し
管理棟に避難、七時過ぎに管理員が帰り、八時頃オーナーと名乗る男性がやって来て話す。
会議で宮崎から戻ってくると灯が点いているから寄ってみたとのこと。

 天草へ
 
 30日 8:20出発、曇。
 昨夜は寒かった、九州と言ってもさすがに山の中。雨は夜明け前から上がっていて、空模
様を見ながら出発準備をする。キャンプ場から国道に出る途中、管理員に行き逢い挨拶を
交わす。R218に出てすぐに馬見原の市街に寄る、石畳の道を走り小学校の前から南の
通りに出る。この通りが町の中心で商店街になっていて、石畳の両側に白壁の商店が建つ。
昔の宿場街の面影復元を目指し、更に建物の修復を続けているようだ。通りの西端で
五ヶ瀬川に馬見原橋が架かっている、この橋は二層式で下層は歩道でギャラリーにも
なっているようだ。橋を渡り川沿いを進み国道に出る、緩い傾斜を少し登るとR265が
阿蘇方面に分れて行き、ほとんどの車輌はそちらに向かう。R218は緩いカーブで
ゆっくりと下り清和地区の田園地帯に出る。文楽人形浄瑠璃を売りにしている地区で
道の駅には文楽館を併設している、準備中の道の駅を過ぎ田園地帯を更に走り通潤橋に
到る。橋の前に道の駅があり休憩、橋の上から写真を撮るため橋に向かう、黄金の田圃と
畦の彼岸花が橋を引き立て美しい風景だ。
 橋の傍に近づくと雨が降り出したので撮影は断念して道の駅に戻りしばらく雨宿りをする。
小一時間で雨が上がり出発するが浜町市街に入った所で再び雨が降り出す、役場の
駐車場に飛び込みしばらく雨宿り。再び出発、市街を抜けてR218に乗り万坂峠の登りに
掛かる頃、また雨が降り出す。今度の雨はかなり強く降って来たが、山間部で避難する
場所や雨具を着用する場所は簡単に見つかりそうも無い。万坂峠のトンネルを抜け
しばらく下ると資材置き場がある、雨は益々強くグローブはずぶ濡れになりジャケット
にも雨が染込み始めている、躊躇せずバイクを資材の隙間に突っ込み避難する。置いて
ある資材にかれている地名と地図を照合すると遠野という場所らしい。一時間余り
雨宿りをすると小降りになったので雨具を着けて出発、田園地帯に下り船津ダムを過ぎて
霊台橋を渡る、雨が降っているので霊台橋の見物はパス。三和のスタンドで給油後少し
先の佐俣の湯について訊ねる、宿泊は人気があり予約をしていないと困難、平日なら
可能だけれど一応宿泊の問い合わせをしてあげようと親切に言ってくれた。コース途中
だから寄って直接訊いてみますとお礼を言って出発。佐俣の湯は利用客が多いようで
駐車場に車が多く、足湯にも数人が座っている。ロッジを覗くと格式が高そうな外観で、
金曜日では訊くだけ無駄とパス。雨は既に上がっていたので温泉に浸かるのもパスして
前進。美里町に入って交通量が増加し西に進むに連れて更に増える、しかも道幅は
狭くなり走り難くなってきた。九州自動車道を潜りR3との出合に道の駅「宇城彩館」が
有り休憩。道の駅は冷房をしていて濡れた体には寒い、温かい物でも食べようと思うが
食堂が無い、弁当を購入し休憩室に移る。昼食を摂り身体も温まってきたので雨具を
脱いで出発。
 k181を西に向かいR266に合流し八代海に沿って走る、海のすぐ横を走っているのだが
防波壁が連なり海は見えない。時折雨が降りしばらく雨宿りをしたりしながら三角に到る。
車の流れに従って走っているといつの間にか三角の市街に入っていた、国道から
外れたのは気付かなかったが三角線の踏切を渡った記憶がある。市街は道が狭くコースが
判り辛くなる、国道との交差点の信号待ちで後ろの軽自動車の女性に道を訊ねる、
直進してすぐに左折して右折すれば天草へのコースに乗るとのこと。教わった通りに
走るとすぐに天草1号橋を渡る、雨も上がり空が明るくなり大小の島々が美しい。
大矢野島は内陸の車が多いコースを走り、島の南端から残り四つの橋を一息に渡る。橋の
両側には小さな島が点在する美しいコースだが、流れに乗って走り景色を見る余裕は無い、
すぐに通過して上島に到達。上島は八代海に沿ってR266を走る、ほとんどの車はR324に
向かう。集落もほとんど無い海岸沿いをのんびり走る、変化の少ないコースで退屈する頃
姫戸に到る。キャンプ場は近い慎重に走らないと、トンネルを二つ抜けると
キャンプ場への案内、港に沿って走り諏訪公園に到着。管理人が居らず案内に従い自宅に
連絡、家人がすぐに向かわせます、サイトは自由ですとのこと。海水浴場の
キャンプ場だが漁港側に芝のスペースがある、テーブル近くの好サイトに荷物を降ろす。
天気は回復しており、テントを張り終えると漁港を眺めながらビールを飲み寛ぐ。小さな
川の河口の小さな入り江を防波堤で囲った漁港、その北側の防波堤の付け根が今夜の
我が家、右手は漁港で左手は砂浜が続き快適そう。五時を過ぎても管理人が来ない、水が
出ないと夕食に困る、自宅に電話しても今度は留守、管理センターに電話していると原付
に乗った管理人がやって来た。最初は文句を言っていたが話していると好人物で心が和む、
快適そうなので連泊をすることにした。夜は夜釣りの人が来るし朝はウォーキングの
人が来る、住民に親しまれている公園だ。

 天草周回

 10/1日 8:00出発、晴。
 R266に出て湾の対岸に廻り、断崖沿いを八代海沿いに出る。穏やかな八代海が広がり、
その先に九州本土が横たわる。畑地の狭い道を走り高戸に到る、小さな漁村で道は狭い、
この先から樋島方面への橋が通じていて車が何台か出て来る。龍ヶ岳の裾野が海まで迫る
海岸は絶景コース、海岸を丁寧に巡り小さな漁港を繋いで走る、大道漁港から数多くの
島が浮かぶ西方の眺めも素晴らしい。龍ヶ岳を半周して、今度は倉岳から矢筈岳の裾野を
巻いて、海沿いの段丘上のコースを走る、眺望は良好で途中宮田の漁港に寄り、栖本に
到る。栖本の馬場からk283で下浦に廻り再びR266を本渡瀬戸に向かう。瀬戸大橋前で
R324と合流し交通量は非常に多くなる、しかも今日は土曜日で観光客の車も多い。車の
流れに乗りループを登り、景色を見る余裕もなく短い橋を渡ると再びループで本渡に下る。
 本渡からk26を走る、ほとんど車が走っていない。田園の広い道を走りこのまま広い
コースが続くのかと思ったが、海沿いに出ると狭くなる。更に内陸を走り宮地浦に出る、
ここからは海岸沿いの淋しい風景を進む。海岸線を丹念になぞり小さな入り江ごとの
漁村を通り過ぎて走る、南部に到ると更に道路は狭くなる。海まで迫る山裾を縫って走り、
深海湾・浅海湾の海岸線に沿った見通しの悪いカーブが続くコースを進む。山の浦、
大の浦の集落内は左右の民家の軒下を通り抜けるように走り久玉浦でR266に合流、
R266に乗って牛深市街に入る。牛深は明るい南の港町の印象、好天でもあり白く輝く
外国の漁師町のような佇まい。港からハイヤ大橋に乗る、小島が点在する左右の海は波も無く、
青い海と青空そして白い街並のコントラストが美しい、ここまで走って来た甲斐がある。
 写真を撮った後、橋中央の信号を左折しループを回って下須島に降りる。下須島の中央を
突っ切り砂月浦に出る、両脇から半島に包まれたような入り江は長い砂浜が続く。眺望は
いま一つ、どちらかの半島に行けば海の景色が素晴らしいとは思うが、バイクでは途中
までしか行けないようなのでパス。ハイヤ橋に戻り須口浦側に下りk35乗る、漁港前を
通過していると目の高さに鳶が舞い降りる、何度も舞い降りるが車が通過するので舞い
上がる、何を狙っているのかと路面を見ると蛇が道路を横切っている。蛇も狙われて
いるのに気付いているようで、車の合間を縫って精一杯のスピードで渡っておりその
必死さが伝わる、結末は見ずに横を通り抜ける。内陸を走り茂串湾に出る、海底まで
見える澄み渡った海岸が続き、養殖筏が浮かぶ湾の先に前崎が美しい。
 湾沿いに走り、黒石海岸と名付けられた低い磯海岸を進む、ガードレールのすぐ下まで
波が寄せる美しい快適コース。この好天下にこの美しい海岸線を走れるのは、ライダーを
やっていて良かったと心から思う。魚貫から内陸を走り亀浦、早浦と廻りR266に乗る。
田園をしばらく走りR389に乗り換える、整備された走り易い国道だが通行車両は無い。

  天主堂

 羊湾沿いを走り長いトンネルを抜けると、崎津に到る。トンネルを抜け、橋を渡って
 すぐの信号で崎津天主堂への案内、左折して集落に入り細い道を進むと教会への案内。
教会は丘の上に立っているものと勝手に思い込んでいたので戸惑う、通りかかった女性に
尋ねると、左に行くとすぐとのこと、路地のような狭い道に入るとすぐに崎津教会に到る、
その先は海がすぐ近く。津崎の市街は閑散として物音一つしない、教会には一組の観光客
が居るのみで静まり返っている。
 教会の敷地に入り天主堂の写真を撮り礼拝堂を見学、礼拝堂から出てきた時カメラを
持った地元の人らしい男性が、湾の向こうに公園がありそこから見た教会が美しいと
教えてくれる。教会の先の水辺に立ち対岸を確認、その後傍のお土産屋の男性に今後の
給油所情報を訊ね出発。教わった通り橋の信号を直進すると、入り江の奥に沿って右折し、
交番の前から道なりに右カーブをして橋の下を潜り対岸に出る。すぐに小さな公園に着くと、
対岸正面に教会が見える。海に浮かんだように佇む崎津の家並みの上に屋根と塔が
出ている、海の天主堂とも呼ばれているのがよく理解できる景観。
 橋の信号に戻り整備された国道を大江に向かう、崎津の市街から海沿いを走りたかったが
ガスの不安があるため遠回りは断念、山間を高速道路のようなコースで小さなトンネルを
幾つか抜けると、左前方の丘の上に白い大江教会が見える。集落に入り教会への坂道を
登る、二組ほどの観光客と土産物屋だけでセミの声だけが響いている。礼拝堂の見学は
パスして高台からの眺めを楽しむ。青空を背景に建つ白亜の塔は、絵のようなと月並みの
表現がぴったり。
 丘を下り集落の小さなスタンドで給油、集落内の狭い道から山間の急坂に入り、荒尾岳の
東麓を巻いて海岸に出る。海に落ちる断崖の横腹を縫って進むコースは、狭く見通しの
悪いカーブが続く対向車も無く絶景コース。高浜に出て再びR389に乗る、ここでは国道は
狭い田舎道となっており、高浜市街を通り抜けると山腹の小さなカーブを繰り返し下田温
泉に到る。ここから本渡にショートカットコースがあるが、今後天草下島を走る機会は
無いかも知れない、予定通り天草外周を完走することにする、キャンプ場には17時までに
帰れば良しとしよう。下田温泉から海岸に沿い東シナ海を見ながら快走、北部の
田園地帯に到ると国道は富岡方面に向かうが、四季咲岬をパスして県道を直進する。
農地を直進して志岐交番前からR324に乗り換える。志岐市街を抜けて海沿いを走る、渚に
沿ったフラットコースで走り易いが交通量は多い、土曜日の午後だから近場の観光客が
多いのかも。通詞島の手前で海上に島原半島が浮かび雲仙岳が聳える、靄が架かり
鮮明では無いが美しい眺めだ。鬼池港を過ぎるとコースは段丘上を走り、更に内陸を
南下し本渡に到る。市街は信号が多くまた交通量も多いので走り辛い、右左折車輌が多く
スムーズに走れないのと疲労でイライラする。瀬戸大橋を渡り上島に戻りR266に乗る、
大半はR324に向かうので空いている。栖本からk34に乗る、国道よりかなり
ショートカットになる筈。家並の間の細い道を抜け農地に出ると広い道と合流、こちらが
k34の新道で田園地帯を河内川沿いに北上する。k34は集落内では狭い箇所もあるが
整備されて広く、交通量も少なく走り易いコース。河内から山間を走り、教良木ダムから
高原状の田園地帯を抜けk277に乗り換える。k277でカーブを数度繰り返し二弁当峠に
向かい、峠を短いトンネルで越えて下ると姫戸に出る。姫戸からはR266に乗り換え、
途中のコンビニで食料を調達しキャンプ場に戻る、予定していたより30分程早く戻れた。
夕暮れ間近のキャンプ場から眺める入り江が美しい、ビールを飲んで寛ぐ。今日は、
天草の広さを十二分に知らされた、島は狭いものと勝手に思い込でいたのが間違い。
今宵は同宿者がある、地元の人らしき30前後の三人の男性がやって来て幕営準備を始める、
車とバイクでやって来てホームセンターテントを張るグループ、声を掛けるが反応は
いま一つ。就寝寸前に二人の男性がやって来て一緒にみませんかと誘ってくれるが、
就寝モードに入っているので辞退。声を掛けた夕方に誘ってよ。