54のパラレルワールド

Photon's parallel world~光子の世界はパラレルだ。

小説の魔力の正体「定位反応」

2005年11月18日 | パラソル
小説や映画、漫画が人を引きつける「魔力」の正体は何か。食事も睡眠も忘れ、その作品に夢中になってしまうのはなぜか。
私は以前「テレビ中毒と定位反応」で「24-TWENTY FOUR-」を例にテレビが持つ魔力を説明した。突然の視聴覚刺激に対する本能的な反応、それによって人はテレビに釘付けになる。最近気になるのはマクドナルドのえびフィレオのCM。「動くフレーム」は定位反応を引き起こすのに効果絶大だ。それに加え、あの女の子(蛯原友里さん)がかわいい。最高のカメラアングルとポーズだと思います。健全なる青少年は「本能的に」釘付けになることは間違いない。CMというのは15秒という短い時間で視聴者に大きな印象を与えなければならない。そのためさまざまな工夫が凝らされ、定位反応を引き起こしやすいような演出がなされることが多い。

漫画もまた、定位反応が関係するだろう。もちろん絵は動かないのだが、読者の頭の中で物語は「動いて」いるのだ。アニメに見慣れているせいもあるだろうが、漫画を読むときやはり頭の中でキャラを動かしている。これによって定位反応は起こるだろう。また、効果的なコマ割りや吹き出しの使い方などによっても定位反応は引き起こされるだろう。
小説もやはり定位反応。文字から生まれるイメージ、それが定位反応を引き起こす。たとえば、展開の速いスリリングな場面を読んでいるとき、読者は作品にのめり込む。「ジュラシックパーク」における恐竜に襲われるシーンなど。これは本能的に集中して情報を処理しようとする定位反応である。夢中になると高速で作品を読み進めてしまうが、それはまるでイメージの早送りのような状態、情報を高速処理するために定位反応になる。

そんなわけで、テレビのみならず小説や漫画の「魔力」もまた定位反応が関係するだろうと思うのである。もちろん定位反応のみですべてが説明されるわけでなく、ドーパミンによる報酬系といったことや、ミームなんかも関わってくるだろう。
「魔力」の正体は多面的である。またそうでなければならない。

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