60_60_30 零半乗

50ccバイクでの走行記録

九州 2011秋(2)

2012年02月15日 | 九州
九州 2011秋(2)


  島原半島

 2日8:30出発、曇。
 キャンプ場からR266を姫戸に向かい途中のコンビニでゴミを処分して昨日の帰路を走る。
姫戸からk277に乗り、山間の小さなカーブの繰り返しで二弁当峠を越え、k34から
k290へと乗り換え田園地帯を北上。緩い下りで島原湾沿いの知十に到りR324に乗り、
すぐに知十橋を渡り内陸を進む。R324は、結構交通量が多くスピードも出している、
慎重に走らないと。道の駅「有明」の手前からコースは海沿いを走る、島原湾に沿った
単調な走りで瀬戸大橋に到る。瀬戸大橋を流れのまま渡り、本渡市街から昨日のコースを
逆行し鬼池に到る。右手海上を小型のフェリーが港に向かっている、グッドタイミングの
到着。港に行くと数台の乗用車と10台近くのバイクが停まっており、フェリーは接岸する
直前。乗船券を購入してバイクの列に並ぶとすぐに乗船開始、バイクが先頭で乗船する、
港に到着して20分後には出航。高曇りで景観はいま一つだが、海上は穏やかで30分の
船旅は快適であっけなく口之津入港。
 下船するとすぐ前は国道、歩行者用の信号はあるが車用は無し、職員は乗用車を誘導して
いるがバイクは勝手に行けと言う感じ。幸い通行車輌に切れ間が多くスムーズに右折して
R251に乗り島原に向かう。R251は海沿いの快走路だが交通量は少なくない、島原湾を
眺めながら走ると原城の案内。案内に従い右折して畑の中を進むと城址に到る、周囲は
何も無い畑で城址は海に突き出した高台でわずかに石垣が残っているだけ。島原の乱の後、
徹底的に破壊されたと説明がなされていた。城址に立つと天草や有馬の海岸線が美しい。
R251に戻り島原湾を眺めながら走る、島原湾は海ばかりの単調な景色で走りも単調になる。
布津を通過した辺りから正面に雲仙が見えてくる、雲が架かり靄も立ちこめ鮮明には
見えないが、雄大さは感じ取れる。道の駅「ふかえ」を通過し島原市街に入る、島原は
海岸に沿った細長い街並で、信号や交通量も多く走り辛い。イライラして市街の北部に
ある島原駅に到達、島鉄グッズを購入して再び南下、島原外港で給油してR57に乗り
雲仙に向かう。
 雲仙の溶岩台地への緩い登りを走り水無川の橋に到ると、川の上流に雲仙が聳えている。
溶岩と火山灰のみの荒涼とした風景が橋から山頂まで広がる、雲は既に架かってなく曇り
空を背景に聳え立つのは普賢岳か、思わず写真を撮る。畑中の緩い登りを走り古江名の
集落を過ぎると山間の登りとなる、林の中のコースで見通しは悪く傾斜はきつくなる。
急な坂を小さなカーブの連続で登る、観光客の乗用車も多く緊張の連続で峠に到る、
空池から新田峠へのコースが分れているが、今日は絶景が期待できないしバイクの負担も
考えてパスする。雲仙温泉に下ると大型観光バスがたくさんやって来ており観光客が多い、
雲仙周辺はキャンプ場も多く観光の拠点に出来るが、標高が高く夜の寒さを考えると
躊躇する、雲仙観光は完全にパスすることにする。急カーブが連続する急坂をブレーキの
多用で下り、西海岸の小浜に到る。

  長崎

 ここで今日の宿泊を検討し、長崎市まで進むことにする。走り出した国道は、日曜日の
午後で近在の乗用車やバイクで混み合っている。北上してすぐに海沿いのk201に乗る、
狭くカーブが多くまた狭いトンネルが二箇所あるコースだが、対向車も少なく走り易い。
千々石でR251を少し走るが混み合っている、再び海岸沿いの地道に乗り換える。広く
フラットで交通量は少ないが、路面は荒れているためスピードは出せない、本来の
道路ではなく護岸の一部かも知れない。釣人の車が駐車しているが何処で行き止まりに
なるかと不安を抱きながら進む、先行車が何処までも進むので付いて行くと集落に到る。
集落内の狭い道も先行車に追随するとR251に出た。後続車もありこの道は、地元の人が
国道渋滞時の抜け道として利用しているようだ。R251は混み合っており走り辛い、
ほとんど内陸の高台を走るが景観は単調なコース。戸石から海沿いを走り矢上大橋を渡る、
有料のためほとんどの車は上流の橋に向かい独走に近い状態。切通でR34と合流、流れの
ままに急坂を登り新日見トンネルを抜ける。トンネルから下ると路面電車と併走し混雑
する市街を走り、市役所付近の複雑な信号に戸惑いながらも長崎駅に到着。しかし見渡す
範囲に東横インは見えない。北角のスタンドで訊ねるともう少し南とのこと、R206を
南下すると少し離れたところに見つかる。宿泊手続き後、ガイドマップと夕食を入手する
ため駅に向かう。観光客と市民で駅周辺は混雑している、後に分かったことだが
「長崎くんち」の前夜祭が始まっており、長崎で宿泊できたのが奇蹟だったのかも
しれない。今回で初めての宿泊。

  長崎半島

 3日 8:05 出発、曇。
 ホテルの周辺は一方通行で複雑だが、昨日駅に出かけたとき下見をしておいたので、
ホテル横からスムーズに東に走りR34に乗る。今朝のR34はかなり空いており快調な
走りで、新日見トンネルも難無く抜けることが出来た。トネルを抜けるとすぐに信号が
ある、対向車が途切れていたので右折して住宅街に下る、道なりに走りペンギン水族館
からk34に乗る。住宅街を走り抜けて海岸段丘に登り、アップダウンと小さなカーブを
繰り返し山間の小さな集落を繋いで行く。コースのほとんどは狭く集落内は更に狭く
オマケに工事区間が多く、対向車に気を抜けず緊張を強いられる。赤崎鼻は半島の山襞に
沿ってブラインドカーブの連続で進む、東の海上に雲仙岳を見て茂木港に下る。茂木は
静かな漁港の集落、R324を利用すると長崎駅からここまで今朝から走って来た三分の一
ぐらいの距離。茂木から再び段丘に登る、狭くカーブの多いことには変わりないが、
コースの周囲は枇杷畑が続く、さすがに枇杷の産地。山の斜面や農家の庭にまで
枇杷の木が植えられていて、海岸沿いの山襞を走っているのに海が見えない。大崎地区は
特に枇杷栽培が盛んなようだ、ここから南に進むとみかん畑が混じるようになり、道端に
無人販売所があり青いみかんを販売している。15個ほど入って100円で販売しており一袋
購入。千々町辺りまで南下すると天草が見える。更に南下して為石に下り、川原の渚沿い
に少し走ると再び段丘上に登る、コースは広くなり整備状態も良くなった。みかん畑や
南方風の明るい樹林帯を走ると亜熱帯植物園の案内が現れる、入口へのコースを辿ったが
園内は車輌走行禁止。入場を断念して元のk34に戻り脇岬に向かう。
急カーブを繰り返し脇岬に到る、R499に乗り漁港からk200で樺島大橋を渡り樺島に
渡る、樺島の漁港を通り小学校横の細い道で山間に入る。低潅木の中を登り島の南側に
出て海に落ち込む断崖の中腹を縫う狭いコースを走り樺島灯台を目指す、草原のコースは
路面が荒れて走り辛い。前方に灯台が見えてくると再び低潅木の急坂を急カーブで登る。
 登りきった所は低潅木に囲まれた駐車場になっていて、灯台は潅木の中のスロープですぐ。
灯台からの眺望は良好だが生憎の曇天、野母崎がすぐ隣に見えるし南は海原が広がって
いる。灯台から往路を逆に走り脇岬に戻り、R499で野母崎を目指す。砂浜に沿って走ると
すぐにk34に乗り換え野母に向かう。野母崎は徒歩でしか行けないし権現山は登りが
厳しい、どちらもパスして野母港に行く、細い入り江の奥の静かな漁港。R499に引き返し
海沿いに出ると軍艦島が間近に見える、いつまでも軍艦島を左に見ながら、少し波が
高ければ飛沫をかぶりそうな渚コースを北上。黒浜を過ぎて内陸に入る、丘陵地帯の
集落を狭い道で通過して行く、海岸沿いのコースを走り伊王島に寄るつもりでいたが
今日の目標を佐世保に置いていたので、長崎へのショートカットを選択。長崎湾沿いに
出ると道は広くなり整備されている、周囲は長崎の郊外住宅地の様相、乗用車や路線
バスで国道は混み合っている。

  西彼杵半島

 長崎湾を跨ぐ女神大橋を渡るため右折して段丘に登りコースに乗る、橋に向かう車は
ほとんど無い。女神大橋は無人の料金所、ゲートで原付料金の請求が表示されたが
どうして原付と判定したのか確認したいが後続車が来たので諦める、賽銭箱に10円を
投げ入れるとバーが上がったがこれも不思議、そんな精巧な料金箱とは思えないのだが。
橋はかなり高いところに架かっており、造船所など長崎湾が良く見える。橋を渡ると
すぐに大浜トンネルを抜けR202に乗り、大浜町の海岸沿いに出る。段丘上を走り小さな
泊り毎に海岸に下り小さな岬をトンネルで抜け、アップダウンやカーブを繰り返し、
高曇りとなった明るい空の下を快走。コースは東シナ海を眺めながらの変化に富んだ快走
路、集落内では狭くなるが道幅は十分、通行車輌も地元車のみで集落を離れるとほとんど
走っていない。多以良町は、やや大きな集落で大村湾から長崎市街、諫早市街が間近な
活気を感じる町、東シナ海漁業の中心漁港のようで大型トラックが多い。畝刈町の市街を
走り段丘への登りの途中でガス欠、すぐ近くのスタンドに引き返し給油。畝刈町を出ると
更に交通量が減り、周囲の印象も長崎の近郊地域から田舎の海沿いに変わる。山襞に
沿ってカーブとアップダウンを繰り返し小さな半島に出ると道の駅「そとめ」が在り休憩。
 道の駅は時分時でかなりの利用者が居た、バッグを整理しベンチに小銭入を忘れたが
気付かず物産館に行く。鯵のフライが安くて美味そうなので購入、代金を支払おうとして
小銭入が見つからないが、置忘れたとは思わない。外のベンチに座りバッグの中身を
ひっくり返したが小銭入は無い。先のベンチの周囲を探していると先ほどから居た男性
グループの一人が、「財布を置忘れましたか」と声を掛けて来る。返事をすると、レジに
預けたとのこと、お礼を述べて受け取りに行く。R202に戻り東シナ海を眺めながら、
段丘と集落のアップダウンを繰り返して快走、大瀬戸に到る。大瀬戸は西海市の中心で
やや大きめの町、西彼杵半島の中心地でもある。下校中の高校生が目立つ市街を通り抜け
内陸の田園地帯を北上、ちょうど稲刈りの最中で大勢が共同作業をしている。稲刈り機で
刈り取り何人もがハザに架けている、コンバインではなく稲刈り機は珍しい。小さな
田圃だけではなく、周辺全ての田圃にハザが並び天日干ししている、最近では珍しい
風景が広がる。北側の海岸が見えると正面に大島大橋が見える、南串島へゆっくりと下り
七釜に到り、中浦から地道を山に向かい伊佐ノ浦を目指す。天気も良くなり夕食も確保
できているので、少し早いが伊佐ノ浦キャンプ場で寛ぐことにした。緩い登りで山間を
抜ける低潅木のコース、背中には大島が美しく広がる、農道だが佐世保へのショート
カットルートになっており走り易い。伊佐ノ浦公園へのコースに乗り換え受付で手続き、
環境のいい公園でサイトも快適、受付の係員も巡回の係員も好感の持てる人達。夜間は
完全に一人となる。

 崎戸島 

 4日 8:25出発、曇。
 出発準備中、トイレから戻って来ると犬を連れた私より少し年配の男性が声を掛けて
くる、以前垂水に住んでいてこちらに戻って来たと話す、しばらく話すと帰り際に
美味しくないがとレジ袋一杯のみかんをくれる。どうやら誰かに神戸からのキャンパーが
幕営しているのを聞いて、神戸が懐かしくて会いに来てくれたようだ、出来れば夜に
お酒を持って来てくれればよかったのに。管理事務所に寄り宿泊証を返却、農道に乗り
低潅木の林を抜けて畑地に出ると、正面に大島から崎戸への風景が広がる絶景。中浦から
R202に乗り大島大橋に向かう、太田和郷でk52に乗り換え大橋に進む、大橋は通行料金が
不要になっている。西彼杵半島の集落名には○○郷と付くのが多い。
 大島大橋で寺島に渡り、県道はk243となり寺島大橋を渡り大島に到る。大島で県道は
k15となり山が迫る南岸を走り蛎浦島に渡る、蛎浦島の西海岸で右折して崎戸橋への
ループを登る。崎戸橋で狭い入り江を渡りそのまま高原状の草原を走る、道路の状態も
良く海を眺めながらの快走コース。草原にはアウトドア施設が広がり、全体がリゾート
地帯となっている。高原から下り短い海峡を渡り崎戸島に到る、崎戸島に渡ると狭い道で
かなり急な坂を登る、登り詰めたところにホテルが建つ。ホテルからも周囲の海が良く
見えるが、ホテルの奥に岬が伸びており遊歩道が続いている。遊歩道の入口に駐車し岬に
行く、海に突き出した岬の先に北緯33度展望台があり、傍には旧軍の対潜聴音施設が
残されている。しばらく展望台から海を眺めた後、バイクに戻り往路を引き返す、
崎戸橋のループを下ると右折して崎戸港に向かう。漁港とマリーンリゾートが一緒に
なった明るい港、ちょうど展望台から見ていた小さなフェリーが出航して行くところ。
港を半周したが人気が無く静まりかえった町、崎戸の中心で支所やスーパー、公民館の
ある一角も静かだ、午前も早いからかもしれない。港にはフェリー待合の建物が建って
いるが、一日一便の発着時だけ窓口が開き、フェリーに合わせて路線バスも来ていた。
k15に戻り大島大橋で写真を撮りR202に乗る、海岸沿いを北上して面高に方面に向かう、
西海橋にはR202を少し戻りk43に乗れば直線で半分ぐらいの距離で住むのだが。面高で
港に少し寄り内陸に向かう、田園地帯でこの辺りも稲刈りの時期、黄金の田圃と
ハザ掛けの田が混ざり合っている。川内郷で海岸に出てk43と合流し少し先でR206とも
合流、大型トラックや乗用車の流れに乗り西海橋を目指す。ゆっくりと走り橋からの
眺めを楽しみたかったがそんな余裕は無い、流れのままに渡り針尾島を走り抜け東岸で
R205に乗り換える。

  佐世保

 針尾島は西海橋から沿道に植林され見通しが悪い中を走り、田園地帯に入るとすぐ乗り
換える。R205は新しく広い道路、交通量はあまり多く無く走り易い。佐世保のバイパス
なのだが途中から有料になるから利用が少ないようだ、針尾島を過ぎ有料と合流する。
先に進むコースを探して海側の住宅地を迷走、有料道入口に戻り側道を走るが途中から
住宅地に入らされ複雑なコースで迷走する。信号待ちで隣の車にコースを確認して日宇駅
付近からR35に乗り佐世保駅に向かい、国道は混雑し路線バスも走っているので走り辛く
苦労して何とか駅前に到達。佐世保駅前の国道も混み合っている、観光案内所に地図を
貰うために駅前広場に入るのも苦労しそう、国道で客待ちしているタクシーに展海峰への
行き方を訊ねることにして、タクシーの前方にバイクを停め歩いて行くと運転手は快く
ドアを開けてくれた、神戸から来たのですねとにこやかに丁寧にコースを教えてくれた。

  展海峰

 運転手に教わったとおり、目の前の信号を左折して松浦鉄道の高架を潜り、西九州
自動車道の高架沿いのk11に乗る。工事中で走り辛いがすぐに海岸に沿ってカーブする
広いコースを走る、目印の佐世保重工前を通過し二股の分岐を左に取り傾斜を登る、
ここからはk149を走る。k149は狭い急坂を登り山の中腹を巻いて西側の海岸に出る、
海沿いの集落を狭い道で通り抜けると、急な登りの狭い道をカーブの繰り返しで進む。
T字路にぶつかり展海峰の案内に従い右折、少し走ると再び右折の案内があり急坂を登る。
登り切った所が駐車場で、バスや乗用車でほとんど満杯。昼時のためか人影はあまり
目立たない、駐車場の前はコスモス畑で満開の中を何組もの観光客が散策している、その
前から低い丘を登るとその上が展望台になっている。丘を登り展望台に立つと九十九島の
南部から佐世保港の眺望が素晴らしい、雲は多少浮かんでいるが晴天で海が青い、来て
よかったと思わず声が出る。
 展望台には私より少し年配の男性が二人居て、一人はカメラを据えた福岡の人、もう
一人は地元とのこと。風景や九十九島の展望ポイント、写真の話をする、地元の人に
よれば今日はいま一つとのこと、靄が架かって鮮明さは無いからその通りだろう。福岡の
男性は九州の色々な風景を撮影しているらしく話が弾んだ、地元の人は最高の景色を
何度も見ているから評価が厳しいと。福岡の男性は以前、夕日を写しに行った時きれいな
夕日が沈む直前に地元のカメラマン達が今日は駄目といいながら引き上げた、残って
撮影している自分は随分つまらない物を撮っている人間のように思えたと苦笑。話は
尽きないが先があるので10分ほどで出発、展海峰のあるこの半島の南端から細い海峡を
隔てて面高の在る半島はすぐ近く、円周の95%ぐらい回って来たのか。
 二股の分岐まで往路を引き返し左折、短いトンネルを抜けて大都市近郊の住宅団地の
並木道のようなコースを走りk11に乗る。k11は新しく拡張工事がされたようで広く走り
易い、県立大学の手前でk139に乗り換える。k139も新しく整備された広く交通量の
少ないコース、相浦川を渡って右に右折すると道幅は狭くなる。相浦の市街を走り
小浦駅の先で左折し、佐々川を渡りk18に合流。田園地帯を走り田原免でk139と別れ
海沿いを走る、この辺りの集落名には○○免と付くがどんな意味だろう。海際の小さな
集落を順番に巡る狭いコース、しかし海岸に出ることは少なくほとんど海は見えない。
九十九島展望スポットの案内が幾つも現れるがパスして北上、ボチボチ今宵の宿泊地を
考えないと。鹿町の市街を抜けると内陸に向かい、鹿町川沿いに田園地帯を走り、松浦
鉄道を股線橋で越えR204を渡り江迎の市街に到る、R204は狭い上に交通量も多い。
 今日は白岳国民休養地で幕営することにして、市街を少し南下したスタンドで給油し
スーパーの位置を訊ねる。教わったとおり国道を走るとすぐにスーパーがあり、酒類や
食料購入。刺身類も新鮮で安く迷うが地元産ヤズに引かれ購入、しかしヤズが何の魚か
不明、私よりやや年配の男性に訊ねると、「ブリの小さいのです、ブリは出世魚ですから」
とのこと、「ハマチですか」「いいえ、その前です」、名前が浮かばないのでお礼を言って
別れる。駐車場で積荷の整理をしていると件の男性が出て来る、挨拶をして「私どもの
辺りでは、先ほどの魚はツバスと呼んでいます」と言うと、「どちらからですか」と聴かれ
神戸からと答えると「ああ、関西ではそうですね」と言って旅の話を訊ねるので少し話す。
市街に戻りk61で白岳を目指す、農地の緩い傾斜を登りT字路で右折してk144に乗る。
平戸から伊万里、有田方面へのショートカットになっているのか広く立派な道路、林間を
しばらく走ると休養地の案内に従い林の中へ右折。総合運動公園になっているみたいで
駐車場はかなり車が停車していて大勢の老人がグランドゴルフをしている。受付の場所が
分からない、とりあえず園内案内図を見てサイトを見に行く、奥の静かな場所と言えば
聞こえは良いが淋しく荒れが目立つサイト。今更別の場所を探すのも困難ここに幕営する
として、手続きのため駐車場に戻り受付の場所を尋ねるためレストランに行く、定休日の
札が掛かっていたが、ドアが少し開いているから声を掛けると応答があり、ここが受け
付けですとのこと。休みだが少し覗きに来たところだと幕営手続きを受け付けてくれる、
ネットか何かで知ったのかと訊くから、地図に紹介されていたと回答。料金はいくらと
書いていたかと再び訊かれ、千円と回答。彼は、言い難そうに昨年佐世保市と合併して
料金が二千円になっているとのこと。どうしますかと訊かれたが、夕食も用意しているし
手続きを進める。すぐ傍のオートサイトで幕営するように薦められたので、有難く従う。
小高い丘で林に囲まれたサイトで今の季節では薄暗いが、眼下に芝の多目的スペースが
広がるテラスに幕営。夜半に雨音で目が醒める、外に出てシートを掛けたがかなり前から
降っていたようだ、降るのは明日の午前中からと思い込んで油断していた。

  田平教会

 5日 9:55出発、雨。
 夜から雨が続いている、7:30頃小止みになったのでテントを撤収しレストラン玄関下に
避難、荷造りの余裕が無いので適当に積み込み二往復する。雨模様を眺めながら撤収
作業を始める、ストーブや食器等を朝食用に外に出したままだったので、先ずそれらから
手入して荷造りをする。9時半頃若い職員がやって来て、しばらくすると昨日の男性も
やって来たが、定休日の札は掛かったまま。予定を聞かれたので日帰り温泉で時間を
潰すつもりどこか無いかを訊ねると、平戸の入り口のホテルを薦めてクーポン券をくれる。
小雨が降っているので雨具を着用して出発、昨日のコースを引き返しk144からk61に
乗り換え江迎に向かう、k61を下ると正面に平戸島が横たわる。江迎からR204に乗り松浦
鉄道に沿って北上、末橘免から大きなカーブで台地の上に出て道の駅「たびら」で休憩。
朝食とトイレを済ませコースを確認し出発、国道を少し戻りk221に乗る。台地の畑地を
走る広く整備されたコース、しかし集落近くでは狭い箇所があり交差するたくさんの
地道との見極めが難しい、交差する地道が立派な場合が多いし案内やルート№表示も
無い。不安を感じながら走ると前方に天主堂が現れる、コースは間違っていなかった
ようだ。駐車場にバイクを停めて西側に廻り正面から天主堂を眺める、生憎の曇り空でも
レンガ造りの教会は美しく映えており、観光客の姿は無い。
 正面から礼拝堂に入ると、ステンドグラスが美しい、全ての窓がステンドグラスで飾られ
キリストの生涯を表している。しばらく見とれてしまう、入口から奥に観光客は入れ
ないが、正面と左右に入口が有り全てのステンドグラスは前面から眺めることができる。
教会の周囲を一廻りしバイクに戻り出発、少し走ると細い道に入り急坂を下り海岸に出る、
海岸から右手を見ると平戸大橋が美しい。急坂を戻りk221の一路西側の地道を北上、都市
公園の外周道路のようなコースを走りR204に出合う、すぐに平戸へのR383との分岐に
出るがそのままR204を進む。田平の市街からk152に乗り段丘上を走り野田免に到り、
案内に従いホテルに向かう。元国民宿舎のホテルとのことで気兼ね無く入れそう、日帰り
温泉としての利用も多いようで駐車場は満杯。玄関を入るとロビー一杯に地元野菜が
並べられヘルスセンターのロビーのような趣、フロントも脇に押しやられている感じ。
フロントで訊くと宿泊料金は1,4000円とのこと、ウソ。立ち去ろうとするとビジネス
コースだと朝食のみで8,000円弱とのこと、考えさせてもらうとバイクに戻る。他を
当たって適当なのが見つからないとここにするか、チェックインを聞いておこうと
引き返す。チェックインは15:00とのこと、その頃伺いますと去りかけるとその頃では
部屋が塞がるかもしれませんよと言われる、チェックインまで温泉に浸かって待てるか
訊くと、可能で料金は不要とのこと、宿泊する。フロントに荷物を預け1Fの温泉に行く、
数人の若い人が浴かっている、露天風呂のあるテラスからは平戸瀬戸を見下ろし、正面に
は平戸港と平戸市街が広がる。曇り空だが市街は良く見える、港の左横の丘に平戸城、
港の奥にはザビエル記念教会の塔屋そして港の右の海岸に復元されたオランダ商館、南蛮
船が浮かんでいても不思議で無い眺め、ここに泊まって良かったと思える景観。湯上り後
2Fロビー前のテラスに出て平戸市街をゆっくり眺めた後チェックインを済ませる。部屋は
平戸瀬戸に面し晴れなら夕日が美しそうだ、内装は外観以上に立派な広い部屋だ。
パンフによると四人で一部屋、一人当たり一万円弱の料金が表記されているが一人で
泊まる場合は40%も割増を取られるのだ観光地はどこも同じようなもの、最近の一人旅は
本当に宿泊に困る。回転寿司のテイクアウトを購入して部屋で寛ぐ。

  平戸

 6日 8:50出発、晴。
 昨日と打って変わって良い天気、朝食後 2Fのテラスに出て平戸市街をゆっくり眺めた後出発。
 昨日のコースを戻りR204からR383に乗り換え、平戸大橋を渡り平戸に上陸、天草と共に
今回のツーリングで最も期待していた処。上陸後すぐの信号を左折、平戸大橋バイパス
から内陸を南下し千里ヶ浜に到る、入り江沿いのコースを川内町から水垂町と通過し、
京崎から内陸を走り宝亀町を通過。丘陵地帯を抜け田園地帯を走ると集落の家並の上に
白い塔が見える。紐差の集落で丘の上に紐差天主堂が建っている、停車して写真を撮り
丘の教会を目指して前進。駐車場にバイクを停めて階段下に立つ、見上げた先に青空を
背景に白亜の塔が聳えている、思わず声が出る景観。
 礼拝堂に入ると、ここも全ての窓にモザイク模様のステンドグラスが嵌められ、晴天の
光を受けて輝いている。柱毎にはキリストの生涯を描いた宗教画が架かっている、
しばらく眺める。教会の丘を下りすぐの信号からk60に乗り、入り江に沿って走る。
しばらく走ると内陸に向かい段丘を登る、段丘上で農免道路に乗り換え海辺の木ヶ津町に
到る。木ヶ津町から段丘の中腹を走る、樹木で遮られ海はよく見えない。畑地を内陸に
少し登ると再びk60に乗る、大川原から段丘上を走り前津吉の漁港に到る。k60は、
ここから内陸に向かい小さな峠を越え田園地帯でR383に出会う。田園地帯を南下し小さな
峠を越え志々伎湾に出る、志々伎の集落を抜けコース名はk19と変り志々伎の半島を進む。
右手に志々伎湾を眺めながら半島上を小カーブの繰り返して走り、小さな入り江の奥に
佇む野子の漁村を通り抜け、低い尾根を越えるとすぐに宮の浦。漁船がたくさん停泊
している立派な漁港、釣り客が多いのか垢抜けした雰囲気の明るい漁村、漁港の周囲を
走るが港の前に小さな島が幾つか横たわり見晴らしは良くない。左手に伸びる岬の先端に
行く道は無いかと探すがバイクでは無理らしい、往路を引き返す。野子では山側の新道の
改良道路工事をしている、集落から海沿いの旧道が入り江の対岸上の道路まで通じていて、
ショートカットに地元の人は利用している。志々伎から再びR383へと道路の名称が
変わり津吉を通り中津良からk19に乗り換え、山間を走り田園地帯に下るとすぐに次の
目印の神島神社の鳥居が見える、鳥居の先で左折して地道に乗り換える。k19よりも
整備された広いコースで内陸の丘を走り、しばらく進むと整備されたコースから丘の
中腹を縫って走る細い道になり、小さなカーブの連続で先の見通しが利かず落石も多く
速度が出せない、もちろん他に通行車は無い。慎重に丘陵の中腹を縫って進むと棚田の
上部に出る、狭い谷の両岸に棚田が並び色付き始めた稲が美しい、その谷の下流に海が
見える。右岸に沿って棚田の細道を下りバス停のある小さな集落に到る。集落内の
狭い道を少し登り道幅が広くなって丘の上に出ると再びk19に乗り、半島の山を越え
根獅子の集落に到る。根獅子の手前で整備された広い地道と合流し集落に入り、砂浜
沿いのコースを走り内陸の丘に進むとk60が合流して来る。観光客の乗用車も時折走り
観光コースらしくなる。海岸から少し奥の段丘を地形に沿って出入りしながら北上、
生月島の入口に到達。

  生月島

 k42に乗り生月島大橋を渡る、大橋から北側をみると大小の島が浮かぶ海が美しく脇見を
しながら走り生月島に上陸。橋の袂に道の駅があるがパスして舘浦の市街を抜け、舘浦
漁港沿いから海岸を走るコースを北上、生月漁港手前で再びk42に乗る。漁港に沿って
市街を抜けると内陸に入り、草原を走り抜け御崎の入り江に到る、北方に続く断崖が
美しい。御崎漁村の手前から集落背後の草原を走り大碆鼻への傾斜を登る、牧場の中を
走り抜けると灯台下の駐車場に出る、3台ほど乗用車が停車している。観光客が居ない
ようなので、人道のスロープに侵入して灯台直下に乗り付ける。灯台は垂直の断崖上に
立ち、三人連れの女性が居るだけ。断崖上を廻り穏やかな青い海と水平線を堪能、崖から
覗くと真下に波が打ち寄せる狭いジャリ浜が見える。灯台に登ると全周遮る物なく好天で
もあり絶景。
 往路を引き返すと牧場の中にキャンプ場がある、西側が海に開けた芝のサイトで夕日が
美しそうだ、しかし周囲には建物も無く不便そうだが、買物は御崎の集落で賄えるのかな。
御崎の集落に下り背後の草原を走り抜け、御崎浦から草原の低い峠を越え西海岸に出る。
西海岸は断崖沿いのアップダウンの少ないコースで、左手は屏風のような崖が続き右手に
青い海が広がる、通行車輌もほとんど無い快走コース。サンセットウェイと名付けられた
生月農免道は、島の南側まで途中に人家が全く無い、南海岸に回ると右前方に生月大橋が
美しい、青い海にトラス型では世界一の長さの白い橋。
 生月大橋を渡り平戸島に戻る、行きには鮮明に見えていた島々は、靄が架かり霞んでいる。
平戸島の北海岸をk19で走り、主師から内陸に入り古江湾沿いに出る。内陸の農地を抜け
平戸市街でR383に乗り、そのまま平戸大橋を渡りR204に乗り換える。

  松浦海岸

 R204は松浦鉄道に沿って内陸部を走る、交通量はかなり有るし道は狭い慎重に走る。
御厨で海岸に出て海沿いを走り発電所を通過したところで給油、給油後すぐに道の駅
「松浦」が在り休憩。道の駅から海沿いのバイパスで松浦の市街をパス、広く整備された
コースで交通量は少なく走り易い。市街の東でR204に合流、海沿いを松浦鉄道と併走して
伊万里に向かう、大小の島が点在する穏やかな伊万里湾に沿って南下。交通量は多いが
フラットコースで路肩も有り走り易い、伊万里市街が近付くとR204は、バイパスのような
余裕のあるコースになり松浦鉄道の下を潜り有田川沿いを南下、二里大橋の袂で伊万里
市街に左折するR204と別れR202に直進する、こちらに向かう車輌もかなり有る。田園
地帯を松浦鉄道と共に有田川沿いを南下、山谷の集落でk281に乗り換える。丘陵地帯から
山間に入ると有田焼の窯元が時折現れる、龍門の小集落からダム湖に沿って竜門峡に
向かう、行き止まりの駐車場には竜門峡への入り口と自然管理センター、温泉旅館が有る、
観光客も数組来ている。管理センターは閉まっているがそのすぐ奥がキャンプ場のようだ、
林間のサイトで荒れた感じがする。宿泊の手続きはどこでと案内を見ると、キャンプ場の
利用は3日前までに教育委員会に予約が必要とか、これでは旅行者は誰も利用できんぞ。
 有田で宿舎を探すのは困難だろうし、15時を過ぎて別の幕営地を探すのも辛い、佐賀まで
足を伸ばすことにする。佐賀駅前のホテルに予約を入れk281に戻り、丘陵地帯を有田
市街に向かう。南下するにつれコース左右に窯元が多くなり、k344に乗り換え有田駅前
から市街に入る。旧街道の面影を残した街並を走る、交通量の少ない通りの両側は窯元と
陶器店が並ぶ、この辺りは内山の街並で有田の中心地、しかし観光客の姿はおろか人影も
無く陶器店も開店しているのかどうかも不明、黄昏時のような印象が漂う静まり返った
街並。上有田駅の東で佐世保線の踏切を渡りR35に乗る。車の流れのままに低い峠を越え、
緩い傾斜を下り谷が広がりかけたところが武雄温泉、ここでR34と合流して佐賀に向かう。
長崎方面からの車輌も加わり更に混雑が増したコースを東進、山口を通過し牛津から
R207に乗り換える。大型車は市街をパスするR34に向かうが乗用車の大半はこちらに
回ってくる、集落の連なるコースでかなり走り辛い。コースは狭く信号、右左折車輌も
多く、疲労も激しいから慎重に走る。嘉瀬川を渡ると佐賀市街に入りさらに走り辛くなり、
県庁からk29に乗り換え北上。佐賀駅に突き当たった左手にホテル、夕食が付くので
すぐに寛ぐ。


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