憲法改正がどうこう言われている。
別に今のままでもエエと思うのだが、著者によると我が国の憲法は、
その成り立ちからして問題がある、という。
そして、もっとも問題なのは、最高法規であるはずの憲法よりも上位に
「日米安保条約」がある、というのである。
憲法違反であっても、安保条約に沿っていれば問題ないというのである。
なので、基地も無くならんし、原発も動き出す、ということだ。
東電が、福一を爆発させて、放射能をまき散らしても、その責任は無い
（ゴルフ場が訴えたが、まき散らされた放射能は無主物？とされた）
というのも安保条約には合致しているのだそうだ。
米軍は、日本国内では住宅地だろうがドコだろうが、相当な低空でも飛行訓練を行うが、
米国内では、住宅地周辺ではきびしく規制されているそうだ。
こんな状況を、戦後ずっと放置してきたのは、政治の怠慢であるが、
そもそもこの国が、まだ「占領状態」のままであることに他ならない、
というのである。
それは、やはり、終戦後のこの国の成り立ちに問題があった、ということになる。
（アメリカの戦略とも言える）。
佐藤優、鈴木宗男両氏によると、辺野古の基地移設も、
最初はキャンプシュワブ内に移設の上、滑走路を作る予定で合意したのが、
いつの間にか、海の埋め立てに変わってしまったとか。
そら、住民も怒るわな。
政府が辺野古の移設反対は、すなわち普天間の固定だ、と言うのも、
それこそ政治の堕落であるというのが、この本を読むとわかる。
「基地が無くなって独立でもすれば、中国に侵略されるゾ。
沖縄はそれでもええのか？」
なんて言ってる連中もいるが、そんな事態になったら、
なにもせずに「隣国」を見捨てるのか？
それが、積極的平和主義を掲げる日本の正義か？
なにより、沖縄が中国になったら、次にはドコに基地を置く？
奄美か？徳之島か？トカラか？
本当に中国への牽制になっているのなら（なっているんだろうな）、
基地の負担をしている沖縄に対して感謝の気持ちがあってしかるべきと思うのだが、
そんな様子はうかがえん。
沖縄の基地を分散させていれば、たとえば日本海側に分散させていれば、
北朝鮮による拉致もなかったのでは？というふうに思うがどうだろう？
基地があったとしても、阻止できたか？わからんのなら、
北の工作船も見つけられんくらい米軍は頼りにならんということになる。
基地の反対運動しているのは、「みんな」本土からの活動家と「軍事漫談家」と呼ばれて
いい気になってるヤツが言う。
「週プレ」には、座り込みに参加している沖縄の「おばぁ」の話が出ている。
沖縄戦で生き残った人だ。
住民の集団自決を軍が強要したか？どうか？
軍隊は、上意下達である。徹底している筈である。
住民が、手榴弾を持つことになったのなら、軍の指示であろう。
軍の指示がないのであれば、兵士の暴走である。
そんな兵士があちこちにいたのなら、まともな軍とはいえない。
旧日本軍は、規律もくそもないならず者集団だったのか？
自分の国を愛するのはイイことである。
でも、手放しで褒めたたえるのは、ちと違う筈だ。
人にいい面と悪い面があるように、国に恥部はあり、歴史に暗部はある。
いま、この国の政治は恥部も暗部も無いことにしようとしている、
そんな気がしてならない。
キリっと冷えた朝に
