54のパラレルワールド

Photon's parallel world~光子の世界はパラレルだ。

世界を滅ぼすモノ

2009年04月30日 | クリエイティブな思考への挑戦
人間はなんて残酷なんだろう。
金、権力、そして暴力、上に立った者が好き放題にやって、下にいる者は傷つけられていく。慈悲のかけらもない。優しさなんてものはない。意味がない。

働いても働いても暮らしていくのがやっとの人がいる一方で、政治の力で裏で大金を手に入れるやつがいる。告白したくてもできない臆病者がいる一方で、集団で女の子をレイプするやつらもいる。
それに、俺をいじめたあいつら・・・人間なんてみんな死んでしまえばいいんだ。人類なんて滅んでしまえばいい。

「一緒に人類を滅ぼそう!」
斉藤馬亜駆はネットに書き込み、人類を滅ぼす同志を募った。

一週間後、馬亜駆のもとに集まったのは、たった一人だった。

「人類を滅ぼそうっていうのに、たった二人じゃどうしようもないな。せっかく来てくれたのに、これじゃ無理そうだ・・・」
しかし男は不敵な笑みを浮かべながら言った。
「そんなことはないですよ。私にお任せください」
だが、馬亜駆には信じられなかった。
男は続ける。
「あなたはこの世界の人間を見て、幻滅したわけだ。こんな人間いなくなればいいのに。こんな世界なら消えてしまえばいいのに」
「そうです」
「私がその願いを叶えてあげましょう。目を閉じてください」
馬亜駆は言われるまま目を閉じた。
「まさかこんなので『世界が消えました』なんて言うんじゃないでしょうね?」
「やはりそれでは満足しないでしょうな。仕方がない」
BANG。
馬亜駆の世界は消えて無くなった。

「まったく、こういうやつが毎年何人か出てくるよな。自分が世界を嫌になったからって世界を滅ぼそうなんて無茶を言いやがる。世界の方ではそれなりにうまくやってるっていうのに。そんなに世界を滅ぼしたかったら、自分の世界だけ滅ぼしてくれっていうんだ」

中村正義、彼は悪から世界を守る正義の味方だ。。