何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

大和路巡礼は お上品に

2017-11-07 12:00:00 | 自然
「敬愛の花もて進め」より

旅というと、色々な場所を数多く訪ねて知見を広げる人もいるが、私は同じ場所を何度も訪問することが好きで、毎年 夏には上高地を、秋には正倉院展を、冬には京都(知恩院)を訪ねるのを常としている。
そんな秋の正倉院展だが、昨年に引き続き今年も、大和路を南北に縦断し、まず一言の祈りを叶えて下さるという一言主神社をお参りしてから、正倉院展に向かった。
去年、鳥居をくぐった所に咲く桜を見つけたときには、ちょうど気持ち良い小春日和でもあったため、狂い咲きかとも思ったのだが、今年も同じように可憐な花を咲かせてくれているところを見ると、十月桜というものかもしれない。

  
鳥居から続く杉並木も良い雰囲気なのだが、この石段を上りはじめると、空気が明らかに清浄なものに変わり、上りきったところで出迎えてくれるのが、樹齢650年の無患子だ。
更に歩みを進めると、手水舎の前には、ボケ封じに御利益がある「至福の像」とともに「ボケ除け数えうた」の立て札があり、十の約束が記されている。自分自身は勿論のこと、あれやこれやの顔を思い浮かべながら、しっかりボケ封じを祈ってきたのだが、約束すべてを守るのは難いので、「五つ、つとめてカボチャを食べて」だけで何とかならないかと思う私には、ボケは兎も角もバチがあたる?

手水舎で清め、ボケ封じも願い、いよいよ神様に御参りするのだが、それは次回へと続くとする。
(祭神 葛城之一言主大神 - 主神  幼武尊 - 第21代雄略天皇)


さて、一言主神社を後にし、葛城古道を一キロほど歩くと、九品寺に辿り着く。
彼岸花で有名な この古道は整備されているようで されていない感じが鄙びており良いのだが、案内標識などがなく、九品寺への道が分かりづらい。あぜ道・けもの道ぞいで畑仕事をされる方に、「きゅうひんでら?はどちらでしょうか?」などと訊ねていた私達は、大ばか者。
畑仕事をされる地元の方は、私達の間違いに気付いておられただろうに、何人かが「知りません」と。
最後にお訊ねした方が、「それは、きゅうひんでら、ではなく、くほんじ」と笑いながら、正しい道を教えて下さった。
  
『九品寺はサンスクリット語で、その意味は布教でいう上品・中品・下品で、人間の品格をあらわしています。上品の中にも上中下があって中品や下品にもそれぞれ上中下があります。全部で九つの品があるので九品と名づけられています。』
『 』九品寺 http://www.city.gose.nara.jp/kankou/0000001416.html より引用

私達の間違いには、開祖 行基さんも真っ青になられたことだと、恥入るばかりの心地ぞする。
よって、中品の中あたりを自認していた私だが、当分は下品の中との自覚で精進せねばと反省しきりの大和路巡礼の旅であった。

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