何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

二重の苦を祓え

2015-06-29 12:39:41 | ニュース
ギリシャのデフォルトが避けがたい状況となり、取り付け騒ぎも起こっているなか開いた東京株式市場。

<東京株、一時500円超安=ギリシャ懸念で急落> 時事通信 6月29日(月)9時12分配信より一部引用
週明け29日午前の東京株式市場は、ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念の高まりを受けた売り注文が殺到し、全面安で始まった。日経平均株価の下げ幅は一時500円を超え、22日以来1週間ぶりに2万0100円台まで下落した。午前10時現在では、前週末比467円37銭安の2万0238円78銭。
 ユーロ圏が6月末に期限を迎えるギリシャ支援の延長を拒否したため、同国が借金を返せずデフォルトに陥る恐れが高まった。これを受け、欧州での経済活動や金融市場の混乱、世界的な景気悪化に対する懸念が強まり、投資家心理が急速に冷え込んだ。



「ブッラックマンデー」は有名だが今日も月曜日なので、諸々あった週末を受けて市場が開く月曜日は忌なのか? いや「暗黒の木曜日」というのもあったと思い、つまらない検索をしていると、どうも「29」という数字はよかなぬことを引き起こす日だという気がしてきた。

「暗黒の木曜日」が起こったのは1929年
最初の暴落がおこったのは10月24日(木曜日)だったが、壊滅的な暴落を引き起こしたのは28日と29日
この1週間の損失300億ドルは政府年間予算の10倍以上に相当し、第一次世界大戦でアメリカ合衆国が消費した金よりもはるかに多く、これが世界恐慌の発端となる。

1987年10月19日の「ブラックマンデー」は下落率としては「暗黒の木曜日」を上回ったが、日本においては金融当局の対応が適切で、実体経済に被害をもたらすことはないどころか、翌日には上昇幅で歴代一位となっている。

世界的同時株安の最近の例では「リーマンショック」があり、これが失われた10~20年に追い打ちをかけ日本経済を更なる後退に追いやったのは記憶に新しい。これもリーマンが破綻したのは9月15日であったが、株価に壊滅的影響を引き起こしたのが9月28~29日にかけてであった。

こうして見ると、少なくとも日本に長く悪影響を及ぼす発端は、いつも「29」という数字が関わっているように感じられるが、このような与太話を垂れ流してはいけないと、幸田真音氏「スケープゴート」のなかで言っている。
気鋭の女性経済学者が新内閣の目玉人事として金融庁の大臣に就任するなり起る取り付け騒ぎ。
初登頂から一夜明け、番記者による本格的な質疑応答をしている最中に飛び込んできた第一報に色めき立つ番記者たち。
番記者が求めるものは何なのか?
パニックに陥っている預金者を救済して不安を取り除くことなのか、それとも新米大臣を追い詰め惑わせ、記者の個人的溜飲を下げる事なのか。
主人公の新米金融担当大臣は『マスコミが真にめざし、優先させようとしているものは一体なんだ』と戸惑いながら、言う。
『歴史的に見ても、マスコミが煽り立てることで事態をさらに悪化させたケースも多々あるのは忘れないで下さい。ここは皆さんどうか冷静に、少なくともこれ以上群集心理を煽って、さらに風評被害を拡大させぬよう、各社で注意をお願いします』
すぐさま上がる『それは報道規制ですか?』との反論の声に応えて言う。
『それぞれの自覚と矜持の問題です』

「日本に悪影響を及ぼす29という数字」というのは株式市場についてばかりではない。
日本では、縁起物の正月用の餅を29日についてはならないとされているが、それは、二重の「苦」とも「苦」をつく、ともいわれるからだ。
そんな御託をここで書いたところで群集心理に何の影響も与えないので書き放題、といきたいが、「自覚と矜持の問題」とくれば口をつぐむしかない。

二重の苦を祓う清浄な風が吹くことを祈っている。

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