矢口高雄氏
言わずと知れた釣り漫画の金字塔「釣りキチ三平」の作者である。
膵臓癌のため亡くなったとか。
今では単行本100巻を超える漫画もあるが、当時連載10年、全65巻は別格の長さであった。
平成に入り、「平成版」の三平も出版された。
道具や環境は平成であったが、登場人物は「昭和」のままな感もあったが、
面白い漫画であった。
矢口氏のすごかった点は、郷土史や歴史などへの造詣も深く、少年漫画であった
釣りキチ三平にも散見された。
四国の「アカメ釣り」であるが、アカメはその名のごとく「赤い目」をしていることから
「アカメ」なのであるが、「赤女」が元では?とか。
ワシらが幼稚園児のころ「海幸彦と山幸彦」の兄弟の話を聞かされたことがる。
弟の山幸彦が、兄である海幸彦の道具を借りて普段やらない「漁」をしたら、
思わぬ大物がかかり、逃げられてしまった。
その際に、大事な釣り針を魚に持っていかれてしまい、兄が激怒。
山幸彦は自分の「猟」の道具を潰して「釣り針」を作って詫びる、という話・・・
コレは「日本書紀」が元になっているとかで、この魚が「赤女」と記されているとか。
で、赤い魚であろう?日本で大きな魚で赤い、とくれば「鯛」だね?
ってことで、「大きな鯛」という感じで話がなされているケースが多いのだが、
この赤女こそ「アカメ」では?というのが釣りキチ三平でのストーリー・・・
ま、そんな事が記憶に残っている。
平成版では、カムチャッカを舞台にした際に「高田屋嘉平」の話が出てきたり。
釣りをしない大人でも興味を引けるような話題を供してくれた。
とはいえ「釣り漫画」の作者としての印象が強いのであるが、
自然豊かな秋田での生活から、そちらへの造詣は深く、こんな作品も
おもろかったで。
またじっくり読み返そうかな、と思う。
そして、今週末も時間があれば釣りに行こう!三平くんにも魚紳さんにもなれないけれど、
釣り漫画も描けるわけないけれど、いかばかりかの供養にでもなれば、と思う。
三平くんと出会えてよかったな・・・
秋のような 冬のような そんな日差しを浴びつつ