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He who laughs last laughs best

もし女子マネがノックできる世になれば

2016-08-05 00:31:25 | ニュース
数日前、甲子園練習のためボール出しをしていた女子マネージャーがグランドから摘み出されたというニュースがあった。

<大分の女子マネが甲子園のグラウンドに 大会関係者慌てて制止> 
デイリースポーツ 8月2日(火)11時22分配信より一部引用(一部改編)
第98回全国高校野球選手権大会の甲子園練習が2日、甲子園球場で行われ、大分の女子マネジャーがユニホームを着てグラウンドに立ち、大会関係者から制止される一幕があった。
大会規定では危険防止のためグラウンドに立つのは男子のみと明記されている。甲子園練習も準じる形になるが、手引きには男女の明記がなく、ジャージーでの参加は禁止、ユニホーム着用とだけ書かれていた。そのため部長は「私が勘違いしていました。彼女は一生懸命頑張ってきたので、グラウンドに立たせてあげようと思って…。本当に申し訳ありません」と女子マネジャー(3年)のユニホームを新調し、甲子園練習に練習補助員として参加させた。
守備練習では慣れた手つきでノッカーへボールを渡し、約10分が経過した頃、大会関係者が気づいて制止。女子マネージャーさんは「やっぱりダメなんだと思いました。いつもやってるんですけど、甲子園ということで緊張して手が震えました」と言う。

女子マネージャーを摘み出した理由は、硬球が危険だからだそうだ。
確かに硬球は危険だとは思うが、それだけを理由にするのは無理がある。
グランド(ベンチ)に入るのは、硬球に慣れた監督と選手だけではない。
監督とコーチが不在でも公式試合は出来るが、この人がいなければ試合ができないというほど重要なのが、実は’’部長’’だ。
それほど重要なポジションで、ベンチ入りするにもかかわらず、この’’部長’’意外や意外、野球経験者でないことも多いのが実情だ。

私が応援団として校歌をがなっていた母校の部長も、なまっちろいお顔の国語の先生だった。
ご本人は、かつては高校球児だったと主張されていたが、ノックの一つもするでなし、長くバットにもボールにも触れていないことは誰の目にも明らかだったが、男性教師である部長は、それだけでグランドに立つ権利があるのだ。
翻り、この女子マネージャーはどうだろう。
日々選手の練習に付き合い、ノックのボールだしもお手の物だというが、硬球は女子には危険だという理由で、三年間ともに頑張ってきた仲間の甲子園練習にさえ立ちあわせてはもらえない。

安全面を配慮しての この規則ならば実情に合ってはいないし、男女の性差がその判断基準ならば(事実、男子に限るのが様式美という意見もあるようだ)そろそろ改められても良い時期だと思われる。

私は極端な男女平等主義には与しない。
熊谷達也氏のマタギ三部作「相克の森」「邂逅の森」を読めば、その(女性を排するという)伝統や風習を守ることが、命と安全を守ることに直結していると教えられるので、性別により向き不向きがあることも勿論理解している。
だが、男女が協力して行った方が効率が良かったり、協力し合う姿こそが様式美に叶うことも多く、それは時代に即して改められるべきであり、その変化に対応できないような偏執的で狂信的な様式美なら、いずれ廃れてしまうものだとも思っている。

このニュースを見ながら、そんなことを思っていた。

それは兎も角、話題が女子マネージャーだけに、ここで『もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの「マネジメント」を読んだら』(岩崎夏海)について書ければ良いのだが、あいにくと「もしドラ」は借りて読んだ本であり、しかもこの手の本は苦手なので、あまり印象に残っていない。
それでも甲子園は始まるし、何か野球の本をと探し求めて読んでいたところに、野球関連で嬉しいニュースが飛び込んできた、それについては、又つづく。


ところで、最近話題のニュースでいうと、日本の精神的支柱であり、対外的には’’象徴’’である皇室にして実情から乖離している。
7月25日 日本経済新聞より引用
皇室を巡っては、安定的な皇位継承や皇族の減少に対応するため、女性天皇や女性宮家を求める声がある。
これらに関し(1)女性天皇は検討すべきだ(2)女性宮家は検討すべきだ(3)どちらも検討すべきだ(4)どちらも検討すべきでない――の4択で聞いた。
「どちらも検討すべきだ」が最多で59%を占めた。続いて「女性天皇」が21%、「女性宮家」が5%で、何らかの検討を求める回答が85%に達した。「どちらも検討すべきでない」は8%にとどまった。

女性天皇を検討すべしという世論が女性宮家を検討すべしという世論の4倍あり、全体では80%の国民が女性天皇を検討すべしだと答えているのもかかららず、過去には存在された女性天皇の価値をないものとして、現在の世に女性天皇が誕生することを拒む一部の’’力’’がある。
つくづく「知性の声は小さい」と感じている。

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