もうちょっと続くでよ、小笠原編
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海と山を堪能し、いよいよ出港の日を迎え・・・
出港は 14:00 なので、午前中はまるまる時間がある。
ので、かねてより行ってみたかった、というか行かなければならんところへ。
「小笠原海洋センター である。
センター長の鳴島さんは、たしかウミガメ会議にも来ていたと記憶する。
先ずは、スタッフに尋ねてみると、あいにく「ウミガメ漁」に同行した、とのことで、
戻ってくるのは午後とのこと・・・残念。
(小笠原では、年間100頭程度のアオウミガメの漁獲が許可されている。
捕獲されたウミガメのデータ=計測をとるため、同行するようである)
しか~し、海洋センターの運営母体である
「エバーラスティングネイチャー」の菅沼会長が
来ている、とのことで、お話を聞かせていただいた。
菅沼会長は、その後「ザトウクジラ」の調査のために出航する、ということで、挨拶程度の
話しかできなかったが、別のスタッフをわざわざ呼んでくれて、センターの施設、活動を
案内してもらった(ラッキー)。
小笠原は、海洋島であるため動物性タンパク質の摂取が少ない。そこで昔からウミガメや
その卵を食べていた。(ということで本格的な開拓がされたころ「ヤギ」が持ち込まれ・・・)
ただ捕るだけでは、効率も悪いし、安定的な供給にも不安が残る。
おそらくそんなような理由から、古くからアオウミガメの「人工養殖」がされてきた。
今年は、人工ふ化放流事業100周年だったそうである。
一時は、乱獲もあったようで、生息数が減少して来たが、保護活動の成果もあり、
大昔ほどではないが、頭数も増えて来たため、人工養殖が廃止された。
そんなウミガメの保護活動の中心が海洋センターである。
入り口の建物には、ウミガメの標本や、クジラの説明パネルなどが所狭しと並び
その奥にはいくつもの「水槽」があってウミガメ達が泳いでいた。
人工ふ化繁殖2代目のカメだそう・・・
コイツのお母さんは、施設内の育ちだったためか?けっこう早熟だったそうな。
海洋センターでは、一部「ヘッドスターティング」という方法を取り入れている。
1年程度飼育して身体を少し大きくしてから放流する方法である。
稚ガメ(いわゆる仔ガメ)の場合、身体が小さく外敵に狙われやすいが、
1年飼育することで(体重1kgくらい)そのリスクが小さくなるというメリットがある。
アカウミガメと違い、アオウミガメは「地付き」の傾向が強いため効果が期待できるらしい。
このコ達が、ヘッドスターティングを待つカメである。
実際のところ、本当に効果があるか、未知な部分もあり、いろいろな追跡調査が
行われている。
その一つが、カメにリビングタグ(標識)を着けることである。
一般的なカメに着ける標識の場合、成体には何ら問題なさそうであるが、子ガメにとっては
大きく、邪魔である。ということで、背中の甲羅とお腹の甲羅を同じ大きさで切りとって
入れ替えるのである。そうすると、黒い背中に白い点が出来るのである。
コレ
背中の真ん中の右側に小さな白い点があるの、わかるかな?
年度によって、「点」の「位置」を変えることで、「いつ放流した」カメか?わかるという寸法。
なかなか面白いね、このタグは。
そのほかのカメとして
アルビノ(白色)個体
完全なアルビノではないようであるが、明らかに色素が少ない。
自然界では、目立つこともあり早々に他の生き物に捕獲されたりするので大きくは育たない
と言われている。
そして、ちびっ子のアルビノ
甲羅が少し日に焼けてきたらしく、もっと前はもっと白かったらしい。
人工繁殖のためのカメの生け簀跡
手前の浜に卵を産ませていたらしい。
今でも(野生の)ウミガメが産卵に来るのだとか。
すっごく狭い砂浜なんだけど・・・。
なかなか面白い施設であり、詳しく説明も聞けて勉強になったのである。