何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

お山の楽しみ その壱

2016-08-24 00:01:25 | 自然
「雄大な山の写真を引き伸ばして額に入れるのなら、やはりRICOHーのGR1sの方が良いのだろうな」と思う瞬間は何度かあったのだが、それよりも初めて自分用のデジカメを持った楽しさの方が勝り、フィルムカメラでは絶対撮らないであろうものまで、手当り次第に撮ってきた。「カメラとご意見番」

外食などをしていると、料理を撮っている人をよく見かける。
料理人は一番おいしいタイミングで料理を出してくれているのだろうし、食事を共にしている人も必ずしもイイ顔をしていないにもかかわらず、熱心に料理を撮影している人を見る度に、「なんと無粋なことをしているのか」と思ってきたのだが、デジカメを持ってみると、これが写してみたい気持ちがよく分かる。

初めて山小屋のご飯を食べたのは15年前ほど前の涸沢小屋だったと思う。
当時、2350メートルにある山小屋の夕食に金目鯛の煮つけが出されたのには驚いたが、あれからヘリによる荷揚げは益々順調に運んでいるのだろう、年々食事は充実し、今や生野菜のサラダやデザートにフルーツまで出されることも珍しくない。
どの山小屋にも特徴があり、それぞれ美味しいのだが、槍ヶ岳山荘の焼きたてのパンは、もう絶品だ。
早朝焼きあがるパンは’’あっ’’という間に完売してしまい、私はチョコクロワッサンを一つ買うのがやっとのことだったが、これが、生まれてこの方こんな美味しいクロワッサンは食べたことがないというほど美味だった。
もう一度槍ヶ岳に登りたいと思うのは、あの焼きたてのパンに惹かれるからかもしれない。

好きで山を歩いているのだが、目の前に何かをぶら下げないと歩くのが嫌になることも、ある。
そんな時、小屋の食事は楽しみの一つなので、初めて泊まる横尾山荘には大いに期待していた。

早朝上高地を発つ場合、上高地から11キロの地点の’’横尾’’は、穂高に登るにしても槍に登るにしても、通過点になってしまうので、お風呂のある山小屋という点に惹かれながらも、泊まったことはなかった。だが、今回は山pの体調に鑑みて超ドンコウ山行となったため、横尾山荘初体験とあいなったのだ。
まず、そのお風呂が良かった。
環境保護のため石鹸の類が禁じられるのは当然だが、山では汗を流せるだけでも有難いのに、その風呂の清潔できれいなこと。これだけで感動してしまい、「これからは横尾山荘に泊まれる計画を立てよう」と話し合ったほどだった。
では、肝心のお山の楽しみの食事はというと。
  
味付けもボリュームの良く、大満足!

横尾山荘にて、しっかり栄養と休養をとり、翌日は’’いざ蝶が岳’’へ。

蝶が岳ヒュッテには過去に二度泊まったことがある。
二度目にはかなり改善されていたとはいえ、一度目に経験したアンモニア臭の記憶は容易には抜き難く、それだけが難点だと思っていたのだが、三度目となる今回は気にならないくらいに改善されていた。
アンモニア臭はともかくも、蝶が岳ヒュッテのアットホームな感じは居心地がよく、特にヒュッテ内に名古屋市大医学部が常駐してくれているのが、心強い。
他にも、涸沢には東大医学部、穂高岳山荘には岐阜大医学部、槍ヶ岳山荘には東京慈恵会医大と、槍穂の山域には夏期山岳診療所が開設され -幸いにもお世話になったことはない ― 大変心強いのだが、名古屋市大医学部が夕食後に設けてくださる「登山と健康」についての講演会は、ヒュッテのアットホームな感じと相俟って、この小屋の居心地の良さをupさせている。
ともあれ、山行の楽しみである食事はというと。
  
塩分補給を心がけて下さるのか、お山の料理はシッカリした味付けのものが多く私好みで美味しいのだが、お山もてっぺんともなると一つ大きな問題がある。
高度に準じて、ブツの値も上がるのである。
350ミリの缶ビール500円は、この高さでは標準だが、柿ピー小袋150円にはブッたまげた、ブッたまげながらも買ってしまった、そして未練たらしくスーパーで平地の値段を確認してもう一度ブッたまげた、小袋9つで258円。 
いや何もかも、おいしかった、ハイ。

お山の楽しみは、つづく


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