54のパラレルワールド

Photon's parallel world~光子の世界はパラレルだ。

『パラサイト・イヴ』『エヴァンゲリオンの夢』

2006年12月24日 | 読書感想文
読書感想文です。『パラサイト・イヴ』と『エヴァンゲリオンの夢』。
なぜこの組み合わせか。
エヴァンゲリオンにハマっていたときに、エヴァ関係の本をいろいろ読もうと思って、予約していたのが今頃届いたので『エヴァンゲリオンの夢』。他にもなんか読もうと思って偶然手に取ったのが『パラサイト・イヴ』。
しかしこの二冊は奇妙なシンクロニシティをみせたのだった。

エヴァンゲリオンの夢―使徒進化論の幻影
パラサイト・イヴ

では、『エヴァンゲリオンの夢』。あの難解なアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』を細部まで解読したのが本書。
まずオープニングの解説から。

真っ黒な画面に白い点があらわれたあと、円が広がっていくイメージからはじまる。テレビは平面だが、これは円ではなく球と捉えるべきだろう。さらに最初の点はすぐには消えない。何らかの球状のものがあり、その一点で起こったことが全体に広がるというイメージだ。
これは精子と卵の細胞膜が癒着して受精膜が形成されるイメージではないか。受精卵は受精膜によってほかの精子が入りこむのを防ぐ。『新世紀エヴァンゲリオン』の用語を利用すれば、受精卵がつくりだすATフィールドにほかならない。卵と精子をアダムと使徒に置き換えれば、受精膜はインパクトの実態に重なり合う。
このイメージの後、『残酷な天使のテーゼ』がはじまり、「残酷な天使のように、少年よ、神話になれ」と歌われるなか、様式化された天使の図と、ロバート・フラッドの「カッバーラのセフィロートの樹」の図があらわれる。いきなりの天使三連発であり、よほど天使にこだわっているとしか考えようがない。
重要なのは歌詞のフレーズ。言葉を補うと、「残酷な天使が神話になったように、少年よ、神話になれ」となる。神話になった天使といえば、まずルシファーに目を向けざるをえない。・・・省略(ルシファーの叛乱と堕天の神話、ルシファーとサタンは交換可能)・・・「神話」にはさまざまな可能性が開けてくる。原罪を贖う新たなキリストになる可能性、楽園に帰還する可能性、善悪を知る樹の実や生命の樹の実かそれらに象徴されるものを獲得する可能性だ。これらはいずれも最終的には救済の一語であらわせ、個の救済なのか人類全体の救済なのかは分明ではないにせよ、救済神話は人類補完計画に呼応する。
(『エヴァンゲリオンの夢』より引用。ところどころ省略してます。)

まだアニメのオープニングの十数秒くらいですけど、、ここまで読めてしまうのですね。僕は知識がないので「セフィロートの樹」なんて知らなかったし、ルシファーも知らなかった、、こんな感じであの難解な『新世紀エヴァンゲリオン』が読み解かれていく。
ほかにも、

「遥か未来めざすための、羽根があることを~」のとこでエヴァ初号機に光の翼が生えるところでは、翼の数は十二枚であり、ルシファーの翼の数も十二枚で一致している。さらにルシファーは「第一位の天使」であり、第一位は初号機にも通底する。
そのあとの目まぐるしいカットの連続に挿入される文字では、ほかのものすべてが黒地に白の文字で書かれているが、「ADAM」だけは白地に黒い文字で書かれている。ターミナル・ドグマに封印されていたものがアダムではなくリリスであったという逆転はここですでに暗示されている。

といったことが解読されている。このようにして、『新世紀エヴァンゲリオン』が一話ずつ細かく解読されていく。
え~、エヴァファンは読んでみてください。というか、今さらなんですけど。

次、『パラサイト・イヴ』。最高。
引き込まれるような文章で、次よ次よとどんどん読まされてしまいました。魔力です。

まず永島聖美が出てきて、夢の話になるのですが、年に一度クリスマス・イヴに見る夢、ということで。偶然にもクリスマスが近いときにこの本を手にしたのは運命だぁなどと思ってしまいました。ひとつめのシンクロニシティ。

聖美が死んで、永島利明がその肝細胞を培養します。聖美は死んでも、聖美の細胞は生きている。聖美は生きている!その細胞はEveと名づけられ、その後のクローニングで最も増殖力のあるクローンはEve1と名づけられた。
エヴァンゲリオン初号機、EVA-01が思い出された。シンクロニシティその二である。

そして、雌(Eve)であるミトコンドリアは雄の遺伝子を得るために受精しようとする。雄のDNAを得て完全体となり、究極の生命体になるのだ。
受精。これが三つ目のキーワード。使徒とアダムの接触、受精のイメージ、インパクト。シンクロニシティの三。
それはEvolutionであり、サードインパクトだ。最初の人類(ジャイアントインパクト)はホモ・ネアンデルターレンシス、第二人類(セカンドインパクト)はホモ・サピエンスである。

さて、Eve1とEVA-01から『パラサイト・イヴ』と『新世紀エヴァンゲリオン』はシンクロした。
想像を飛躍させよう。
両作品に共通するテーマは「新世界」である。
『パラサイト・イヴ』はミトコンドリアによる新たな世界の創造、『新世紀エヴァンゲリオン』は人類補完計画による人類の進化であり救済であり、やはり新世界の創造である。「新世紀」とは、欧文字表記の「NEON GENESIS」で明らかなように、「新 創世記」である。(もちろん『エヴァンゲリオンの夢』からの知識です)。
そして、新世界の創造の鍵となるのはEVA(Eve)である。EVAはアダムをコピーしてつくられたものであり、Eveは聖美をコピーしてつくられた。さて、聖美は女性でありながらアダムなのだろうか?それとも、EVAはリリスのコピー?アダムではなくリリスだった、という逆転を用いるなら、EVAがリリスのコピーであり、聖美はリリス。リリスは、、、

Eveと受精するのは永島利明である。EVAと受精するのは、綾波レイ(リリス)である。いや、レイが受精するのはEVAではなくシンジである。シンジ=EVAではない。
が、ともかく両者の受精は失敗する。Eveの受精は成功するが、その子どもは死ぬのである。レイとシンジは結合するが、シンジはそれを拒むのである。

三位一体の原則は『パラサイト・イヴ』にも通用するだろうか?『エヴァンゲリオンの夢』によれば、『新世紀エヴァンゲリオン』の世界は三位一体の原則がはたらいていて、三人一組の結界が張られるのだという。同じ人物が他の組合せでいくつもの三人一組をつくるという複雑な構造。
エヴァンゲリオンのパイロットとして、シンジ、アスカ、レイという三人一組の結界があり、四人目のトウジやカヲルは排除される。ミサトの家ではミサト、シンジ、ペンペンの三人がいて、四人目のアスカはのちに排除される。ゲンドウ、冬月、リツコの三人の結界があり、ミサトが排除される。
『パラサイト・イヴ』では。利明、聖美、浅倉の三人、麻里子、吉住、安斉の三人、利明、浅倉、石原の三人、そして利明、吉住、安斉の三人。ここに四人目のミトコンドリアEveが入ることによって結界が崩れる。しかし排除されるのは四人目ではない。Eveは生き残る。利明、聖美、浅倉の三人にEveが入り込み、聖美が排除される。麻里子、吉住、安斉の三人にEveが入り、麻里子が排除される。次は少し違って、利明、浅倉、Eveの三人に、石原が入って浅倉が排除される。
最後の場面だけ、Eveのほうが排除される。Eve、Eveの子、吉住がいて、利明、安斉が入ってくる。Eveがまず排除される。続いてEveの子が排除される。三人になる。ここで、麻里子が意識を取り戻す。利明が排除される。生き残るのは常に三人。三人一組。

パラサイトEVA。。

クリスマス・イヴの夜ですな。でもクリスマスの前日なんだからただの普通の日じゃねーか!というか、キリスト教徒でない多くの日本人にとってはクリスマスも普通の日なのだが、、
私は彼女を抱いてかき鳴らします。
彼女は夜の静寂に美しい旋律を聞かせてくれます。
彼女はマイエレキギターですけどもなにか?
真鍋センパイはM-1に出てたねぇ。そして叙々苑にいるねえ。。


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