何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

命が始まる朝

2015-06-26 21:18:34 | ひとりごと
早朝、新聞受けに新聞をとりに出ると、門の脇で生まれたてでないにしろ、まだ一人で飛ぶことはできなさそうなヒナがうずくまっていた。
じっと見つめると、警戒することなくこちらを見つめ、小さな体の割には大きな口をあけ何かを訴えてくる。
これから本降りとなると予報がでている雨がポツポツと降り始めているので、怪我でもしているなら何とかしてあげたいと思いながらも、野生の鳥のヒナに安易に手を出して良いものか迷っていたら、大きな口でピヨピヨ鳴きはじめた。
すると、近くから優しさと警戒感と威嚇の三重奏のような力強い鳥の鳴き声が。
親鳥が近くにいる!
ならば私は離れた方が良いだろうが、最近近所をうろついている野良ネコに一瞬の隙でやられやしなかと内心ヒヤヒヤしながら家に入り、窓越しに見守っていた。
見守ること数分で、親鳥らしき鳥が飛来した。
親鳥は、翼で抱えるようにしながらヒナが自力で立ち上がるのを促し、ヒナが高く飛ぼうとしてはその度落下しそうになるのを(伴走ならぬ)伴飛び?しながら見守り、ついに親子して向いの家の庇に降り立った。

今日も濡れそぼる雨で肌寒く気持ちまで沈みがちだったが、清々しさと温かさで一杯になる光景に朝から出会い、「命が外の世界で営みを始める神秘と素晴らしさ、生きる力の逞しさ、親に愛されるべくして生まれてくる命」について語られた雅子妃殿下のお言葉を思い出したおかげで、週末金曜をもう一踏ん張りする元気をもらう素敵な朝の始まりとなった。


敬宮愛子内親王殿下御誕生についての御会見から一部引用
出産といいますか,子供の誕生というものは,本当に大きな感動に満ちたものだったと言えると思います。
無事に出産できましたときには,ほっといたしますと同時に,初めて私の胸元に連れてこられる生まれたての子供の姿を見て,本当に生まれてきてありがとうという気持ちで一杯になりました。今でも,その光景は,はっきりと目に焼き付いております。生命の誕生,初めておなかの中に小さな生命が宿って,育まれて,そして時が満ちると持てるだけの力を持って誕生してくる,そして,外の世界での営みを始めるということは,なんて神秘的で素晴らしいことなのかということを実感いたしました。
また,生まれたての子供の生きる力というのを目の当たりにいたしまして,子供っていうのは,変な言い方ですけれども,本当に生きるために,そして,親に愛されるべくして生まれてくるんだということを強く感じました。この懐妊の期間,そして出産に至るまで皇太子殿下には,その過程をすべて共有してくださって,近くで私を励まし,支え続けて下さったことに心から感謝を申し上げております。

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