「鉄鼠の檻」京極夏彦

京極夏彦の京極堂シリーズ最高傑作ということで読みました「鉄鼠の檻」。
長い、長い、何ページ？1300くらい？クライトンの長編やジョン・アーヴィングの「オウエンに祈りを」も長かったけど、それを超える長さじゃないか。でも読みやすかったので、「オウエン」よりは短く感じた。

鉄鼠の檻京極夏彦

山中の謎の寺、その不可思議な時空間の中で坊主が次々と殺されてゆく。牛を殺した妖怪鼠。13年間成長することのない謎の振袖少女。同性愛坊主。
めちゃくちゃだが不思議と的を得た発言をする探偵榎木津。陰陽師な古本屋京極堂。

基本ミステリーなんだけど、ホラー的でもあるし、最後の最後は（これは僕なりの感想だが）ファンタジーにまで飛んでいく。こんなミステリー小説もアリなんだなと感じた。独特のキャラ京極堂（京極夏彦ならぬ中禅寺秋彦）と榎木津がおもしろい。

「鉄鼠の檻」には「禅」についてわかりやすく解説されていて、小説を読めば禅がどんなものか高いレベルで理解できる。

神秘的体験について

坐禅とは薬物を用いずに薬物を投与したのと同じような生理的効果を生み出す行為である。すばらしき幻覚、神秘体験。
しかし重要なのは、その幻覚を受け流すことが修行なのだ。幻覚を悟りと勘違いしてはいけない。

坐禅だけで幻覚が見えるものか信じがたいのだけど、過酷な修行の中で幻覚を見るというのはあるだろう。マラソンのランナーズハイみたいなもの。でも坐禅は逆に静的なものだから、別のベクトルでの幻覚かもしれない。

「悟り」とはなんなのだろうか？そして悟ったあとになにがあるだろうか？悟ってしまったら何もかもがつまらなく思えてしまうのではないだろうか。悟るまでの道のりが充実しているのであって。でも「悟り」の境地はそんなものを超越しているようにも思える。

サルトルは何かを悟っている、というイメージは私だけでしょうか。

私は創作活動によっても神秘体験みたいなのはあると思う。
ある素晴らしいアイデアを思いついたときの、頭の中に脳内物質がたくさん分泌されて、思考が勝手に高速で駆け巡るような感覚。
気持ちよくて、幸福感に包まれるような。
俺ってすげーと思い、顔はにやけ、何でもできそうな気分になる。
あれは一種の神秘的体験ではなかろうか。
あるいは逆に、ドラッグでそういう感覚になると、創作が生まれてくるのかもしれない。

天翔龍閃（あまかけるりゅうのひらめき）。。

亀が飛んだり跳ねたりしているのを見ながら、亀が飛んだり跳ねたりしているのかしら、、
え？亀はのろのろ這いつくばってるものだって？
いやいや、最近流行の亀は飛んだり跳ねたりするんだよ。

亀仙人と鶴仙人がいるけど、圧倒的に亀仙人の方が認知度高いよね。
「つるかめ」なんていうのに、その差は一体、、
でも鶴は千年、亀は万年でしょ。
その違いは圧倒的やん！10倍かめはめ波やん!!

でも亀が千人もいたらすごいことになるよね。
僕は梨が千個の方がいいなあ。。