詩  心に留めおく二つの詩

2015-11-11 23:26:37 | 

      

巨大な虫が動き回る
ごみ山を築き
がぶりと銜えて
頑丈なアームで
炎の釜に放り込んでいる
荒ぶる炎の轟音
何と 私たちは
この巨大な虫に頼らなければ
生きていけなくなっている


     もの言わぬ人形

コンピューター制御のショベルカーに
人の心などあろはずがないだろう
ごみ山の中に埋もれている人形を避けるように
山を崩しているなんて
私の思い過ごしだ
きっと可愛がられていたのだろう

 〈もの言わぬ人形片足取れて〉
と歌った古い友人はどうしているのだろう

大切なものを忘れたのではない
いつのまにか
ものを大切にする心を失ってしまっている



これも何年か前に書いたものです。ごみ処理場で感じたことです。
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