何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

銀杏の葉、祈りと紐帯

2017-11-16 23:55:55 | ひとりごと
今日は御大の再手術だった。

夏に受けた最初の手術で思うような結果が得られなかった御大にとって、この4か月はかなり辛いものだったと思うが、この秋は家族もそれぞれ仕事や学校でストレスを抱えていた。そこへ、悩む家族を見るストレスで体調を崩す者まででて、そろそろ何かがプツンと音を立てそうな気配があった、そんな時期での再手術だった。

今現在の感触として、あまり捗々しい感じはないが、待ち時間に見上げた銀杏&帰宅後に届いていたワンコからの便りを信じ、効果が上がることを祈るしかない。
銀杏の花?言葉 長寿

久しぶりに銀杏の木を見上げていると、母の書棚にあったゲーテの詩集を思い出した。

『銀杏の葉~Gingo Biloba』
これは はるばると東洋から
わたしの庭に移された木の葉です
この葉には 賢者の心をよろこばせる
ふかい意味がふくまれています
これはもともと一枚の葉が
裂かれて二枚になったのでしょうか
それとも二枚の葉が相手を見つけて
一枚になったのでしょうか
こうした問いに答えられる
ほんとうの意味がどうやらわかってきました
わたしの歌を読んであなたはお気づきになりませんか
わたしも一枚でありながら あなたとむすばれた二枚の葉であることが
「ゲーテ詩集」(訳・井上正蔵)

御大、当世流行りの ''不倫'' とやらをするほどの元気までは望まないものの、ゲーテが人妻(25)に銀杏の葉をそえて この詩を贈ったのが66歳だと思うと、ちくと老け込み過ぎではなかろうか。
ワンコからも、応援メッセージが届いたことだし、明日にはかなり回復していると信じたい。


ところで銀杏というと、皇太子様が歌会始で読まれた御歌がある。

平成25年 お題「立」
幾人の巣立てる子らを見守りし 大公孫樹の木は学び舎に立つ

学校に銀杏が植わっている理由を、銀杏の難燃性を恃んだ防火目的だという意見やシンボルツリーだという意見もあるが、皇太子様の「子らを見守る」銀杏というのが、一番しっくりくる。
親という字は、よく「木の上に立って見る」と云われるが、バッシングの業火にも耐え、良識のシンボルであり続けられた皇太子様が見守って下さる世に、期待している。


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