詩  ドリーム・コースター

2015-11-24 09:20:38 | 
   ドリーム・コースター   

抜け落ちた秒針をそのままにして
夢に向かったのはいつだった?

照明の消えた野外ステージ
午前二時の雨のカーテンコール
夢追い人たちが置いていった喝采
無人の客席をたたく雨のスタンディング・オベーション

地上数百メートルのラウンジ
女たちが帰った後で
群青の壁の換気扇を止めて
得体の知れぬ支配者と賭けをしなければならない
数時間後の
おれの朝をつかむために

明日に向かって加速する夢は
時に
悲劇的に落下するかもしれないが
賭けを続ける限り
コップに少しずつ
未来は継ぎ足されると信じて

歳をとってしまっても
地上にたたきつけられても
夢の端々にしがみつく腕力で
モンスターと対決しなければならない
おれの朝をむかえるために




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