54のパラレルワールド

Photon's parallel world~光子の世界はパラレルだ。

色のない世界

2006年02月10日 | 心の探求
「脳は美をいかに感じるか」セミール・ゼキを読んで視覚脳についていろいろわかったのですが、ちょっとしたパラダイムシフトがあった。「目で見ているのではない、脳で見ているのだ」というのは理解していたが、新しい発見は「外界に色はない」である。

外界に色はないのである。脳が色を与えるのだ。
外界にあるのは波長の異なる光であって、光自体に色はない。光が目から入ってきて、その光の波長に合わせて脳が色をつけるのである。
証明するのは簡単で、色盲患者は色が見えない。灰色の濃淡でしか世界を見ることができない。外界に色があるならそうはならないだろう。
人間は赤外線や紫外線を見ることはできないが、これは赤外線に色がないから見えないのではなく、赤外線の波長に脳が色をつけないだけである。蛇などは赤外線を見ることができるが、蛇の脳には赤外線に色をつける機能があるようである。
本当はどんな光も赤外線や紫外線のように色はついていないのだ。ただ人間の脳には一定の範囲の波長の光に色をつける機能があるというだけなのだ。

「外界に色はなく、脳が色を与える」というのを理解したとき、私はクオリア問題を勘違いしていたと気づいた。赤のイメージがどうこういう前に、外界に赤は存在しないのである。光の波長の違いだけでさまざまな色をつける、色を生み出すということ自体が問題なのである。
脳はどうやって赤を生み出すのか。私の「赤」とあなたの「赤」は本当に同じだろうか。脳の色解釈に個人差はあるのかないのか。それを確かめる方法は私には浮かばない。

しかしながら、灰色の世界を色鮮やかな世界に変える人間の脳はすばらしいと思う。色彩豊かに世界を見ることができて本当に幸せだと思う。脳はやはり神秘的である。


私はまた、人間は世界を見ることはできない考えている。私が見ることができるのは、世界から反射してくる光である。私はあなたを見ることができない。あなたにぶつかって跳ね返ってきた光が見えるだけである。あなたそのものを見ることは絶対にできないのだ。
人間は光を通してでしか世界を認識できない。世界そのものを見ることは絶対にできない。

誰も真実を見ることはできない。。


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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2006-07-13 09:25:48
>証明するのは簡単で、色盲患者は色が見えない。灰色の濃淡でしか世界を見ることができない。外界に色があるならそうはならないだろう。



色盲は、眼の障害?脳の障害?
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Unknown (54)
2006-07-13 12:33:55
どちらの場合もあるでしょう。

網膜の異常もあれば、大脳の異常もある。

結果が同じでも原因はさまざま、なんてことはよくあること。。
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