松浦からFUKUOKAへ

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原田正純さん  考・原発 私の視点 2・3

2012年02月08日 07時23分14秒 | 反原発
昨日の梅原 猛さんに、続いて

感動されられる 記事である。



考・原発 私の視点 原田正純 

「想定外」は無能の証し

2012年2月3日 西日本新聞 から全文転記

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「原発推進」の国策が招いた福島第一原発事故と、

公害の原点とされる水俣病。

産業優先のひずみを地方に押しつけ、自然環境や罪のない人が被害を受けた点で、

この二つの類似性を指摘する声がある。


「確かに共通点はある。明らかな人災で、非常に広範な人が影響を受け、

地域社会が破壊されたことなどだ。

しかし、安易に似ていると見てはいけない。

水俣病が公式確認から半世紀を経ても解決しないのは行政や企業の怠慢。

放射能汚染の問題は違う。

事故が起きた以上、これから100%の対策を講じても、

放射線の影響は20年、30年先に及び、長期にわたり解決できない。

そもそも放射線の影響についての医学的知見はわずか。

将来、がんになっても、原発事故の放射線によるものかどうか判定できない」

「原発が本当に安全なのなら、わざわざ過疎地に造らず、

送電コストがかからない都会の真ん中に造ればいい。

しかし水俣病は都会では起きず、原発は大都市にはない。

公害は社会的、政治的に弱い人たちに集中する。

世界の公害の現場を見て思うのは、そういう差別の構造が常にあるということだ」


原発の「安全神話」をつくり上げた原子力ムラと呼ばれる専門家集団。

水俣病の原因をめぐっても、熊本大研究班の有機水銀説を否定する

企業寄りと取れる学説も出てきて、被害が拡大する一因になった。


「学者の存在が問われている。原発について推進、反対、

いろんな意見があっていい。

そうした人たちが公平に議論する場が保障されるのがアカデミズムであり、

成熟した民主国家だ。

全国の国立大が推進派だけを優遇し、反対派を冷遇しているのなら大学と

して機能していない」「事故後、多くの学者が『想定外』と言っていた。

これは、自分が無能だと言っているようなものだ。

ずっと原発反対を言ってきた学者もいるが、そうした人たちは大学などで

偉い地位になっていない。

水俣病問題と比べてもあまりに露骨だ。

原発を推進したのは電力会社と国。

巨大さと権力の大きさが水俣病の原因企業のチッソとは

全然違うということだろう」

研究分野の枠を超えて多角的に水俣病を検証しようと、2002年、

熊本学園大に「水俣学」を開講した。

原発事故を機に「水俣学」から得られる教訓に注目が集まる。


「放射性物質を海に流せば拡散して薄まるから大丈夫という学者がいる。

とんでもない。

海で薄まった毒が食物連鎖で濃縮され水俣病が発生した。

有機水銀と放射性物質の違いがあるとはいえ、都合が良すぎる。

水俣病から何を学んだのか、と言いたい」「学問の壁を取り払うことも重要だ。

ある地震学者は『なぜ原発に関心が向かなかったのか』と後悔していた。

専門的だからと議論を学者任せにしてはいけない。

市民に分からないような議論を専門家にさせてもいけない。

どこに問題があったのか、未来に対してどうしたらいいのか、

一つ一つ解明していくことが大事だ」



医師 原田正純さん

はらだ・まさずみ 熊本大大学院の学生時代に水俣病と出会い、

一貫して患者側に立ち診断と研究を行う。

熊大助教授、熊本学園大教授など歴任。鹿児島県出身。77歳。

☆---------ここまで。

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