詩  ドリーム・コースター

2015-11-24 09:20:38 | 
   ドリーム・コースター   

抜け落ちた秒針をそのままにして
夢に向かったのはいつだった?

照明の消えた野外ステージ
午前二時の雨のカーテンコール
夢追い人たちが置いていった喝采
無人の客席をたたく雨のスタンディング・オベーション

地上数百メートルのラウンジ
女たちが帰った後で
群青の壁の換気扇を止めて
得体の知れぬ支配者と賭けをしなければならない
数時間後の
おれの朝をつかむために

明日に向かって加速する夢は
時に
悲劇的に落下するかもしれないが
賭けを続ける限り
コップに少しずつ
未来は継ぎ足されると信じて

歳をとってしまっても
地上にたたきつけられても
夢の端々にしがみつく腕力で
モンスターと対決しなければならない
おれの朝をむかえるために



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

仏像・竜門仏のこと

2015-11-23 08:47:16 | 仏像彫刻
芸術の秋真っ盛りです。昨日も当麻寺には多くの人が訪れていました。中将姫が一夜にして編んだと言われている当麻曼荼羅図を拝観することができます。この当麻寺とのご縁を鳥取県倉吉市にお住まいの仏師山本竜門さんから聞きました。数年前竜門さんが造られた「がれき後背仏」がこの当麻寺に寄って福島に向かったということでした。
竜門さんの彫られた仏像は「集仏庵」という建物に展示されています。「集仏庵」は倉吉市の水道山の中腹にありましたが、今年7月に倉吉市の中心部に移転しました。

仏像は建物の梁の上まで展示されています。これが竜門仏の「立体曼荼羅」です。

私の部屋にも山本さんが彫られた焼杉の「捨身」という大きな作品がありますが、竜門仏はとても親しみのある仏様です。童女のような愛らしさ感じるもの、母親のような優しさを秘めたもの、不動明王にさえも暖かさを感じてしまいます。ずいぶん前になりますが、倉吉の土蔵のカフェでご一緒の時でした。女性のお客さんから「私にマリア様を彫ってください」と言われて快くご返事をされていました。そんなやさしい竜門さんの「立体曼荼羅」の仏像は、かしこまらずに鑑賞できます。

焼杉彫刻も楽しめます。焼杉による大きな布袋さんが倉吉市の「赤瓦」に置かれています。
[倉吉集仏庵]で検索すると動画で集仏庵を見ることができます。竜門仏師とも会うことができます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

当麻・二上山の秋の雲

2015-11-22 20:02:42 | 天気

今朝10時ごろ当麻寺に向かう途中で空には何か気持ち悪いような不吉な感じの雲でした。(案の定馬券はハズレ)秋の雲は1日中楽しめます。

二上山の夕景は実に神秘的です。雲のハロウィン?専門的なことは分からないけど、この山の上空にかかる雲は見ごたえがあります。


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

二上山の寒椿

2015-11-21 18:59:50 | 山歩き
やっと天気が回復したので二上山に登ってきた。少しずつ冬に近づいているなって感じ。雌岳付近の寒椿はちょうど身頃でした。紅い花びらの山道、もう裸になった冬木々と後方の雄岳の山肌。自然が描く美しいキャンパスに見とれていました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

詩  <ヒ>

2015-11-20 08:40:40 | 
   <ヒ>

<ヒ>は
見てのとおり
匕首である
敵の喉元へこいつを突きつけると
ひぃひぃ命乞いをするだろう
その間にもぼくのスキをうかがうはずだが
そんなことは百も承知だ
ぼくは懐深くしのばせた<ヒ>の感触を確かめる

<ヒ>は                                    
薄気味悪い悪魔の笑いである
悪魔は神々の使いでもある
しばしば人間を狂わせるような
いたずらを仕掛ける
それが図にはまると
満足げに笑うのだ
ヒ、ヒ、ヒ、ヒ と                         
この冷たい発語をぼくは何度となく聞いている

<ヒ>はヒステリーであり非道であり否定であり
<ヒ>とは
「人為的に」ねじられた「人」であり
或いは
幼児の形でもある

さらに                                 
<ヒ>は
「日」から蹴落とされた屍である
<ヒ>は
その野ざらしが
ぼくの住む町へ放ちつづける
甲高い悲鳴である
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする