詩  星空の下のマーケット

2015-11-17 08:51:17 | 
  星空の下のマーケット
                    
地球のごく限られたゴージャスなスペース
死のバイヤーたちは
頻繁にマーケットを開き
オモチャを物色している
金を生むオモチャ
河川を汚し
村を破壊し
小さい命を奪い
「自由」という天秤量りで
バイヤーたちは武器と利権を都合よく分け合い
商談が終わると
香りのいい珈琲を旨そうにすすり
家族の下へ帰っていくのだ

「ママ、どこにいるの・・・」
どこから響いてくるのだろう
焼け跡からか
空から薬が撒かれた畑か
地雷が埋められた道か
銃声とスコールの中からか
それとも
血だらけの少女の腕の中で・・・

「ママ、どこにいるの・・・」
毟り取られたキャベツの葉っぱがゴミ箱からあふれ出ている
スーパーマーケットの明るい売り場で
ぼくははっきりと聞いたのだ
もっと違う
家族の絶望的な叫び声といっしょに


 フランスのパリで起きた惨劇、無差別殺人と自爆、死に倫理は無いのか。G20のサミットでの声明も自国の威厳、利権がぷんぷん匂う。この詩は詩誌「墓地」85号(15年8月)で発表したものです。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする